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32.サイコパスの証明

Penulis: 神木セイユ
last update Terakhir Diperbarui: 2025-06-03 17:00:00

   ルキは素直に美果の言葉を聞き入れるが、それでも蛍がサイコパスではないのではないか……という不信感は拭え無い。それに対し、美果が反論するのは何故なのか、ルキはその答えには至っていない。

「なるほど。『共感の欠如』か。それもサイコパスの特徴ではあるもんね……。それでも、俺は納得がいかないかな」

「あんたが正に、絵に描いたようなサイコパスよね。

 新興宗教の教祖みたい。口先だけで人を丸め込んで、気に入らない者は衝動的に殺す。ケイくんを気に入ってると言いながら、自分の望まない……ケイくんがサイコパスじゃなかったら、用済みなんでしょ ? 」

「そうかもね。たまにうっかり斬っちゃう時はあるけど、カタギさんにそこまではしたことないよ。

    ケイも余計なことをしなければ、家に帰して接触しない様にするしね」

    警察に逃げ込んだり等と、騒ぎを立てた参加者の末路が、蛍が見た飛び降り自殺の女性だ。だが、蛍の性格上、警察に通報するなんてことは無い。

    しかし美果には、蛍が安全に家に帰宅し、ルキと二度と会わないで済む生活をするビジョンが見えない。蛍がサイコパスである事に確信を持っているからである。

「ケイくんも筋金入りのサイコパスよ。

 まず、ご遺体で何やらするなんてことが、『良心の欠如』よ。加えて遺族のことを考えれば『共感も欠如』してる。父親に気付かれても続けるのが『衝動性』。

 サイコパスの特徴の中で、ケイくんがなにか当てはまらない事ある ? 

 唯一、あんたみたいな『減らず口』だけ持ち合わせてないだけ」

「その『減らず口』はサイコパスにとって大いなる武器さ」

「世のサイコパス全員が全員じゃないわ。なんでもそういうのって、統計をとったデータの中の割合じゃない。全員じゃないわ。

    共感、良心が欠如してる……そんなケイくんが他人のプロフィールだけ見せられて「この中で誰が死にたいと言いますか ? 」と質問したところで、分からないのよ。理解が出来ないの。他人に興味が無いから。<
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