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4◇水谷あかねから、もたらされた情報

Author: 設樂理沙
last update Last Updated: 2025-12-19 22:57:24

 それは夫と部下の男性1人と馬場真莉愛そして水谷あかねとの4人で

出張に2泊3日で行った時のことだという。

 話が拗れた場合は宿泊を延長してでも、というほどの大口の取引だった。

 そんな中、その日のためにいろいろ準備していたことが実を結び、

予想以上の効果があって2日目で仕事が取れた。

 成果があったことと、翌日は会社に行かず各自家に帰っていいという

予定を組んでいたのとで、最後の夜はみんな無礼講でお酒に舌鼓をうち――。

 24時近くになってお開きになり、それぞれホテルの部屋に戻ったのだそうだ。

 ただ岸谷という男子社員だけは家から緊急の連絡が入り、途中で

帰っていったのだとか。

「その夜、私、途中トイレで目が覚めたんです。

 そしたら横で寝ているはずの馬場さんがどこにもいなかったんです。

 大倉係長の部屋は岸谷さんが一足先に帰っていて、その日の夜大倉係長は

部屋におひとりだったので、まさかと思いながらも気になりました。

 ――というのも、日頃から馬場さんは大倉係長のファンを公言してましたので。

 女子社員の間では、馬場さんが大倉係長のファンだということは、随分と

知れ渡っています。

 あっ、でも大倉さんはいつもささっと上手くかわされていたので、

問題はないのです、と言いたいところなのですが……」

「問題が起きたんですか? その日……」

 こんな質問したくはなかったけれど、彼女の話を促すには

そんな風に聞くしかなくて、問いかけながら少し凹んだ。

「トイレから戻ってベッドに入って10分ぐらいした頃でしょうか、

 彼女が部屋に戻ってきました。

 私は寝た振りをしました。

 彼女も一度は自分のベッドに入り、布団も掛けてそのまま寝たようでした

ので、私はそれを確認して再度眠りにつきました。

 飲み慣れていないお酒でお腹の調子を悪くしていたのでしょう、

明け方5時少し前にまたトイレに行きたくて私は目が覚めてしまいました。

 そしたらまた隣に寝ていたはずの馬場さんがいなくて本当に驚きました。

 その後、彼女が部屋に戻ってきたのは結局8時頃になってからでした。

 いくらなんでも直截的に大倉さんの部屋にいたのとも追求できなくて

『いままでどこにいたの? あなた夜通しこの部屋にいなかったみたい

だけど……』と訊きました。

 彼女の返事にもう私ぶったまげてしまいました。

 臆するでなし、隠すでなし、ああいう女性《ひと》っているんですね。

 もうほんと、信じられない」

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