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142話

Author: 籘裏美馬
last update Last Updated: 2025-12-21 08:31:35

「こんな話……とてもじゃないが、茉莉花さんに話せない……」

今日、谷島との話が終わったら。

茉莉花さんに電話をして、話した内容を共有しようと思ってた。

だけど、とてもじゃないが今の話を茉莉花さんに話すなんて、出来るわけがない。

谷島も、俺の考えには同意なのだろう。

こくりと頷いた。

「ああ。被害者家族に話すのはまだやめておいた方がいい。……憶測で、苦しめるのは良くない。話すのははっきりとしてから、だな」

「そう……だよな」

「ああ。この件は、俺も協力する。親父に聞けば、何か分かるかもしれない。少し時間をくれ。だけど、小鳥遊。お前は下手にこの件に首を突っ込むなよ」

「ああ、分かったよ。俺だって命は惜しい。下手に動かないさ」

「ああ、そうしてくれ。この件で分かった事があればすぐに連絡する」

谷島の言葉に、俺は「頼んだ」と返す。

それからの俺たちは、食事を終え、その料亭を後にした。

駐車場でそれぞれ運転代行を呼び、その場で別れた。

代行が車を運転している中、俺は後部座席で今日谷島と話した内容を頭の中で整理する。

交通事故の被害者は、茉莉花さんのお母様だった。

そして、お母様を轢いたのは、茉莉花さんの会社にいる同じチームの人間が勤めていた、以前の職場の同僚。

そして、その元同僚は逮捕後、何らかの理由で死亡している。

それに──どうやら、茉莉花さんの会社にいる、同じチームの人間はその事実を知っていた、ようだ。

そして、その件が原因で前職をクビになった……?

しかも、転職活動にまで手を回されていた?

だが、茉莉花さんの家、藤堂家が経営するこの会社には、手を回す事が出来なかった。

と、すると事件を隠したかった人間は、茉莉花
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