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292話

作者: 籘裏美馬
last update 公開日: 2026-03-12 19:07:09

私と苓さんが藤堂の本邸に着いたのは、それから30分ほど経ってから。

家の近くには、複数の車が停まっていて。

私達が乗った車が近付くと、車から一斉に人が降りて来て。

中には報道用のカメラを構えた人達が居るのが見える。

「──嘘でしょ、マスコミ……!?」

「どうしますか、茉莉花さん」

「このまま門の前まで進んでください、苓さん」

「分かりました」

まさか、マスコミが家にまで来ているなんて。

お祖父様が亡くなった事が、既に多くのメディアに知られているという事だ。

苓さんと一緒に戻ると言う事は、家の使用人に伝えてはいないけど。

苓さんの車はもう既に使用人は把握しているはず。

問題なく門を開けてくれれば──。

私がそう考えていると、門が開くのが見えた。

「──良かった、使用人が私達だと気付いてくれたみたいです……!」

「それじゃあ、このまま邸内に進んじゃいますね、茉莉花さん」

「ええ、お願いします苓さん」

ほっとしたのも束の間。

マスコミ達は、私や苓さんが車から降りて来ないと分かった途端、カメラを回し始めるのが車の中から分かった。

それに、写真を撮ってい
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