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293話

Author: 籘裏美馬
last update publish date: 2026-03-12 19:07:12

【半世紀以上もの間、大財閥を支えて来た偉大な人物が本日、帰らぬ人となりました。最期の瞬間は、自宅に帰る車の中で──】

ついていたテレビのチャンネルを変える。

だけど、変えたチャンネルでも──。

【──あっ!今、今戻って来られました!あちらの車の中にいらっしゃるのは、藤堂家の一人娘で、本社の本部長職に就く、藤堂 茉莉花さんです!運転席に居るのは──あっ!もしかして小鳥遊財閥の小鳥遊 苓さんではないでしょうか!?お2人がお付き合いをしている、という噂は本当だったようです!】

興奮したように告げるアナウンサーの説明の後、さっき帰宅したばかりの私と苓さんが乗る車の映像がテレビに流される。

その映像には、しっかりと私と苓さんの姿が映っていて。

ニュース映像には、私と苓さんの写真や年齢や経歴などが詳しく表示されていた。

「なんて勝手な報道を……!」

「許可もなく勝手に家にまで押しかけてくるとは……。流石にやり過ぎですね、こちらで少し動いてみます」

家に入ってきた私達の目に入ったのは、リビングにあるテレビだった。

私達が帰ってくる前まで、きっと家に帰る事が出来なくなってしまっ
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