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第8話

Author: 小湯まる
車はタイヤを軋ませながら屋敷の前で止まった。

悠真は車を降りると、乱れた服を整え、いつもの無表情を作る。

心の中では決めていた。

今回はちゃんと謝る。

でも同時に、千歳にも少しは反省してもらわなければならない。

これからは、子どもを連れて勝手に家を出るような真似はしてほしくない。

そう考えながら玄関の扉を開ける。

いつものように彼女が飛び込んでくるのを待っていた。

だが、腕の中に飛び込んできた人が顔を上げると――

それは紗耶だった。

「悠真……どこに行ってたの?うぅ……もう私を捨てたのかと思った……」

悠真は眉をひそめた。

初めて、彼女の泣き声がひどく耳障りに感じられる。

苛立ったように彼女を押しのけ、そのまま二階に向かった。「千歳――」

だが、そこに千歳の姿はなかった。

それどころか、家中から、千歳の痕跡がきれいさっぱり消えていた。

クローゼットは半分以上空になり、色鮮やかなワンピースも、可愛らしい子ども服も一枚も残っていない。

寝室では、結婚写真が飾られていた場所だけが白い壁になっていた。

そして千歳が7年間、大切にしまい続けていた百通あまりのラ
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