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第45話

Penulis: 吉乃婆婆
last update Tanggal publikasi: 2026-03-07 07:32:19

「ええ。あっ、もしかしてご迷惑ですか。なんか利用するみたいで。でも、あの、私もちゃんと隼翔さんが好き…です。すぐにお返事できなかったのはいろいろ不安があって、怖かったからで…。好きっていう気持ちはずっと前から…です。」

「迷惑なんてとんでもない!嬉しいよ。すごく。今すぐにでも会いに行きたいくらい。」

「ありがとうございます。私も…です。でも、電話だから勇気を出して言えた気もします。」

「だったら電話なことに感謝かな。君の声でちゃんと聞けたのだから。」

それからも暫く話し合った結果、二つ同時は対応しきれないだろうから、一つずつ進めていくことにした。

順番は当然のことながら、隼翔の強い希望で二つ目から。

まずはそれぞれから家族へ報告する。

その後出来るだけ早く隼翔が中京市へ向かい、安藤夫妻に挨拶に行く。同時に双方の会社で不穏な動きがないか、更に情報収集を徹底していくと言うことにした。

「出来るだけ早くそちらに行くよ。楽しみに待ってて。」

「ええ、でも無理はしないで。気をつけてくださいね。三人で待ってます。」

翌朝、涼禾は両親に話があるので時間が欲しいと頼んだ。

その日は徹も急ぎの仕事はな
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  • いつかの一枚のために   第63話

    翌日、予定通りの時間に現れた隼翔は、噂通りの長身でスタイルも良く、何よりも顔が素晴らしく整っていた。そして、やはり噂通りの冷淡な表情だった。出迎えたスタッフは緊張した面持ちで対応し、安西とも軽く挨拶をしただけですぐに更衣室へと入っていった。暫くして、涼禾が店に到着した。同じく緊張した表情で出迎えたスタッフは、涼禾を見るなり想像以上の美しさに目を奪われ一層緊張が増していった。しかし、涼禾が隼翔と違い穏やかな笑顔を浮かべながら「皆様、今日はよろしくお願いします。楽しみにしていましたので、試着出来るのがとても嬉しいです。」と丁寧に挨拶をしたので、ほっとして緊張もほぐれ、和やかに案内していった。既に着替え終えた隼翔が、待合室で待っていると、「安藤様の準備ができました。」と声がかかった。隼翔は素早く立ち上がると入り口の方に向かい、涼禾が入ってくるのを待った。間もなくスタッフに手を取られ入って来た涼禾を眩しげに見つめた後、満面の笑顔で手を差し出し涼禾を迎えた。「綺麗だよ、涼禾。パーティーが待ち遠しい。」「ありがとう、隼翔さん。あなたもとても素敵よ。」美しく着飾った美男美女の仲睦まじい様子に、そばで立ち合っていた一同は感嘆のため息を漏らした。特に、来たときとは別人のような隼翔の甘やかな微笑みには女性のみならず一同が見惚れてしまった。一方で、その衣装を自分たちが創り上げるのだという誇らしさに満ちていた。 沢辺もまた、その一人だった。しかし、自身に課せられた役割を思うと、途端にずしりと重いものが心にのしかかった。沢辺は小さい頃からかわいい洋服が大好きだった。「お母さん、今度のお誕生日にはピンクのワンピースが欲しいの。」「いいわよ。今年は仕事も忙しくないし、世界に一つだけのかわいいのを作ってあげる。」彼女の母は服飾メーカーで縫製の仕事をしていた。なので娘のために心を込めて彼女の望む服を縫ってくれた。とはいえ、さほど裕福ではなかったため、高価なドレスなどは手が出ない。せいぜい誕生日やお正月などに着る、少しおしゃれな服を作る程度だった。彼女は成長するにつれ、自分も相手に喜んでもらえるような服が作れるようになりたい、と思うようになった。専門学校で勉強する傍ら、メーカーのデザイン室でアルバイトをして実践的な経験も積んでいった。卒業後、友人と共同で小

  • いつかの一枚のために   第62話

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  • いつかの一枚のために   第61話

    「おばさま、先日はありがとうございました。その上、今日はこんなに沢山のおみやげまで。本当にありがとうございます。」 「「ありがとう〜。」」 「あら、もう着いたの?最近出来た鉄道最速便てホントにすごいわね。喜んでもらえたようで良かったわ。あら、今何かメールが届いたみたい、ちょっと待ってて。」 一旦切れたあと、少ししてかかってきた時は、 「もしもし、かわいい動画をありがとう!」 と、嬉しそうな声が返ってきた。 続いて健人の携帯には倫太郎と隼翔から自分にも動画を送れと催促のメッセージが入った。 江崎家からの温かい心遣いが安藤家の皆の心も温めてくれた。 夜になり、颯太も一緒に今回の合同作業期間の様子の報告と、これからについて話をした。 「涼禾に動画を送ってきたり、音楽教室で何組かの親子に探らせたりしたのは、その入江さんとその仲間たちという可能性が高いってことだね。やっと相手が見えてきたね。」 「そうだね。仲間のもう1人は秘書室の園田さん。彼女は涼禾がいた時同じプロジェクトのメンバーだったそうだ。」 「あとは、瀬川側にいる誰か。果奈さんのアシスタントか、兄の瀬川社長の秘書室の誰か辺りだと思う。」 隼翔か江崎グループかの関係での相手はようやく見当をつける事が出来た。証拠を見つけて告発するか、これ以上関わってこないよう対策をするのか検討していくことにした。 イベントまで約二カ月、仕事に加えて涼禾にはもう一つ準備するものがあった。 それはイベントのパーティーで隼翔と着る衣装だ。両家はそこで二人の婚約を発表するつもりだった。それに相応しい衣装を涼禾自身がデザインしたいと申し出た。 ようやく昔の感覚が戻ってきた気がしてきたので、復帰第一作を自分たちで身につけたいと考えたのだ。 涼禾の気持ちを聞いて家族も賛成した。 そこで、例の物件を実際にアトリエにしてそこで製作することにした。そこで働くスタッフは一般に募集し、代表は『安藤』の関係者が務めるのだ。 いざスタッフを募集してみると、応募してきた中に2名ほど違和感を感じる人がいた。 人を雇って調べてみると、その内の1人が江崎グループの入江の知人だとわかった。 「これはもう確定だね。」 結果を聞いた健人が言った。颯太も、 「いわゆるスパイって奴?」 「今度は何をするつもりだろう。」 隼

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    母は一生懸命何かを伝えようとしていた。でも、ちゃんとした声にならなくて、微かに息が漏れるかのような声で、「ごめんね、おとなになって、もし、同じ道に進んだら、えの、なか、を、見て。………。」まで聞き取れた所で昏睡状態に陥り、翌朝には息を引き取った。当時香子は17才、亮は10才で母の言葉の意味は分からないままで、そのうち忘れてしまっていた。なぜ今頃思い出したのだろう。5年前、両親の事故について何か新しい情報を得ていたのだろうか。残念ながら今の所そこまでは思い出せない。記憶を失ってからこの春までの約4年半、ほとんど記憶は戻らなかった。ところが、この春に少し思い出したのをきっかけに次から次へと記憶が甦ってきた。同時に、途切れてしまっていた縁が再び繋がり始め、終わったかに見えていた出来事が動き始めている。翌日、涼禾は久しぶりに5年前からお世話になっている診療内科を受診することにした。そのことを伝えた時、家族は心配したが最近慌ただしくて行けていなかったので、念の為だと言って納得してもらった。病院で幾つかの検査をした後診察室に入ると、 主治医の佐川先生が、「安藤さん、お久しぶりね。その後いかがでしたか。」と穏やかに声をかけてくれた。「はい、だいたいは大丈夫なのですけど。最近、ちょっとしたきっかけで急に記憶が戻ってくるということが何度もありまして。」「そう、その時の体調は?」「最初の頃は、目眩や頭痛があったり息苦しくなったりしていました。でも、慣れてきたのかそんな症状も少しずつ楽になってきています。」「なるほど。記憶の回復は進んできたけれど、身体への負担は減ってきた、ということね。」「そう、だと思います。でも相変わらず、断片的だったり、ごく短期間のことだったりで、曖昧なことの方が多いです。」「脳の機能そのものは専門外だから推測も入るのだけど、あなたの心も身体もかなり回復した、ということだと思うわ。環境にも馴染んで心が落ち着いてきて、身体も本来の回復機能を取り戻してきた。だから、今まで無意識に思い出すことを拒んできた記憶を受け入れられる、と脳が判断したっていう感じ?人間の脳ってすごいのよ。」「思い出すことを拒んでいた事を、受け入れる準備が出来てきた。そうかもしれません。最近、思い出す努力をしようと思い始めていたんです。」「確かに心身はしっかり

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    双子の話を聞きながら、涼禾はふと思い出した。そう言えば、以前に頭に浮かんだ手紙と書類と絵の中の、手紙について、この間から少しずつ思い出したことがあった。手紙はふたつある。一つは、警告めいたもので、何処かに自分を呼び出すようなものだった。そしてもう一つは、子供が書いたような拙い文字と女の子がピアノを弾いているイラストが添えてあった気がする。『あの手紙、いつ見たんだっけ。確か、両親と一緒に見た気がする。』「ママ!だいじょうぶ?」「ママ、まだつかれてる?」子供たちの声にハッとして、思考を止めた。「大丈夫よ、もうすっかり元気よ。お姉さんがピアノを弾いてくれたって聞いて、どんなお姉さんだったのかなって思ってただけ。」「おねえさん?」「おねえさんはねぇ、もうすぐこうこうせい(高校生)だって。」「ピアノが大すきだけど、あんまりげんきじゃないかられんしゅうもそんなにできないって。」「でも、がんばってるからみんなもがんばってねって言ってくれた。」「そう、素敵なお姉さんねぇ。お名前は何ていうの。」「「せがわさとみさん!」」「瀬川、聡美…さん。」その名前を聞いて、あの手紙にまつわる記憶が一気に甦った。少しの間一度に押し寄せてきた記憶に動揺したが、何とか平静を取り戻し、朝食を終えた。朝食後、涼禾はさっきの記憶を落ち着いて整理したいと思った。なので、子供たちを佐和子に頼んで、部屋で休むことにした。「お母さん、すみません。やっぱりもう少し部屋で休んでいてもいいですか。」 「もちろんよ。2人のことは任せて。ゆっくり休んでね。」 食事中に暫く涼禾の様子がおかしかったことに気づいていた佐和子は、安心させるように返事を返した。およそ10年前、当時両親はある製薬会社の研究所で働いていた。その頃は、ある感染症の特効薬の創薬に従事していてとても忙しそうだった。が、まもなく会社からついに薬が完成したと発表され世間では大きな注目を集めた。香子はこれで両親も少しはゆっくりできるだろうとホッとしていた。しかし期待に反して、両親は家にいても頻繁に誰かからの連絡が入るようになり、ますます忙しそうになった。その上、二人で難しい顔をして何か相談し合っているようだった。そんな時だった、あの手紙を見たのは。「お母さん、この手紙は何?」「これはねぇ…。今、お父さんと開発中

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