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第79話

作者: 吉乃婆婆
last update 公開日: 2026-04-04 07:34:22

学園の演奏会当日、この日は学園生徒と保護者、その他関係者や招待客のみに入場が許可されていた。

涼禾たちは関係者として招待をされていた。

午前中は小学部と中学部の演奏発表である。

お昼休憩を挟んで、午後の一番目に聡美の演奏が始まる。

周囲を新緑の木々に囲まれた屋外舞台の上に、木製の台と共に立派なピアノが設置された。そして慎重に調律が施され準備が整った。

木々の間からは柔らかな光が差し込み、自然の照明演出も期待できそうだ。

時間通りに午後の部が始まった。

司会者の紹介を受け聡美が登場すると、会場は大きな拍手と共に”ほぉ〜“という感嘆のため息で包まれた。

聡美はライトグリーンのドレスを着て、髪を高い位置で一つに纏め白のリボンで飾っていた。ほんのりピンク色の頬と艶のある薄赤の唇は、とても健康的で若々しい美しさを感じさせた。

静かに演奏が始まり、いつにも増して優雅で力強い音が流れ始めた。2曲目は明るくポップな曲で楽しみ、3曲目は雄大な曲で、いよいよ最後の盛り上がりの時、一際明るい日差しが全身で演奏する聡美に降り注いだ。

すると、グリーンの衣装にキラキラ光る銀色のリーフ模様が浮かび上がり、幻想的
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