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104.伝えたい気持ち・知りたい気持ち⑦

Author: Aica
last update publish date: 2025-10-20 20:46:02

「冷蔵庫のやつも……オレのために、してくれたってこと?」

「あっ、はい。社長がもうすぐ帰ってくると思ったらなんかしたくて落ち着かなくて。そろそろ日本食恋しくなる頃かなぁなんて。社長いつ帰ってくるかわかんなかったですけど、仕事やこういう急に出かけたりした時、すぐ食べれるようにしておきたかったんです」

「ごめん。帰る日連絡しなくて」

「あっ、いえ。あたしが勝手に自己満足でしたかっただけなんで! っていうか、いつ帰ってきても料理があるってホッとしませんか? せめてあたしがここにいる間は、居心地いいと思ってもらえる場所に出来たらなって思って……」

単純だけど、少しでも社長の情を繋ぎ止められるならなんでもしたい。

別に料理だけであたしが必要だと思ってもらえるのならそれでいい。

ここにあたしがいる意味を……ここにいていい意味を、あたしは一つでも多く存在させておきたいから。

「ウマかった」

「え? 食べてくれたんですか!?」

「あぁ。空港からここにすぐ戻ってきたから。ちょうどメシ食べる時間もなくて」

「うわー作っておいてよかった! 料理何があるかわかりました?」

「あぁ。うん。ちゃんと詳しく書いて
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  • おいしい契約恋愛   318.甘い時間⑧

    「ホントですか……?」「あぁ。それもわかった上で、オレは彼らをこのプロジェクトに任命したんだから」「あっ、そっか……」「オレもそう思ったから、正直依那が適任だと思ってる」「慧さん……」「依那は、オレが想像しないようなアイデアや世界観や価値観を生み出してくれる。だからプロジェクトメンバーとしての依那に、オレも社長として大いに期待してるんだ」「ありがとうございます……」慧さんがそうやって当たり前のように、あたしの背中を後押ししてくれるような言葉をかけてくれることで、あたしはまたそんな慧さんに胸がいっぱいになる。「だけど。そっか。そういう立ち合いもあるってことか……」「そうですね。だから、ホントは明日一緒にめちゃめちゃ食べに行きたいんですけど、琉偉の仕事が立て込んでて、明日のその夜しか時間がどうしても取れなくて。うちのスケジュール的にもそれ以上延ばせないんで、絶対明日は撮影しなきゃなんです」「ん。わかった。大丈夫。オレと一緒にはまたお互いの時間が合えば行けばいい」「はい」あたしは少し寂しい気持ちを感じながらも納得する。っていうか昔のあたしならそんな琉偉と夢みたいな時間過ごせるなんて最高に嬉しかったのになー!琉偉のためなら、何時間だって待つし、どこまで遅くなっても一緒にいれる時間が増えるなら大歓迎くらいに思ったはずなのに。今のあたしは少しでも慧さんと一緒に過ごす時間が恋しい。一緒に暮らしてて、今だって一緒にいるのに。でも、やっぱり琉偉のこの感情はファンとしてワクワクする気持ちで。自分へ想いを返してくれる慧さん。自分を必要としてくれる慧さん。自分を求めてくれる慧さん。そんな慧さんは、琉偉への感情とはまたやっぱり全然違う。琉偉も好きなのは変わらないけど、すぐそばで想いを通じ合わせられている存在がいるというのは、やっぱりもっと特別なものだから。一緒にご飯に行けると思うだけでワクワクして、一緒に行けないとガッカリして。すぐそばにいるのと同じように、その度感情が同時に溢れてきて、いてもたってもいられなくなる。その気持ちを慧さんと常に共有したくなる。そんな幸せを知れただけでも、あたしは幸せに思う。

  • おいしい契約恋愛   317.甘い時間⑦

    「あっ、そうだ。明日オレ仕事打合せで外に出るんだけどさ。それが夕方には終わりそうなんだよね。久々に夜、外で一緒にメシ食わない?」「えっ、そうなんですね!  行きたいです!」うわっ、慧さんと二人で食べに行けるのどれくらいぶりだろう。最近慧さん出張とかで忙しかったし、一緒に食べに行くことも出来てなかったもんな。しかも慧さんからわざわざ誘ってくれるなんて、なんかデートのお誘いみたいで嬉しい!と、久々の慧さんの提案に心躍らせて答えてもるモノの。「あーっ、そうだ明日ダメだ!」いきなりの嬉しいお誘いに嬉しい気持ちが優先して、ほんの一瞬でも明日の予定を都合よく忘れてしまっていたのに気づいて、すぐに訂正する。「ダメって? なんか予定入ってるのか?」「はい。夜まで急遽SEIKAプロジェクトの仕事入っちゃって」そうだった。急遽今日その予定に変更になったから、思わず慧さんのお誘いが嬉しくて忘れちゃうとこだったよ。「あのプロジェクト? 依那の担当的にそんな夜急遽入る内容だったか?」「あ~。明日プロジェクトの広告に載せる琉偉の個人撮影で」「彼の……? それになんで依那が?」「それが実は撮影するテーマのコンセプトを打合せしてた時に、メンバーがあたしが出したアイデア気に入ってくれたみたいで……」「依那が出したアイデア?」「プロジェクト内で相談してた時は、なかなか思ったよりいい案が出なくって。それでついあたしがファン目線の方向でチラッと提案したら、まさかのそれがいいって、チームの皆もEveRのメンバーも賛同してくれて。でもそのイメージ通りに仕上げるために、あたしが全員の撮影に立ち会うことになっちゃったんです」「そんなの、依那が大変なんじゃないのか?」「いえ。元々EveRのファンだし撮影立ち合えるのなんて正直役得ですし、それに何より自分のそのアイデアは、誰よりEveRの良さや魅力をよく知ってるファンの自分だからこそ生まれたアイデアだと思うんです。だから、それをちゃんと想像通りの形に仕上げたいんです。きっとそのアイデア通りの形になれば、このプロジェクトのアンバサダーとしてのEveRはもちろん、プロジェクトとしてもどれほどすごいモノで魅力的なことかを絶対たくさんの人に知ってもらえると思うんで、あたしも妥協したくないっていうか」と、気付いたら長々と慧さんの前で熱弁

  • おいしい契約恋愛   138.好きと言われる方法⑥

    「あっ、その店めちゃいいよな!」すると、背後から誰かの声がする。「あっ、ヨッシー」「おぅ。おつかれ」吉岡こと、ヨッシーは、同じ部署の同期。その頃からお互い知ってるからか、あたしが会社で気の遣わない男。桜子も含めてその頃からの同期は皆案外仲良くて、たまに同期会とかするくらいのグループのメンバーなんかでもある。なので、そのグループでは、人当たりがいい吉岡は、同期仲間からはヨッシーと呼ばれて、あたしも普段はその呼び方をしている。「それ。社長が手掛けた店だよな」すると、その開いたページの写真を見てヨッシーが呟く。「えっ、これだけ見てよくわかったね!」「そりゃそうだよ。オレ社長の

    last updateLast Updated : 2026-03-28
  • おいしい契約恋愛   135.好きと言われる方法③

    「なんか依那。強くなったね」「え?」「なんか依那のそんなハッキリした気持ちって、初めて聞いたかも」「え? そう?」「そこまでは正直想像してなかったかも」「え?」「あたしが思ってたより、依那と社長って好きとか以上のもっと深いモノで繋がってるんだね」「そう……なのかな……?」「うん。でも。依那がそんなに心配するほどじゃないと思うよ?」「え? なんで?」「社長と会ってさ、依那の一方的な想いだけじゃないような気がするけど」「どうだろ……」「社長が依那にしてくれてることってさ。結構特別だと思うけど」「えっ? そうなの?」「あんなにちゃんと依那に対しての気持ち、あたしにまで言

    last updateLast Updated : 2026-03-28
  • おいしい契約恋愛   128.親友への報告⑤

    「それで結構話し込んでたら時間遅くなって、逢沢をついでに自宅まで送ろうとしてた途中で、急に泊まるとこ探さなきゃいけないってなって」「あたし、お姉ちゃんと一緒に住んでたでしょ?」「あぁ、うん」「元々そこ住んでたお姉ちゃんの彼氏がその日急遽帰ってきて、その日にもう家追い出されちゃって」「えっ、何それ!?」「それで困ってたところ、社長が家泊めてくれて」「あ~。そうなんだ。そういう流れなんだ? でも、社長がそのまま依那を泊めたっていうのがビックリですけど……」「あっ、誤解しないでほしいんだけど、男女の関係になったとかそういうのは一切ないから」「あっ、そうなんですね。そういう流れだと、

    last updateLast Updated : 2026-03-27
  • おいしい契約恋愛   126.親友への報告③

    それから、飲み物や少しずつ食事が来て少し落ち着いた頃に。「さっ。話。始めようか」社長が口を開いた。「驚かせて悪かったな、河野」「いえ……。でも、すいません。まったく状況が把握出来なくて……」「うん。そうだろうな。ホントは逢沢が事前に話してればこんな戸惑うこともなかったんだろうけど、そこはオレに気を遣って逢沢が誰にも話さないでいてくれたから」「あっ、そうだったんですね……」「だけど。親友の河野には、ちゃんと全部話しておきたいからって逢沢に相談されて。お前らの間に行き違いや勘違いが生じないように、ちゃんとオレからも状況説明する必要があると思ったから、今回オレらも同席させてもらった」

    last updateLast Updated : 2026-03-27
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