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4.社長との運命的な出会い④

Author: Aica
last update Last Updated: 2025-08-02 13:11:49

「ねぇ、依那。何やってんの(笑)」

「あっ……。桜子……」

気付くと少し離れたところで一部始終を見てたであろう桜子が少し笑いながら話しかけてくる。

「いや、ビックリするわ。社長と何対等に話してんの」

「えっ! どこが!?  てか、あたし何話してた!?」

「えっ、自分で話したこと覚えてないの?」

「いや、なんか流れで、言わなくてもいいこと言ったような気がしてならないんだけど……」

こんな状況想像すらもしていなかった。

社長と直接話す機会なんて今までなかったしこの先もないと思ってた。

それくらいこの会社は社員も多いし社長と一社員との線引きがハッキリしている。

ある意味それくらい社長は遠い存在の人だった。

なのに今はとにかくクビにだけはならないように必死だったことしか記憶にない……。

「まぁ、そうね。依那、社長に向かって堂々とタイプじゃないとか言って、ちょっとビックリしたけどね」

「だよね!? あたしはただ社長目当てじゃないってこと伝えたかっただけなのに、なんか言葉のチョイス間違ったかなって、話してるうちにどんどんわかんなくなってた」

「そうなんだ(笑) 確かにあの社長のオーラ目の前にすると、何話していいかわかんなくなるかも」

「でしょ!?」

「でも社長って、もっとクールな感じかと思ってたし、あんな風に結構喋る人だとは思ってなかった」

「だよね」

「うん。でもあの本村さんもなんか実は砕けた感じの人でビックリだった」

「ねー」

「あの人も出来る秘書さんで有名だしね~」

「そうなんだ?」

「社長はまぁダントツで人気だけどさ。案外あの本村さんも、あのビジュアルだから、会社の中でも密かにファン多いんだよね」

「へ~あの人もなんだ」

「社長よりもあの本村さんは、少し優しくて甘い感じの雰囲気があるから、隣同士二人でいると、社長との違いがまた目立つっていうかさ」

「確かに」

改めてさっき社長と本村さん見たけど、確かにあの二人が一緒にいる姿は、すごく目を引いた。

お互い背が高くて、誰が見てもカッコいい二人。

社長がクールなカッコいい感じなら本村さんは少し温かみを感じるような爽やかさというか。

そしてそのバランスがそれぞれの魅力を引き出し合っている。

「でもあの二人元々仲良さそうな感じだったね。そういえばうちの社長よく取材されるけど、その時に、ここはビジネスパートナーと始めた会社で、その存在は今でも大きくて頼りになるって答えてたな~。それあの本村さんのことだったんだね」

「そっか。あたし今までは好きなカフェの仕事に関われるってことが一番重視することだったし、個人的な社長のこととか気にしてなかったというか」

「あ~、依那はそんな感じだったよね」

「確かにそこそこ若い社長だとは思ってたけど、でもこの仕事からしたら社長みたいな人だから、ここまでこの会社もすごくなってるんだろうなぁって思うし」

「それはそうかもね。社長の若さと柔軟で独創的なアイデアがあるからこそ、ここまでいろんなプロデュース出来て、いろいろ広がっていってるんだろうしね」

「うん。やっぱそこは社長尊敬出来る人かも」

「タイプじゃないけど(笑)?」

「あっ、うん。そうだね(笑) でも元々あたしは社長のそういう外見だとかスペックだとかに惹かれてここ入った訳でもないし、それは入社しても変わらないな」

「確かに、依那そこはブレないよね」

「うん。あのカフェみたいな場所自分でも作りたいっていうのが今のあたしの夢というか、ここに入ってやりたいことだし」

「そだね。依那はそれ叶えるために、ここに入ったんだもんね」

「うん。さっきはルイルイと比べてあんな感じでは話してたけどさ。実際は社長はずっと尊敬する人っていうか憧れてる人っていうか」

「なら、それさっき言えばよかったのに」

「いや、多分そういうのあの時言ったところで特に社長は何も思わないんじゃない?  そんなの普段から言われ慣れてるだろうし」

「そうかな~。逆に依那みたいに社長の仕事に憧れて純粋にこの会社に入社した人って少ないと思うし、嬉しいんじゃないかな~」

「そうかな~」

「うん。あたしもたまたまタイミングよくこの会社の求人見つけてオシャレな仕事っぽいな~って思って始めただけだし」

「そんなもんなんだ」

「うん。あたしはそんな感じの理由だけど、現に社長狙いの人は最初っからこの社長の会社だってわかって入ってきた人もいるだろうしさ」

「そっか」

あたしは純粋にこの会社のこの仕事に惹かれて働きたいと思った。

それは社長がカッコいいとかそういうのじゃなく社長が手掛けるこの仕事に憧れて、そんな社長の元で働きたかったから。

社長の前ではタイプじゃないとか散々言ったりしたけどそれは単純に恋愛とかそういう意識を持っていないという意味で。

実際はあたしが理想とする仕事をしている社長は上司として純粋にそういう意味で憧れて尊敬している。

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