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第117話

Author: ルーシー
ワインを一口飲むと、玲奈の目から涙がこぼれ落ちた。

鼓動が早い胸を押さえ、不安と混乱でいっぱいになる。

そのとき、電話の着信音が鳴った。

画面を見ると、表示されたのは兄の秋良の名前だった。

まだ時間は早い。

時刻は夜の十一時を少し過ぎたころだ。

兄に気づかれまいと、玲奈は慌てて涙を拭い、気持ちを整えてから電話に出た。

「兄さん」

できるだけ平静を装ったつもりだったが、声にはかすかに不自然さが滲んでしまう。

秋良はそれを指摘することなく、静かに言った。

「もうこんな時間なのに、どうしてまだ帰ってこない?陽葵がずっと君を呼んでいるぞ」

その言葉に、玲奈の胸がまた痛んだ。

自分の娘よりも、姪の方がよほど自分を気にかけてくれている――そう思わされる瞬間だった。

少し間を置き、玲奈は答えた。

「......兄さん、愛莉が体調を崩してしまって。今夜はそばにいてあげるわ。明日の夜には帰る」

秋良は不安げに何度も何か言いかけては飲み込む。

けれど結局、言えたのはただ一言だった。

「玄関に、君宛ての荷物が届いている」

そこでようやく玲奈は、拓海から聞かされていたブレス
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