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第171話

Author: ルーシー
その瞬間――玲奈の脳裏に、ひとりで娘を育ててきた日々が蘇った。

熱を出しやすい幼子を抱えて、必死に病院へ駆け込んだ夜。

智也には何度連絡しても繋がらず、濡れそぼつ雨の中、ひとりで愛莉を胸に抱えて走った。

病院までの道を、いったい何往復しただろう。

びしょ濡れになりながらも、ただ「隣に彼がいて、大丈夫だ、俺がいると声をかけてくれたら」――その願いを胸に、必死で踏ん張ってきた。

けれど、彼はいつも忙しく、手の届かないところにいた。

だから玲奈は、やがて自分ひとりで全てを解決する術を覚えていったのだ。

なのに、ほんのさっき、智也は玲奈の首に挟まれていた傘を取り上げて、自ら「俺が持つ」と口にした。

数え切れないほど夢見た光景が、ようやく現実となった。

けれど玲奈の胸に去来したのは、喜びではなく、込み上げる悔しさと哀しみだった。

――もっと早く、こうしてくれていたなら。

こんなにも心が荒み、死んだように冷め切ることはなかったのに。

雨の中を歩く間、智也の傘はずっと玲奈のほうへ傾けられていた。

けれどそれは、彼女のためではない。

抱かれた愛莉のためだ。

それでもいい。
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U Tomi
どれだけ空しい、悲しい、寂しい我慢してきたのかはわかります。情けまたは、情をみせると調子にのるだけなんでそこはみせないでサクサクお願いします。
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