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第417話

مؤلف: ルーシー
玲奈は、ティッシュで拓海の指の血を止めていた。

彼の問いを聞いた瞬間、ほんのわずかだが、身体が強張った。

短い沈黙のあと、彼女は静かに答えた。

「......私たちは、もともと住む世界が違うの」

俯いたまま、長い睫毛が影を落とす。

笑顔はなく、声はひどく真剣だった。

その言葉に、拓海の胸はざらついた。

声を低く沈め、重く問い返す。

「玲奈。

俺は、君に近づこうとしてきた。

何歩も、何歩も。

なのに、どうして君は、一歩もこっちに来ようとしない?

どうしてだ」

玲奈は彼の指を押さえたまま、顔を上げた。

視線がぶつかった瞬間、彼の目に渦巻く、激しい怒りと苛立ちが映り込む。

一瞬、意識が揺れた。

だが、あの夜――

拓海が沙羅にキスした光景が、再び脳裏に蘇る。

玲奈の表情は冷え切り、声も氷のようだった。

「あなたには、あなたの人生がある。

私にも、私の人生がある」

その言い分は、拓海にとって聞き飽きたものだった。

病院にいた頃の彼女は、こんな態度ではなかった。

彼女は、彼に抱かれて眠ることを許した。

心が、少しも動いていなかったなど、信じられない。
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