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第313話

作者: ルーシー
智也が会場に姿を現したとき、彼は確かに玲奈と一緒に入ってきた。

だが、玲奈が自分は智也の秘書だと言っていたこと、そして今こうして智也が沙羅にあれほど優しく接しているのを見て、康夫の胸の中にはある確信が芽生えた。

――新垣家の孫嫁とは、この沙羅のことに違いない。

そう思い定めると、康夫は柔らかい笑みを浮かべ、沙羅に穏やかに声をかけた。

「いいんだよ、お嬢さん。

気楽に楽しんでくれればそれでいい」

沙羅は康夫の温和な態度にほっとし、愛らしく微笑んだ。

「ありがとうございます、康夫さん」

康夫はうなずき、次に明人へと視線を移した。

「智也君、この端正な青年は?」

実は先ほど会場の入り口で、康夫はすでに彼の存在に気づいていた。

見覚えのない顔ではあるが、智也と並んで入ってくる人物など、そうそういない。

これまで智也と公の場を共にしてきたのは、薫か洋くらいのものだ。

それ以外で同行を許される人物ならば、ただ者ではない。

ところが、智也が答えるより早く、明が冷ややかに鼻を鳴らした。

「康夫さん、名前も知られていないただの小物ですよ。

気にされるほどの相手じゃありませ
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