Masukこうして無事?出席確認を終えると、大森に引き連れられ、校舎案内となった。そこでは並び順なんて関係ない様で叶弥がオレの元へやって来る。
「京ー。お前早速目ぇつけられてんじゃねぇか」
「......お前も人の事言えないだろ。大森、あえて口には出てなかったけどお前の金髪見て眉間にシワ寄せてたぞ」 「マジか」そう軽口を叩き合いながら校舎案内を終え教室へと戻ってくると、教科書配布やらなんやら細々としたものを行い今日は解散となった。
オレは貰った教科書を机の中に突っ込んで帰り仕度をする。すると、大森が「五十嵐ー、田河」ーと呼んできた。「お前らちょっと居残りな。教室で待ってろー」
そう言い残し大森は一度教室を出て行った。
「なんなんだろーなぁ?オレ達まだ何もしてなくね?」
「まだって...オレからも頼むから高校生活は平穏に送ってくれ......」 「それは周り次第じゃねぇーの?」しばらくすると教室にはオレと叶弥だけが取り残され、皆帰って行った様だった。すると大森が校長を連れて戻って来た。
「いやぁ、待たせたな。スマンスマン」
「君達が五十嵐 叶弥君と田河 京司君かな?」校長がそう尋ねて来たので「そうです」と肯定する。すると校長は笑顔になりながら話しを続けた。
「いやぁ、五十嵐君のお父さんには学生時代よく助けられてね」
その言葉にオレと叶弥は驚愕した。どうやら校長と凛太朗さんは学友だったらしい。
「お父さんはね、極道の人間だからと最初のうちは腫れ物の様な扱いを受けていたんだけどね。それでも彼の面倒見の良さと人間性であれよあれよと人気者になったんだよ」
「オヤジが......」 「私もね、イジメられていた所を何度も助けてもらったよ。それで息子さんである叶弥君には謝らねばならない事があってね......」 「謝らねぇといけない事?」叶弥もオレも校長の言葉に疑問を持った。
「お父さんが足を悪くして杖無しでは生活出来なくなってしまったのは、私を庇ったせいなんだ。本人にも謝罪はしたんだが、気にしなくていいとしか言ってくれなくて、ずっと気がかりでね......息子である叶弥君にも謝罪したくて時間をとってもらったんだ。......本当に申し訳ない」
校長はそう言うと叶弥に対して頭を下げた。
「別に校長先生が悪いわけじゃねぇーし、オヤジも気にしてないと思うんで、謝罪だなんていらねっすよ」
「叶弥君......」 「それにオヤジがちょっと不自由になった所で、組にはデケェ大人達がいるんで、困った事も無いし大丈夫っす」叶弥は「それに......」と言葉を続ける。
「オヤジは人助けが趣味みてぇなもんだし、気になんて全然してないっすよ」
「そうですよ校長先生。オレも凛太朗さんから助けていただいた身ですけど、あの人はお礼とか謝罪とか見返りを求めるような人じゃ無いです」 「...そう言ってもらえると心が軽くなるよ。......ありがとう。」校長の礼を聞き、オレと叶弥は顔を見合い笑った。
「君達二人にはのびのびとした高校生活を送ってもらいたい。何か困った事があればここに居る大森先生達を頼っていいんだからね?もちろん、私でも構わないよ」
校長は憑き物が落ちた様な穏やかな笑みを浮かべそう言った。
「時間をとらせてすまなかったね。気をつけて帰るんだよ」
そう言うとオレ達二人を残し校長達は去って行った。
「んじゃ、オレ達も帰るとしますか。迎えが来てるみてぇだし」
叶弥はスマホを見ながらそう言った。......黒塗りのベンツでない事をオレは祈るばかりであった。
朝となり、身支度を整えメシを食べ終えるといざ、幼稚園へと向かうのだった。オレ達は三人で仲良く手を繋ぎながら歩いていると、ママさん達の方から声をかけてきてくれた。「おはよう。えっと、五十嵐君、で良かったかしら?」「おはようございます。はい。五十嵐です」「おはよーごさいます!」オレと剛がママさんと挨拶を交わしていると近くで"ゴンッ"と鈍い音が聞こえた。...音の出処は言わずもがな叶弥である。原因はどうせオレが"五十嵐です"と名乗ったからであろう。「スンマセン。おはよーごさいます」「お、おはよう?おでこ大丈夫?」「大丈夫っス。ご心配ありがとうございます」叶弥は額を真っ赤にしながら、今までに見せたことの無いような爽やかな笑顔をママさんに向けた。するとママさんは頬を紅潮させながら、「そ、そう?なら良かったわ」と言うとそそくさと去って行った。...オレはなんだかそれが面白くなく、叶弥の足を思いっ切り踏みつけた。「痛ってぇ!!何すんだよ京?!」「別にぃ?外ヅラだけはいいなと思って」「?......!なんだァ?ヤキモチか?」「!」図星を指されたオレは顔が一気に熱を帯び、それを誤魔化すかのように剛の手を引くと「早く行くぞ」とボソリと行って幼稚園へと入っていった。「あ!おはようございます京司さん!おはよう剛君!」「おい、オレは無視か」「今日も素敵です。......あれ?顔赤くないですか?もしかして風邪?!」「い、いえ。大丈夫です。ご心配ありがとうございます」「先生!けーじはね、ヤキモチやいてるんだって!」「ヤキモチ......?」剛はオレが固まっている間に先程あった出来事を包み隠さず太一先生につげてしまった。「......京司さん、可愛らしいですね......!!」「やめてください、恥ずかしい......」「ちょーいちょいちょい。何二人で良い感じになろうとしてるわけ?太一先生。京はオレのなんですよ?」「チャンスが無いわけでは無いでしょう?なんてったって結婚している訳では無いんですから」太一先生がそう言うと、叶弥はニヤリと笑みを浮かべ、首から下げていた指輪を見せつけた。「そ、それは......?」「オレと京のペアリング♡」叶弥がそう言うと、太一先生は「くそー!勝ち目が無さすぎるー!」と言って引っ込んでしまった。朝から元気な人だなぁ
その日の夜、剛の要望により、オレ、叶弥、剛の三人で寝る事にした。流石にベッドに三人は入らないので、オレ、剛はベッド、叶弥は床に敷いた布団で寝る事になった。「クソ......オレも京の隣で寝てぇよ......」「お前みたいな図体のデカいヤツが入るわけねぇだろ」「いつも抱き合って寝てんじゃねぇか」「叶弥!」「ふふふっ」「剛?」オレと叶弥が言い合いをしていると急に剛が笑い出した。何かおかしいところでもあっただろうか?「だってさ、幼稚園でおばさんが"親子ごっこ"って言ってたからさ!でもオレにとって、けーじもきょーやも"親子"じゃなくてもホントの"家族"だからさ!オレ、二人がだーい好きだ!」「...剛。ありがとう。オレらも家族だと思ってるよ」オレはそう言うと剛をギューっと抱きしめた。すると剛は「キャッキャ」と笑い声を上げた。「いーなー、そっちは楽しそうで」「!きょーやもこっち来いよ!」「いや剛、流石に三人は......ってうわぁ!」剛の誘いにのった叶弥が、オレ達のいるベッドへと入ってきた。「うわぁ!ギューギュー!」「こうすれば多少はいいぞ?ホラ!」叶弥はそう言うと、剛を挟むように抱きしめてきた。三人分の鼓動。三人分の体温。全てが伝わってくる。「......たまにはこういうのも悪くないかもな」「そうだろう?狭いには狭いなりに良いところがあるってもんさ」「もんさ!」「明日あのボスママに見せつけてやろうぜ?」「......見せつけるって何を?」...嫌な予感がする。するとオレの予感は的中した。「あのボスママの前で熱烈なキスでもすれば黙るだろう?」「......バカか?お前はバカなのか?」「バーカバーカ!」「いい案だと思ったんだけどなぁ......」どこが"いい案"なのだろうか。人に見せるものじゃないだろう。「ハァ」とため息をついていると、叶弥は剛の目を手で塞ぎ、オレにキスをしてきた。「んン!......ハァ......お前なぁ......」「??なんだ?なんで目ぇ塞ぐんだ?」「お子様には刺激が強いからなぁ」「な!お子様じゃないもん!」「ハイハイ、お子様はもう寝ようなぁ」叶弥はそう言うと、剛をポンポンと叩き寝かせにかかるのであった。
帰り道、剛はとてもご機嫌であった。今日は〇〇君と〇〇ちゃんと何して遊んだ、初めて食べる給食は美味しかった、などなど。オレの心配は杞憂に終わったようだ。手を繋ぎながら歩いていると、とあるママさん集団がオレ達3人を見ながらヒソヒソしている。...なんだか良くない感じがする。オレが其方をみているのに気付いたママさんのうちの一人が近付いて来た。「こんにちはぁ。今日から入園してきた剛君、だったかしら?」「あ、はい。こんにちは」「こんにちは!」「あら元気が良い事。......ところで、"五十嵐"ってもしかしてあのヤクザの"五十嵐組"の方かしら?」ビンゴ。考えていない訳ではなかった。ママさんの中には極道をよく思っていない人もいるだろう、と。「ちゃんと躾てらっしゃる?ヤクザって乱暴でしょう?ウチの子に影響がないか心配だわぁ。それに、」「......それに?」「父親も母親もいない子なんて、ねぇ?」「......黙って聞いてりゃ、好き勝手言いやがって......!」「だって本当の事でしょう?それに朝、太一先生に言ってたのが聞こえたけれど......貴方達、恋人同士なんですって?男同士で......嫌だわぁ......」このママさんを囲っていたママさん達も、うんうんと頷いている。......どうやら彼女がここのボスママさんのようだ。「けーじ?きょーや?」「剛。大丈夫だからな」「実の親がいないから親子ごっこするには持ってこいなのかしらねぇ?」......言わせておけば言いたい放題。オレも叶弥も我慢の限界に達していた。オレ達が言葉を発そうとした時、騒ぎを聞きつけた園長先生と太一先生がやって来た。「一体なんですか?......あぁ、また貴方達でしたか。他の保護者の方のご迷惑になる事はしないように言いましたよね?」「で、ですが子供の教育に悪いじゃないですか!」「いつの時代の話しをしているのですか?今は多様性の時代ですよ?それに同性カップルなんて珍しくも無いです。」「そうですよ!それに、ぶっちゃけ貴方達より京司さんの方が魅力的ですよ!」「......太一」「おっと、失礼いたしました」園長先生と太一先生の迫力のお陰もあってか、ボスママさん達は顔を真っ青にして「す、すみませんでした!」とそそくさと去って行った。「けーじ、きょーや、お話し終わったか....
「叶弥!早く早く!!」「落ち着けよ京。焦らなくても剛は逃げねぇ」オレはこの一日が気が気じゃなかった。剛は無事幼稚園でやれているのか、友達は出来たのだろうか。大変心配であった。幼稚園が近づくにつれてママさんと手を繋ぎながら帰る子供達が見えてくる。「先生ーさよーならー!」「はい。さようなら」子供と言うのは凄い。一日園で遊んだハズなのに元気いっぱいな挨拶をしているのだから。「こんにちは。五十嵐です」オレがそう言うと、叶弥が横で「京が五十嵐って名乗った.....!!もうカンペキ嫁じゃん!」と天を仰いでいた。「おや、叶弥君、京司君。おかえりなさい。剛君待っていましたよ。」「あの.....剛の園での様子は.....」「それはもう!元気いっぱいでお友達も出来ていましたよ。今呼んで来ますね」そう言うと園長先生は剛を呼びに行った。しかし剛を連れてきたのは太一先生だった。「おかえりなさい、京司さん!剛君、今日一日ですっかり園に馴染みましたよ!」「けーじ!おかえり!」「ただいま、剛。幼稚園腹楽しかったか?」「うん!」「つよしくん、バイバーイ!」「こころちゃん!バイバーイ!」子供達が挨拶をしているのを見ていると、太一先生が「ね?大丈夫でしょう?」と声をかけてきた。「剛君、他の子供達から大人気で。あ!給食も好き嫌いせずに全部食べてましたよ!」「ウチでも好き嫌いはさせないようにしているので」「京司さんの教育の賜物ですね!.....それで、あの.....」「?」「良かったら連絡先を交換して「ハイ、ストップー」」「叶弥」太一先生が連絡先を聞いてこようとした時、叶弥がストップをかけてくれた。正直助かった。この手のタイプは一度連絡先を手に入れるとしつこく連絡してくるからだ。「叶弥さん.....いらしたんですか?」「はい。もちろん最初からいましたよ?」.....なんともまぁ、バチバチな二人だ。「きょーや、先生!仲良くしなくちゃダメなんだぞ!」剛は痛いところを突き、大人二人を黙らせた。子供に言われてしまえば叶弥も太一先生も言い合いする事が出来ない。「それじゃあ、オレ達はこれで」「先生さよーならー!」「あぁ、京司さぁん!」
朝となり、身支度を整えメシを食べ終えるといざ、幼稚園へと向かうのだった。オレ達は三人で仲良く手を繋ぎながら歩いていると、ママさん達の方から声をかけてきてくれた。「おはよう。えっと、五十嵐君、で良かったかしら?」「おはようございます。はい。五十嵐です」「おはよーごさいます!」オレと剛がママさんと挨拶を交わしていると近くで"ゴンッ"と鈍い音が聞こえた。...音の出処は言わずもがな叶弥である。原因はどうせオレが"五十嵐です"と名乗ったからであろう。「スンマセン。おはよーごさいます」「お、おはよう?おでこ大丈夫?」「大丈夫っス。ご心配ありがとうございます」叶弥は額を真っ赤にしながら、今までに見せたことの無いような爽やかな笑顔をママさんに向けた。するとママさんは頬を紅潮させながら、「そ、そう?なら良かったわ」と言うとそそくさと去って行った。...オレはなんだかそれが面白くなく、叶弥の足を思いっ切り踏みつけた。「痛ってぇ!!何すんだよ京?!」「別にぃ?外ヅラだけはいいなと思って」「?......!なんだァ?ヤキモチか?」「!」図星を指されたオレは顔が一気に熱を帯び、それを誤魔化すかのように剛の手を引くと「早く行くぞ」とボソリと行って幼稚園へと入っていった。「あ!おはようございます京司さん!おはよう剛君!」「おい、オレは無視か」「今日も素敵です。......あれ?顔赤くないですか?もしかして風邪?!」「い、いえ。大丈夫です。ご心配ありがとうございます」「先生!けーじはね、ヤキモチやいてるんだって!」「ヤキモチ......?」剛はオレが固まっている間に先程あった出来事を包み隠さず太一先生につげてしまった。「......京司さん、可愛らしいですね......!!」「やめてください、恥ずかしい......」「ちょーいちょいちょい。何二人で良い感じになろうとしてるわけ?太一先生。京はオレのなんですよ?」「チャンスが無いわけでは無いでしょう?なんてったって結婚している訳では無いんですから」太一先生がそう言うと、叶弥はニヤリと笑みを浮かべ、首から下げていた指輪を見せつけた。「そ、それは......?」「オレと京のペアリング♡」叶弥がそう言うと、太一先生は「くそー!勝ち目が無さすぎるー!」と言って引っ込んでしまった。朝から元気な人だなぁ
太一先生はオレの手を握ったまま離してくれない。もうそろそろ学校に向かいたいと言うのに...。そう思っていると叶弥がオレを背後からギュッと抱きしめ太一先生を睨みつけた。「オイ......いつまで京の手を握ってやがる?」「叶弥さん......でしたっけ?一体なんの権利があって邪魔して来るんですか?」「オレは京の恋人だ。口出す権利はあるに決まってるだろ?」「な......な、なんだって?!京司さん!ウソですよね?ウソだと言ってください!」「それは......」太一先生のあまりの勢いに押され、オレは応える事が出来ずにいた。すると叶弥は無理やりオレと太一先生を引き離し、園長先生に「それじゃ!剛の事、よろしくお願いします!」と言ってオレの手を引き幼稚園を後にした。後ろからは「京司さぁーん!」と言う太一先生の情けない声が聞こえた気がした。「ちょ、叶弥!痛いって!」「あ、悪ぃ。......つい。」叶弥はそう言うと握った手を離した。それがちょっと名残り惜しく感じたのはオレの心の中に秘めておくことにした。「いいか、京。剛の送迎は絶対一人で行くなよ?いいな?」「いや、絶対はムリだろう」「グッ......。じゃあ、せめてあの太一とかいう奴はと二人きりになるなよ?いいな?」叶弥のあまりにも真剣な眼差しにオレは「分かった」と了承の返事をするしかなかった。「しかし、まぁ、オレの京はなんでこうも男を惹きつけるのかねぇ......」「そ、そうは言ってもオレにはどうする事も出来ねぇよ......」「オレだって分かんねぇから困ってんだよ......」と言うと叶弥も「だよなぁ......」と同意した。まぁ、武術の心得もケンカの腕っ節もあるので余程の事が無い限り何かが起こる事は無いだろう。......まぁ、何度かピンチに陥った事はあるが。オレ達は「朝から疲れたなぁ」と言うと学校へ向かおうとした。が、その時だった。幼稚園のママさんらしき人達に囲まれてしまったのだ。「さっきの見てたわよぉ?太一先生、またやったのねぇ」「「また?」」「ほら、園長先生も言ってたでしょう?惚れやすいって。でもこれから大変ねぇ」「「?」」「太一先生、惚れやすいけど、一度惚れると厄介って噂よ?」「気をつけてね?」と言うと、ママさん達は去って行った。オレはゾクリとしながら叶弥と共に学校へと向かっ
オレの祈り虚しく、迎えは黒塗りのベンツだった。周りの生徒達がなんだなんだと騒いでいる輪に近づくと、車の外で待機していた若衆が「若!京司さん!」と大声で呼んだ。すると人集りの輪が解けオレ達に道が譲られる。「入学式お疲れ様です!宴会の準備が出来てるんで、早く組へ帰りましょう!」「...五十嵐組って本当に何かとこじつけて宴会したがるよな。」オレがボソッと呟くと叶弥は「そーでもなくね?」と言う。「だってお前の誕生日はともかく、オレの誕生日までどんちゃん騒ぎじゃねーか。」「そりゃお前、未来の若頭補佐の誕生日は祝わねーとだろ。」「そうですよ!京司さんはオレ達の女神ッス!」「...女神って
「えぇー、以上を持ちまして入学式とさせていただきます。新入生の皆さん、保護者の方々、本日は本当におめでとうございました。」そう教師がマイクに向かって言うと入学式は終了となった。50音順に並んでいたため、オレと叶弥は少し離れてしまっていたが、それでいても叶弥が欠伸をしつまらなそうにしている様子は確認できた。...後で説教だな、これは。教師の「では新入生退場。」と言う言葉で新入生は並んでいる順に教室へと向かう。そうして自分達のクラスへとやって来ると、各々が自分の席へと着く。ちなみに新学期なため、最初の席は50音順で決まっていた。オレも自分の席を確認すると早速席に座る。教師が来るまで少し時間
黒い髪をサラサラと靡かせ学校へと向かう。今日の入学式を祝うかのように桜の花びらが風に煽られ舞っている。オレの隣には少し長めの金髪を後ろで一括りにして気怠そうに歩いている叶弥がいる。「朝っぱらから疲れた...」「凛太朗さんじゃ無いけど、ホントお前ってオレの事になると子供の頃のガキ大将みたいになるよな。」「...ウルセェ...」オレが叶弥にそう言うと叶弥は力無く項垂れるのであった。そんな叶弥にオレは追い打ちをかけるような言葉をかける。「いいか、叶弥。中学の時みたいに誰彼構わずケンカ売るなよ?」「...それは京にも言える事じゃねぇか?」「オレはケンカを売ったことは無い。...買い
そんな夢から目を覚ますとオレは涙を流していた。涙なんていつぶりだろう...そう思っていると部屋の扉が開かれた。「京、早く仕度しねぇと入学式に遅れるぞ。」「悪い叶弥。急いで支度する。」「...ってお前。何泣いてんだよ。"鬼の目にも涙"ってか?」そう。あれから叶弥と共に体術などを学び、見る見るうちに力をつけていって、中学卒業する頃にはここら一帯じゃ"五十嵐組の番犬"言われ恐れられるまでにケンカの腕を磨いたのであった。叶弥は叶弥でガキ大将だったのが嘘かの様に、次期組長に相応しい貫禄を身につけていたのであった。そうしてオレはベッドから降り、真新しい制服へと袖を通す。「お待たせ、叶弥。