ある日突然、両親を失った。交通事故だった。両親とオレの三人で散歩をしていた時、飲酒運転のトラックがオレ達目がけて突っ込んできた。オレ達が渡っていたのは青信号の横断歩道で、トラックは赤信号。完全にトラックの運転手の過失だった。トラックはスピードを落とすことがなかったので、オレ達は避けるヒマを与えられなかった。そんな中でも両親はオレを守るように抱きしめてくれた。お陰でオレは事故から3日後に病院のベッドの上で目を覚ます事が出来た。しかし、両親は直に地面に叩きつけられた為即死だったらしい。そんな事を淡々と医師に告げられた。「君はご両親のお陰で骨折を免れる事が出来た。あと二日程で退院する事ができるだろう。」先程まで淡々としていた医師の声は今度は優しものへと変わっていった。それはオレが呆然としていたからだろう。そんな言葉をオレは他人事の様な顔で聞いていた。医師と看護師が困った顔を見合わせ、「何かあったらナースコールで呼んでおくれ。」と言い残し病室を後にした。一人ポツンと残された病室でオレはやっと何が起きたのかを理解した。すると途端に涙が頬をつたい始めた。「父さん...母さん...!!」一度流れ始めた涙は止まることを知らなかった。そんな風に泣いていた時、病室の扉をノックする音がした。そしてこちらの返事を待たずに一人の男性が杖をつきながら入ってきて、オレに話しかけてきた。「初めましてだな坊主。俺はお前の父親の友人で"五十嵐 凛太朗"ってもんだ。」「いがらし...さん...?」「そうだ。今日はお前に大事な話があって来た。...えぇっと...」「京司です。...田河 京司...。」「そうそう!京司!スマンな、最近どうも忘れっぽくて...お前の父親に散々聞かされてたんだがな。」凛太朗さんは豪快にガハハと笑いながらオレの頭をガシガシと撫でて話を続けた。「実はな、お前がいつ目を覚ますか分からないからってお前の親戚共がサッサと葬儀を行っちまったんだ。」「え...」「安心しろ。今度俺がお前の両親の眠る墓地に連れて行ってやる。...直接お別れを言えないのは残酷だがな...。」親戚達がオレを良く思っていないのは分かっていた。...オレは母親の連れ子だった為だ。そのため次に凛太朗さんの口から出る言葉は想像出来た。「それでな。お前はまだ8才だ。だから誰がお前を引き取
Last Updated : 2026-06-13 Read more