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第16話

ผู้เขียน: 倉谷みこと
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-07-17 11:00:10
たしかに、本宮さんから弱音を聞いたことがない。どんなことも前向きにとらえようとしているのかと思っていたけれど、実際にはそうではないらしい。

「かっこつけたがり……」

僕がその言葉をくり返してつぶやくと、

「片桐! 何、勝手なこと言ってんだよ!」

慌てたように、本宮さんが言った。

「だって、本当のことだろ?」

片桐さんがそう言うと、図星なのか、本宮さんは黙ってしまった。

「まったく、誰かと思ったら片桐が来るとはね」

と、母さんが3人分のカフェオレを持ってやってきた。

片桐さんが、「どうも」と会釈をしている。

「亜紀先輩。俺たち、まだ何も頼んでないんですけど……」

本宮さんが言うと、

「長くなりそうだからね、サービスだよ」

と、母さんが珍しいことを言っている。

店内で飲食する場合は、身内だろうが容赦なくお代をいただくというのが、母さんのモットーだったはずだ。

「ああでも、後で本宮に支払う分から引いとこうかね」

と、思い出したように言い置いて、母さんは仕事に戻っていった。

「それじゃあ、サービスじゃないじゃん」

母さんの足音が聞こえなくなってから僕がぽつりとつぶやくと、本宮さんが小さくため息をついた。

片桐さんだけが、よくわからないといった表情をしている。

僕は、本宮さんが僕の家庭教師をしていることを話した。

「なるほど。それで恋仲にもなった、と」

納得したらしい片桐さん。

そんな片桐さんを横目に見ながら、面白くなさそうな顔で本宮さんがカフェオレを飲む。どうせ、自分に支払われる金額から引かれるのなら、飲まなければ損だと思ったのかもしれない。

「あの、本宮さんがかっこつけたがりで、相手との関係性がこじれがちだっていうのはわかったんですけど、それと片桐さんがここにいる理由って、何か関係あるんですか?」

つい、きつい言い方になってしまった。

でも、片桐さんがどうして関わってくるのか、本当にわからない。本宮さんがデートのことで相談したからといって、今ここにいる必要はないはずだ。

「そう睨まないでくれよ。俺は、君たちの仲を壊したいわけじゃない。むしろ、このままずっと続いてほしいと思ってるんだ」

と、片桐さんが苦笑しながら言った。

僕が疑いのまなざしで見つめていると、

「信じられないのも無理ないか。でもね、俺は、こいつに恋愛感情なんて持ってないんだ。友達としては、つき合いやすい奴だけ
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