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第395話

Auteur: 雪八千
玲の父は、どうしても生きたいと願っていた。だが雪乃にとって、その「生きたい」という思いはただの厄介ごとでしかなかった。そして、雪乃自身も、生きたかったのだ。

自分の幸せと恋を守るために、彼女は平然と夫を殺した。さらに、その罪から逃れようと、十年以上も犯行を隠し続け、挙げ句の果てには、実の娘である玲まで消そうとした。

玲の父が「厄介」だというのなら――玲にとって、雪乃もそうなのだ。

ならば玲も、雪乃のように割り切るしかない。

玲は涙をこぼしながら、笑みを浮かべて言った。「あなたも……もう死んだほうがいい。あなたみたいな卑怯で最低な人間が生きていたら、私にとって危険でしかないから」

秀一の言葉は正しい。雪乃に相応しい刑罰は、無期懲役なんかじゃなく死刑だ。

雪乃は想像もしなかったのだ。優しかった元夫に似て、情にもろいと思われていた玲が、こんなにも冷たくて残酷になれるなんて。

雪乃は、頬に焼けるような痛みを残したまま、怒りが一瞬でしぼんだ。

軽はずみな言い方をすべきじゃなかった。感情に任せて玲を挑発するなんて、今の状況を完全に見誤っていた。

いま、何をどう取り繕っても――正弘は雪乃によって殺された事実は変わらない。雪乃が今すべきことは、玲に生かしてもらうための言葉を探すことだけだ。

「れ、玲……もう一度話し合おう、ね?」ぎこちなく笑いを作りながら、雪乃は抵抗もせず、必死に哀れさを演じて娘を見つめた。「前に、母娘の縁を切るって言ったでしょう?あれは、あんたが私に失望して言った言葉なのはわかるわ。でも……縁を切るのと死別とは、全然違うのよ?

もしあんたは怒りのまま、私を死刑にしたら……

玲、あんたは本当に孤児になるのよ?」

人は、親がいてこそ帰る場所がある。

玲が今まで何度も譲歩してきたように、今回もまた情にほだされるかもしれない――雪乃はそう思った。

だがその瞬間、玲は雪乃をぱっと手放し、目に残った涙を指先で拭った。雪乃が期待の光を灯したのもつかの間、玲は秀一のほうを見つめた。

「秀一さん、彼女を警察に連れて行ってください」

雪乃が何を言おうとも、玲はもう揺らがない。

父を殺し、嘘を重ね、娘をも殺そうとした母を――生かしておく理由などない。

孤児になるとしても、玲は彼女を許さない。

秀一は、先ほど玲が取り乱し泣きながら部屋をめちゃくちゃ
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