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日記05:はじまりの事件③

مؤلف: 久遠遼
last update تاريخ النشر: 2025-10-15 19:00:58

「隼人落ち着けって、俺と朔真が席から離れた時は確かにファイルは机の上にあったぜ」

「そ、そうだよ。僕がファイルを盗ってたら、 健太くんにも周りにも絶対気づかれてるって」

三人に近づくと、工藤が倉本の無実を主張し、倉本も、自分にファイルを盗ることは難しいことを伝えていた。

「まあ……そうかもれないけど……だったらなんで鞄の中に入ってたんだよ」

相沢も二人が言うとおり、人目のある教室でそんなことが出来ないのは分かっているんだろう。

先ほどまでの威勢はなく、困惑している様子だった。

「それは……僕にも分からないよ」

倉本も、なぜ鞄の中にファイルが入っていたのか本当に分からないっと様子で、嘘をついているようには見えなかった。

「ねぇ、相沢くんが離れた後、二人が席へ戻る直前まではファイルは机の上にあったんだよね?」

急に声をかけてきたエリカに三人は振り返り、少しだけ戸惑いつつ、三人の中ではまだ冷静な工藤が口を開いた。

「海藤さん、雨宮も……ああ、そうだよ。隼人が先輩に呼ばれて、慌ててファイルを机の上に置いてから廊下に出た後、俺と朔真は自分の席へ戻った。

その戻る直前までは、ファイルはちゃんと机の上にあったぜ、なあ朔真?」

「う、うん。それに僕がもしその場で盗ったとしても、僕の席は隼人くんの席の対角線の端同士で、鞄も机に置いてたから、そこまで隠し通して運べないよ」

二人の主張は最もだ。

念のため、すぐそばの席。その場から離れるタイミングを失ってしまい、不安そうにこちらの様子を座って伺っている女子生徒にも話を聞いてみることにした。

「川口さんは相沢が廊下にでた後のこと見てた?」

急に声をかけられた彼女は、少しだけ驚いた様子を見せたが、すぐに質問に答えてくれた。

「えーと……ファイルが机の上に置かれてたかどうかはよく見てなかったけど、少なくとも倉本くんがファイルを持っていなかったのは確かだと思うよ?」

彼女の言葉を聞いて、倉本はほっと息を吐く。

「ね? だから言ったでしょ。僕は盗ってないって」

「なあ、隼人別にいいだろ? 朔真は盗ってないってのは証明できてるし、お前の手元にファイルは戻ってきてるんだしよ」

「ああ……そうだな。悪い疑って」

川口さんの証言により、倉本の無実は証明されて一見落着にも見えるが、相沢はファイルを握るその手に力を込めたまま、視線を落としていた。

倉本は盗っていない。だが、確かに彼の鞄からファイルが出てきたという事実は変わらない。

その謎を解かなければ、本当の解決とはならない。

そう思っていた時だ――

「ひらめいた!」

しばらく黙っていたエリカがパァと表情を明るくして、突然声をあげた。

「何がひらめいたんだ?」

俺の問いかけに、自慢げな表情を浮かべながら彼女は告げた。

「このファイル紛失事件の犯人は、“いっちー“だよ!」

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