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第12話

Author: 子猫の月登り
車がかなりの距離を走り去ってから、ようやく紬が口を開いた。「ごめんなさい、驚かせてしまって」

結城湊(ゆうき みなと)はハンドルを握ったまま、軽く微笑んだ。「俺は平気だよ。それより、君は大丈夫?」

「私は大丈夫」彼女は少し言葉を区切った。「湊、さっきの人は……」

「誰かは分かってるよ」

湊の口調は、まるでずっと前から知っていたかのように穏やかだった。

彼は少し間を置き、ハンドルを指先で軽く叩いた。

「紬。ずっと君に言いたかった言葉があるんだ。何年も機会を待ってた。でも、君がもうすぐ離婚する今、俺はもうこれ以上待つつもりはない」

紬は黙ったまま聞いていた。

「君のことが好きだ。ずっと昔からね」湊は、すでに確定している揺るぎない事実を語るように淡々と言った。

「君が結婚した年、俺は自分に言い聞かせたんだ。もう諦めようって。デートもしたし、見合いもした。君のことから自分を完全に切り離したくて必死だった。でも、どうしてもダメだったんだ。

相手の女性が悪かったわけじゃない。俺自身が前に進めなかったんだ。事あるごとに、子供の頃の思い出が蘇ってくる。いつも一緒にいて、君のご両親が
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