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第4話

Auteur: ちょうどいい
パパとママは、一心不乱に供え物の用意をしていた。

それでも、誰も私のことを思い出してはくれなかった。

その時、突然ドアを叩く音が響いた。近所の女の子が、私と遊ぼうと訪ねてきたのだ。

これなら、パパとママもようやく私がいないことに気づくはずだ。私はそう思った。

けれどママは、私が外で遊んでいると嘘をつき、彼女を追い返してしまった。

あろうことか、彼女が帰る間際、ママは私が一番気に入っていたウサギのヘアゴムを彼女にあげてしまった。

それは、おばあちゃんがくれた誕生日の贈り物で、私の何よりの宝物だった。私がどれほど大切にしているか、二人は知っていたはずなのに。

パパは眉をひそめて言った。

「それはまずいんじゃないか。結衣はそのヘアゴムをすごく気に入ってたぞ」

ママの口元に、不気味な笑みが浮かんだ。

「わざとやったのよ。翔太を死なせたんだから、それ相応の報いを受けなきゃ。こんなの、まだ序の口よ。あの子が帰ってきたら、タダじゃおかないんだから。泣いて謝ったって、叩きのめしてやるわ。

あのクソ娘、ずる賢いから、殴られるのが怖くてどこかに隠れてるのよ」

パパは結局のところ、私のことを気にかけてはいた。

夜になると、こっそり私のベッドに200円を置いていった。

私は空の上から、パパに向かって何度も「ありがとう」と繰り返した。

しかし、それ以来パパが私の部屋に来ることは二度となかった。あの200円に誰も手をつけていないことにも、全く気づかなかった。

ある日の昼下がり、突然おばあちゃんから電話がかかってきた。

おばあちゃんは、私に会いたい、声が聞きたいと言った。空の上でおばあちゃんの声を聞いて、私は本当に泣きたくなった。私も、おばあちゃんにすごく会いたいよ。

だがママは、電話越しのおばあちゃんに向かってひどい暴言を吐いた。

「この死にぞこない!全部あなたのせいよ。あなたがあんな卑しい小娘をここに送り込んできたから、私の息子が死んだのよ!

あの子がどこに消えたかなんて、知らないわよ。どうせどこかの男の家にでも転がり込んだのよ。あの可哀想ぶったツラ、男好きするのにはおあつらえ向きなんだから」

私は空の上で必死に弁解した。ママ、違うよ、私はそんな子じゃない。

そんな風に言わないで。おばあちゃんが、私が本当に「悪い子」になっちゃったんだって勘違いしちゃう。おばあちゃんをがっかりさせたくないよ。

けれど私の涙ながらの訴えは誰にも届かない。私はただの一筋の魂なのだから。

夜、パパとママが翔太の遺品を整理していたその時、おばあちゃんが家を訪ねてきた。

足を引きずりながら歩くおばあちゃんの姿を見て、私は空の上で気が気ではなく、オロオロと飛び回った。

下に降りて、おばあちゃんを支えてあげたかった。

「私の可愛い結衣ちゃんはどこだい?あなたたち、あの子を放り出したのかい?」

「違うよ、お母さん。落ち着いてくれ、彼女はただ外に遊びに行ってるだけだ」

パパは後ろめたそうに誤魔化した。

一方、ママはふんぞり返って横柄な態度を取った。

「電話でも言ったでしょ。どうせどこかの男に養ってもらってるのよ。生まれた時から、あの子は男を誑かす泥棒猫だと思ってたわ……」

パァン。

ママの言葉が終わらないうちに、おばあちゃんは彼女の頬を力一杯張り飛ばした。

「綾音、私にどんな態度をとろうと我慢してきた。でもね、結衣ちゃんのことをそんな風に言うのだけは絶対に許さないよ!

結衣ちゃんはそんな子じゃない。あなたたちがちゃんと面倒を見ないって言うなら、今すぐ私が連れて帰るよ。

全く、なんて人間だい。あなたたちに親になる資格なんてないね!子供がいなくなっても探しもしないなんて。

健介、今すぐ結衣ちゃんを探し出してきなさい!さもなきゃ、二度と私をお母さんと呼ぶんじゃないよ!」

一生、荒い言葉一つ口にしたことのないおばあちゃんが、私のために剥き出しの怒りをぶつけた。

パパとママはおばあちゃんの凄まじい剣幕に気圧され、慌てて手にしていた物を置いて私を探しに出た。

しかし、辺りを何度探し回っても私の姿は見つからなかった。

やがて、パパの視線が泳ぎ、何かを思い出したかのように、あの冷凍車を食い入るように見つめた。

彼はママの腕を掴み、小刻みに震えながら言った。

「俺……結衣をあそこから出すのを、忘れてたんじゃないか?」

ママも一瞬で血の気が引き、その顔は蒼白へと変わった。

「嘘でしょ……あの子、あんなに悪賢いんだから、とっくに自分で這い出してきているはずよ。

待って……そういえば、あの日から一度も姿を見ていないわ。でも、それは自分のしでかしたことに後ろめたさを感じて、どこかに隠れているんだってばかり……」

二人は揃って、冷凍車へと早足で向かった。

だが、荷室の扉に手をかけた瞬間、二人は躊躇した。長い沈黙の後、パパが思い切って重い扉を勢いよく引き開けた。

目の前に広がっていた凄惨な光景に、二人は呆然とし、同時に悲鳴を上げた。

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