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第7話

Author: 紅葉
私はとある辺境の西の町へやって来た。

ここの空は一片の濁りもない青さで、風には草の香りが混じっている。

遥か彼方から吹いてくる風なのに、その彼方よりもさらに遠く感じられる。

私は当地の民族衣装に身を包んだが、心の扉は相変わらず固く閉ざしたままだった。

毎日ただ一人、黙って人々の間を抜け、山を登っては日出と日没を眺めていた。

ある夕暮れ、遠くの雪山をぼんやりと見つめていたとき、背後でシャッター音がした。

振り返ると、背の高い男が古いフィルムカメラを手に立っていた。

私が気づいても、彼は逃げるどころか、むしろ微笑んでくれた。

彼の名は川原大輔(かわはら だいすけ)。ドキュメンタリー写真家だ。

彼は私を邪魔することなく、少し離れた場所で静かに風景を撮っていた。

後日、彼は私にも一枚撮らせてほしいと頼んできた。

私はとっさに顔を手で覆い、逃げ出そうとした。

レンズが、眞一郎の絵筆のように私を剥き出しにするのではないかと怖かったのだ。

大輔はカメラを下ろし、私に言った。

「怖がらないで。僕のレンズはいわゆる『美』を探さない。真実と物語だけを記録するんだ」

彼の目には
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    私はとある辺境の西の町へやって来た。ここの空は一片の濁りもない青さで、風には草の香りが混じっている。遥か彼方から吹いてくる風なのに、その彼方よりもさらに遠く感じられる。私は当地の民族衣装に身を包んだが、心の扉は相変わらず固く閉ざしたままだった。毎日ただ一人、黙って人々の間を抜け、山を登っては日出と日没を眺めていた。ある夕暮れ、遠くの雪山をぼんやりと見つめていたとき、背後でシャッター音がした。振り返ると、背の高い男が古いフィルムカメラを手に立っていた。私が気づいても、彼は逃げるどころか、むしろ微笑んでくれた。彼の名は川原大輔(かわはら だいすけ)。ドキュメンタリー写真家だ。彼は私を邪魔することなく、少し離れた場所で静かに風景を撮っていた。後日、彼は私にも一枚撮らせてほしいと頼んできた。私はとっさに顔を手で覆い、逃げ出そうとした。レンズが、眞一郎の絵筆のように私を剥き出しにするのではないかと怖かったのだ。大輔はカメラを下ろし、私に言った。「怖がらないで。僕のレンズはいわゆる『美』を探さない。真実と物語だけを記録するんだ」彼の目には、底抜けに青い空が映っていた。賑やかな市場で、私はしゃがみ込み、可愛い子供をあやしていた。子供はケタケタ笑い、私の指をつかんだ。その感触は柔らかく温かかった。一瞬、私はすべてを忘れ、久しぶりに自然な微笑みを浮かべていた。シャッ大輔がその一瞬を捉えていた。彼は写真を私に見せてくれた。写っている私の顔には、まだ消えきらなかった疲れの影、目元には小さな傷跡さえあった。でも、私の笑顔は本物だった。心の底から滲み出るような真実の笑顔だった。その日から私たちは一緒に行動するようになった。彼は風景を撮り、そして風景の中の私も撮った。彼のレンズを通して、私は少しずつ、自分の傷跡や目の疲れを気にしなくなっていった。完璧ではない自分を受け入れ始めていた。私たちは地元の小学校の祭りに参加した。私は子供たちと焚き火を囲み、調子外れな歌を歌い、草原で転げながら大笑いした。大輔がその様子を撮った。写真の中の私の目には、再び光が灯っていた。内側から透き通ってくるような、生き生きとした輝きだ。その頃、遥か遠くでは、眞一郎が彼の『再生』シリーズの展

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