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第30話

Author: ラクオン
後ろを歩いていた梨花は一瞬だけ背筋を強張らせた。

けれど、優真が心配そうに振り返った時には、すでに何事もなかったかのように平然としていた。

優真は二人を先に家へ入らせ、自分は梨花を呼び止めた。

「無理にとは言わないが......気まずいようなら、あの若造には帰ってもらう。食事は遠慮してもらえばいい」

「大丈夫です、先生」

梨花の声は穏やかだった。

草嶺国で偶然彼と会ったあの日から、彼女は再会の可能性もすでに織り込んでいた。

海外でばったり遭うくらいなら、また顔を合わせる日が来ても不思議じゃない。

竜也は今や誰もが一目置く存在で、もともと冷淡な性格だ。

優真に頭を下げさせるような価値も、彼女にはない。

優真は彼女の落ち着いた表情を見て、黙って肩を軽く叩いた。

「そうか。まあ、血のつながった兄妹なんだし、あいつなりに事情があったのかもしれん......」

「先生」

梨花は俯き加減に目を伏せ、そっと遮った。

「中に入りましょう」

こんな言葉、何度聞かされたか分からない。

「事情があったんだろう」

「仕方なかったんだろう」

それが本当なら、なぜ彼は私に何も言
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おすがさま
一体、どの状況が大事に育てられた……というのか? 本当に言ってる事が解らない。
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