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第522話

Auteur: ラクオン
梨花の性格については、一真もそれなりに理解しているつもりだった。

穏やかで素直、そしてどこか控えめで慎重な女性。

一体いつから、彼女はこれほど刹那的な生き方をするようになったのだろう。

一真にはどうしても理解できない。

前回、篤子への恨みを竜也に向けるつもりはないと言ったのはまだいいとしても、今回はあの男との関係をあっさりと認めてしまった。

自分の身内に復讐しようとする女を、竜也が許すはずがない――彼女はそう考えなかったのだろうか。

それとも、分かった上であえて気にしないというのか。

いずれ別れる結末が待っているとしても、堂々と公言したいほど、竜也への想いは深いというのだろうか。

だが、自分と結婚していた頃はどうだったか……

彼女が人前で、一真のことを夫だと認めたり、誰かに紹介したりしたことなど、一度としてなかったように思う。

もしかすると彼女は、自分に対して愛情など微塵も抱いていなかったのではないか。

一真はそう疑わずにはいられなかった。

二人の結婚生活は、ただ見栄えが良いに過ぎなかったのだ。

その唯一の役割は、黒川家の汚い陰謀から彼女を守ることだけだったのかもしれない。

そう考えると、一真の唇には自然と自嘲の笑みが浮かんだ。

一方、梨花は小百合の脈を診て処方箋を書くことに集中しており、最初から最後まで彼に視線を向けることは一度もなかった。

小百合は孫の心情をいくらか察したようで、「一真、二階のコレクションルームに行って、曾お祖母様が遺したあの翡翠の腕輪を取ってきておくれ」と言った。

「……はい」

一真はその言葉に甘え、立ち上がって二階へと向かった。

彼自身、これ以上ここにいるべきではないと分かった。

お祖母様が気づくくらいだ、梨花だっていつ自分の動揺に気づくか分からない。

そうなれば……彼女との心の距離は、さらに遠のいてしまうだろう。

梨花は処方箋を書くことに専念している。

小百合の胃の不調は持病のようなもので、これ以上放置すれば体に障る。

以前も診察しようとしたことはあったが、当時は誰も自分の医術を信じていなかった。

小百合が同意しても、美咲や桃子があの手この手で邪魔をしたのだ。

そして一真も……当時は桃子に夢中で、梨花のために口を挟んでくれることなどなかった。

書き終えた処方箋を差し出し、梨花は優しく説明
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Commentaires (1)
goodnovel comment avatar
クリスタル雷神
今私のイチオシになりました(笑)竜也&梨花はこのまま幸せになって欲しい!桃子と篤子が潰しあいで共倒れになればいいのに(笑)
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