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第8話

Author: バナナさんのちび宝
男は見る影もなく痩せ細っていた。

骨ばかりが浮き出たその姿はもはや人の形を保っているだけのようだった。

私の姿を認めた瞬間、寒成はふっと笑った。

震える手を持ち上げ、触れようとする。

けれど、その指先は空を掠めるだけで、届かない。

「明里、やっと、来てくれたんだな」

私は答えなかった。

鞄から書類を取り出し、彼の前に置く。

「寒成。お見舞いに来たわけじゃない。あなたの会社はもう私が買収した。それを伝えに来ただけ」

一拍置き、もう一枚の紙を差し出す。

「それと――安人はあなたの子どもじゃない。杏奈に裏切られていたのよ」

彼の瞳がわずかに見開かれる。

その瞬間、心拍モニターの数値が激しく跳ね上がった。

胸を押さえ、息をするたびに、全身が軋むように震える。

「明里……俺が悪かった。

もう長くないのは分かってる……だから、頼みがある……

俺の後のことを任せてもらえないか……

お前にしてきたこと……全部、分かってる……

でも……俺は……お前だけを愛してた」

あまりにも真っ直ぐなその言葉に、押し込めていた感情がわずかに揺らいだ。

気づけば、涙が一滴、彼の冷え
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