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魔導王⑤

last update Dernière mise à jour: 2025-04-15 17:00:52

三人で街をぶらつくと、やはりというか当たり前だがかなり目立っていた。

黄金の旅団自体有名なのは僕も知っている。

中でも二つ名持ちであるアカリがいれば目立つ事は当然といえた。

それに加えてソフィアさんまでいる。

街行く人達はみな、あの男は何者なんだと言わんばかりの視線を向けてきていた。

まあそれも仕方のない事だ。

僕はというとフードを被りできるだけ顔を隠しているとはいえ、眼帯をしているのは見えてしまう。

怪しい人物ですと言っているようなものだ。

「どうしたのカナタ」

「いや……あの、気にならないんですか?」

「何が?」

ああ、この方は慣れてしまっているようだ。

そりゃあそうか。

皇女様なんだから人の目に晒されるなんて日常茶飯事だろうし。

「なんでもないです」

「カナタは今、目立っているのが気になってる」

アカリが補足説明を入れてくれた。

やっと理解したのかソフィアさんは納得した表情を浮かべた。

「慣れればいいわよ。貴方のいた世界でも目立っていたのでしょう?話を聞いたところそっちの世界には魔法という概念がないようだし」

「そうそう慣れるものでもありませんよ。僕は芸能人でもありませんから」

ただの一般人なんだよ僕は。

大多数の人の目に晒される機会なんて殆どなく生きてきたんだ。

「とりあえず食事を済ませたいわね。この近くにワタクシの行きつけのお店があるからそこに行きましょう」

皇女様の行きつけ?

嫌な予感しかしないが。

連れてこられたお店というのは、外観からして庶民は出入り禁止と思えるような豪華絢爛さだった。

あちこちに金の装飾があるし、案内の為の店員さんと思われる女性が微動だにせず突っ立っている。

めちゃくちゃ高級料理店じゃないのか。

「さあ、行きましょ」

ソフィアさんはそんな僕の気など知らずサッサと店内へと入っていく。

アカリも慣れているのか澄ました顔でソフィアさんに付いていく。
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