星芒のスズカ~イケメンに変身できちゃう屈強な獣人とか反則なんですけど?~

星芒のスズカ~イケメンに変身できちゃう屈強な獣人とか反則なんですけど?~

last updateTerakhir Diperbarui : 2025-08-07
Oleh:  青砥尭杜Ongoing
Bahasa: Japanese
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 身体の弱い子供だった頃から、振り返ると「危うかった」と思う思春期を何とか乗り切って上京するまで、自分の成長に誰よりも寄り添ってくれた愛犬アルシオーネの葬儀のために帰郷した涼香。  人並みに二十一歳の大学生としてキャンパスライフを楽しんでいたはずの涼香は、葬儀から帰った実家の自室で独りになった途端に溢れる涙を止めることができず、そのまま泣き疲れて寝入ってしまう。  なぜか懐かしいと感じる声に名前を呼ばれて目を覚ました涼香の目の前には、イヌの頭部と人間の身体を持つ獣頭人身の獣人がいた。  涼香は恐怖をまったく感じなかった。その獣人の瞳がアルシオーネのものだったから――

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Bab 1

第1話 涼香とアルシオーネ、そしてアルフ

 強烈な寒気の影響で日本海側では大雪となった二〇二五年の二月八日。

 涼香が帰郷した名古屋市も、深夜から朝方にかけて降った雪がうっすらと積もっていた。

「涼香、大丈夫?」

 見慣れた風景の色をわずかに淡くする、寒さに凍えた車窓をじっと眺めていた涼香は母親の声で我に返った。

「うん。大丈夫だよ。覚悟はできてたし。キャバリアで十六歳まで生きてくれたんだもん。頑張ってくれたよ、アルシオーネは、ホントにさ」

 後部座席の涼香が気丈に答える様子に触れた母親は「そうよね」とだけ短く返すと、助手席で捻っていた身体を直して視線を前方に戻した。

 アルシオーネの葬儀は、ペット葬儀会社の火葬車が小さな身体を焼くのを見届けるだけのものだった。

 呆気ない葬儀の短い時間でも冷え切った手足と一緒に、自分の一部が消失していくように涼香は感じた。

 父親の運転する自動車が、愛犬の遺骨と共に実家へ帰ったのは昼前だった。

「お昼はいらないや。おなか空いてないし。久し振りだし、部屋の片付けでもしとくよ」

 母親に声を掛けた涼香は玄関から一直線に自室へと移動した。

 上京する前の状態からほとんど変わっていない自室で独りになった涼香は、途端に溢れてくる涙を止めることができなかった。

 泣き出してしまうことに驚きは無かった。家族の前でも気丈に振る舞うことしかできない自分を滑稽だとも思った。

 ベッドにつっぷした涼香は、いつも添い寝してくれたアルシオーネの柔らかい匂いが微かに残っている気のするマットレスの上で身体を丸め、いつしか泣き疲れるまま眠りに落ちた――

 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

「……すず……か……、すずか……」

 聞いた覚えはないのに何故か懐かしい感じのする声が、自分の名前を呼んでいることに気付いて、涼香はゆっくりとまぶたを開いた。

 明るかった。見たことのない白い天井。

 日が差し込む白を基調とした部屋の、純白のベッドで涼香は横になっていた。

「良かった。目が覚めたみたいね」

 涼香は自分を呼んでいた声がする方に視線を向けた。

 そこにはキャバリアの頭部に人の身体という、獣頭人身の姿をした獣人が立っていた。

「スズカ。あたちよ、分かるわよね?」

 涼香は獣頭人身の獣人という異形の存在を前にして、まったく恐怖を感じなかった。

 獣人のとろんとやさしい瞳は、涼香にとって見間違えようのない存在の瞳と同じだった。

「うんっ。分かるよっ……! アルシオーネ!」

 勢いよく起き上がった涼香は、迷いなく獣人に抱きついた。

 夢でもいいと思った。アルシオーネにふたたび会えただけで充分だった。

 アルシオーネはやわらかく涼香を抱きしめ返した。

 涼香の頬はアルシオーネのやわらかな毛並みを感じ、涼香の鼻腔はアルシオーネのあまやかな香りを吸い込んで悦んだ。

「寝覚めがいいようで、安心したよ」

 背後から聞こえた低いのに良く通るバリトンの男性の声に、涼香は驚いて振り返った。

 そこにはジャーマンシェパードの頭部を持つ、獣頭人身の獣人が立っていた。

「感動の再会に水をささないでちょうだい。声を掛けるのが早過ぎるわよ」

 アルシオーネが男性らしきジャーマンシェパードの獣人をたしなめると、獣人の男性は肩をすくめてみせた。

「こりゃ、失敬。はじめまして、スズカ嬢。俺はアルフ。見ての通り、ジャーマンシェパードの獣人だ。この国の近衛騎士団長ってことになってる」

 アルフと名乗った獣人は百九十センチを越える長身で、軽装ではあるが濃紺の軍服を着ており、屈強な感じが一目で見て取れる筋骨隆々とした人間の体躯を有していた。

「許してやってね。アルフってちょっと無粋なところがあるけれど、悪い男ではないわ」

 アルシオーネの声で視線を戻した涼香の瞳に映るのは、確かにアルシオーネの顔だった。

 百五十四センチと小柄な涼香とほぼ同じ身長のアルシオーネは、フードが付いた濃紺のローブを着ていた。

「アルシオーネ。これは、夢じゃない……の?」

「ええ、夢ではないわよ。スズカは召喚されたの、このイヌの国にね」

「召喚? イヌの国……?」

「この世界は獣人たちの生きる世界。人間はスズカを含めても二人だけ。もう一人も元の世界から召喚された人間ね。そして、この国はイヌの国。イヌの獣人たちが暮らす国よ」

 理解が追い付かない涼香は、首を傾げながらも次の質問を口にした。

「……あたしは、なんのために、召喚されたの?」

「それはね……」

 アルシオーネが言いよどむ様子を見て、アルフが代わりに涼香の問いに答えた。

「それは俺から説明しよう。俺たち獣人は総じて人間より戦闘に関する能力が高いんだが、スズカ嬢の前に召喚された人間、ヒロキ殿がネコの国の参謀になって辣腕を揮ったことで、軍略に関しては人間の方が向いてるってのが両国で共有する認識になった。そこでイヌの国も、人間の参謀を招くために召喚することを決めた。スズカ嬢には、この国の参謀になってもらいたい」

 突拍子もない展開に目を丸くした涼香は、驚きをそのまま表した大声で返した。

「参謀!? あたしが!?」

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