LOGINカリク・ムーンベーンは、自分が愚かな男であることを証明しては決して期待を裏切らない。
私は黒曜石の長いテーブルの上座に腰を下ろし、手持ち無沙汰にペンを指先で弄んでいた。 カリク・ムーンベーンは、私にとっては何の意味もなさないスライドを指差しながら、延々と喋り続けている。彼の声には練習を重ねた独特の抑揚があり、強調するための間や、本人が知的だと見せかけられると思っているであろう声の強弱が付けられていた。このプレゼンの至る所に誰の指紋が残されているか、私には正確に分かっていた。ディライラのプレゼンだ。そのすべてが彼女のものだった。
実に退屈だ。
私は革張りの椅子に深く体を預け、自分たちに価値があると錯覚しているスーツ姿の群れへと視線を漂わせた。
価値などない。
誰一人として。
カリクのような男たちがまだ靴紐の結び方すら習っていた頃、私はすでに帝国を築き上げていた。彼は他人のパズルで遊ぶ子供のように、パーツを——彼女のパーツを——繋ぎ合わせただけなのだ。冷たい蔑みが胸の底に沈殿していく。
私は何年もの間、他の誰にも向けたことのない特別な関心をもってディライラ・ムーンベーンを観察してきた。彼女は永続するものを構築する。混乱を力へと昇華させるシステムに変えてしまうのだ。
そしてこの愚か者は、彼女を飾りに過ぎないものとして扱いながら、彼女の業績を仕立ての良いスーツのように羽織っていた。
腕時計を確認し、もう1枚だけスライドを説明させてやることにした。最後の数字を振り返りながら、彼の声は虚勢に満ちた自信で高くなっていた。
もう十分だ。
私はゆっくりと立ち上がった。部屋の中が一瞬で静まり返り、カリクの言葉が会話の途中で途切れた。
「ヴェイル氏——」彼が口を開く。
「退屈だ」私は短く言い放った。「この会議は終わりだ」
誰も反論しなかった。いつだってそうだ。私は一度も振り返ることなく退出した。秘書が影のように私の隣に並んで歩き出す。
エレベーターの前で彼に命じた。「午後の予定をすべてキャンセルしろ。一人になりたい」
彼は頷き、姿を消した。上出来だ。私が孤独を望むことは滅多にないが、今日の空気はどこか違っていた。帯電しているとさえ言えた。私の手の中で崩れ落ちていったあの愛しい嵐(リトル・ストーム)の、甘く切羽詰まった喘ぎ声の記憶が、今も脳裏の隅に焼き付いて離れない。
ディライラは今や自由であり、聡明で傷ついた女性だけが纏うことのできる危険な香りを漂わせている。私は昔から彼女に好奇心を抱いていたが、昨夜の出来事もその刃を鈍らせることはなかった。むしろ、より一層研ぎ澄まされただけだった。
エレベーターのチャイムが鳴り、扉が滑るように開いた。
そして、そこに彼女がいた。
エレベーターの中央に立っていたディライラのエメラルド色のブラウスは少し乱れており、黒のペンシルスカートは、ほんの数時間前に私の唇でその輪郭を辿ったばかりの曲線を包み込んでいた。彼女の緑の瞳が見開かれ、顔に衝撃が走るが、すぐにそれを隠そうとした。しかしその直後、熱が追いついてきた。暗く、抗い難く、そして官能的な熱が。彼女の頬が朱に染まり、喉元で脈拍が跳ね上がった。私はその光景を噛み締めながら、二人の間の沈黙を引き延ばした。どちらも動こうとしなかった。
私は中に一歩踏み込んだ。扉が静かな音を立てて閉まり、私たちを閉じ込める。
二人きりだ。
空気は一瞬にして濃密になり、彼女の香り——ジャスミン、昨夜の残香であるウイスキー、そしてその下に潜む、隠しきれずに既に彼女を裏切っている情熱の匂いで重たくなった。
私の愛しい嵐。
「おはよう」まるでブランチの途中で鉢合わせでもしたかのように、私は何気なく声をかけた。窮屈な空間の中で彼女を見下ろしながら、距離を詰める。「よく眠れたか、愛しい嵐?」
彼女の息が詰まった。壁に背中を押し付け、ブラウスのシルク越しに胸の突起がはっきりと硬くなっているにもかかわらず、抗うように顎を上げた。「不適切です」
「そうか?」私は囁き、二人の間に数センチの隙間しか残らなくなるまで踏み込んだ。頭の横に片手を突き、唇が彼女の耳たぶに触れるほど近くまで顔を寄せる。「昨夜は不適切なんて気にしていないようだったが。車の後部座席で私の指の上で崩れ落ちながら、まるで私が主人であるかのように私の名を呼んで泣き叫んでいた時はな」
目に見えて彼女の体に震えが走った。太もも同士が固く押し付けられる。私は彼女の耳元で笑みを深めた。
「人妻が」声をさらに低く落としながら続ける。「指に他の男の指輪をはめたまま、アルファのベッドで全裸で目を覚ます。大胆な選択だ。気に入ったよ」
「私はそんな——」吐息混じりの声で彼女が言いかけたが、私は指先を彼女の脇腹へと滑らせ、支配するように腰を掴んで言葉を遮った。まるで私の手のために作られたかのように、彼女は完璧に収まった。
「そんな何だ?」顔を覗き込める程度に体を引き、問いかける。彼女の緑の瞳は怒りに燃え、そして飢えていた。「今は濡れていないと? 二度目の絶頂を迎えた時、私がどれほど激しく抱いたかを覚えていないとでも? 言ってみろ、ディライラ。私に嘘をついてみろ。お前が足掻くのを見るのは好物だ」
彼女の手が上がり、私の胸に押し当てられた。私を押し返すわけでも、引き寄せるわけでもない。私の愛しい嵐は、私を試しているのだ。「高慢ですね」
「自信があるだけだ」修正するように言いながら、手をさらに高く滑らせ、シルク越しに胸の膨らみを下から包み込んだ。親指でゆっくりと突起を撫で上げる。それは瞬時に硬度を増した。彼女の喉から甘い声が漏れた。「そしてお前はそれが好きだ。お前の体は嘘をつかない、愛しい嵐。昔からずっとそうだ」
指先で彼女の突起を弄ると、長いまつ毛がかすかに揺れた。彼女は必死に声を殺そうと唇を強く噛みしめたが、その意に反して腰が自ずと前へと動いてしまう。私は急ぐことなく、彼女の胸を愛撫しながら、素顔の日の光の中でその重みを再び確かめた。彼女の呼吸が変わっていた。短く浅くなり、私が手を止めることを望んでいるかのような振りすら、もうやめていた。
「ゼッド……」抗いとも懇願ともつかない声で、彼女が低く囁く。
「しーっ」親指で最後にもう一度突起を撫で上げると、手をゆっくりと腰の曲線から腰骨の膨らみへと滑らせ、指先でスカートの裾を辿った。私の手に触れられ、彼女のお腹が緊張で引き締まるのが分かった。息を呑む気配が伝わってくる。
「まだやめてほしいか?」彼女の耳元で囁く。
彼女は何も言わなかった。それこそが何よりの答えだった。
私の手はスカートの裾をくぐり抜け、正気とは思えないほどの粘り強さで、指先が太ももの内側を這い上がっていった。彼女の肌は信じられないほど柔らかい。私が目的の場所に辿り着くまでのすべてを噛み締めさせるように時間をかけて上へと向かうと、彼女はかすかに身震いした。
ようやく下着のレースに辿り着いた時には、そこは既に蜜で濡れそぼっていた。
昨夜は酒と切迫感に任せていた。だが今日は、お互いに完全に正気で正論だ。
レースを脇へ押しやり、彼女の顔を見つめながら、2本の指をゆっくりと密裂へと滑り込ませた。彼女の口元がぽかんと開く。溢れる情欲に耐えかね、指を受け入れられる前からその奥が切なく締めつけられた。そして、私はその奥深くへと指を押し入れた。
彼女の顔から片時も目を逸らさず、指をより深くいじり回し、親指で陰核を強く圧迫した。朱に染まった頬。半開きになった唇。快楽と屈辱でとろけた瞳。
「また私で達するんだ、ディライラ。今すぐここで。このエレベーターの中で。扉の向こうで誰かが待っているかもしれないと知りながらな」
「高慢なサイコ野郎……」彼女は威嚇するように唸ったが、3本目の指を割り込ませてそこを広げてやると、その声は惨めに裏返った。
私は耳たぶを軽くなじるように噛み、暗く低く笑った。「ああ、そうだ。だが私は、あの男が一度も与えられなかったほどの激しい絶頂をお前に与えた男だ。違うと言ってみろ」
彼女は言わなかった。言えるはずもなかった。荒くなった呼吸のまま、今や恥ずかしげもなく腰を押し付けてくる。私は容赦ない正確さで彼女を貪り続けた。指を曲げ、撫で回し、太ももが震え出すまで圧迫を加えた。
「私を見ろ」静かに命じる。
彼女の瞳が私を捉えた。嵐のように荒々しく、切迫した眼差し。指の上で崩れ落ちていくこの瞬間、私は彼女のすべてを目にしていた。男がその才能に気づかず眠りこくっている間、一人で帝国を築き上げてきた女性。
「お前は実に素晴らしい」唇が触れ合うギリギリの距離で囁く。「本物の権力を手にすれば、どれほどのことができるか……私には見えているぞ、愛しい嵐。お前のすべてがな」
彼女の絶頂は押し寄せる波のように弾けた。彼女は甲高い悲鳴を上げ、体を強く反らせて私に押し付け、指の周りで蜜壁が激しく脈打った。私はその波が収まるまで指を動かし続け、快楽と恥じらいが交互に訪れる彼女の表情の揺らぎを逃さず見つめた。崩壊する瞬間の彼女は美しかった。心から美しかった。
エレベーターのチャイムが鳴り響いた。
彼女と視線を合わせたまま、私はゆっくりと指を引き抜き、付着した蜜を舌で舐めとった。彼女は顔を真っ赤にし、息を乱して打ちひしがれながら、瞳に怒りと剥き出しの欲望を交差させて私を見つめていた。私はいつもと変わらぬ冷静さでスーツのジャケットを整えた。
ポケットから黒いカードを取り出し、彼女へと差し出す。
「話をしに来い、愛しい嵐。友好的な会話をな」
扉が滑るように開いた。私は彼女の味を舌に残したまま、一度も振り返ることなく外へと歩み出た。
背後では、ディライラがエレベーターの中にぽつんと取り残されていた。震える指でカードを握り締め、体はまだ絶頂の余韻で細かく震えていた。
彼女はやって来る。
私に迷いはなかった。
キャロラインの視点わかっていた。家は人でいっぱいだった。壁は薄く、廊下のどこかで子供が眠っていて、両親はいつ目を覚ますかわからなかった。彼の口に向かって頷いた。腰が彼に向かって浮こうとするのに。彼は私に構えたまま留まり、息をするたびにチンポの頭が入り口にキスした。脚はまだ彼の腰に絡み、手はまだ髪にあった。欲求は鋭く、痛みに近いほどだった。最初に口を開いたのは私だった。「前に押せば、止めないわ」彼の目が閉じた。顎の筋肉が跳ねた。終わりのない一瞬、彼がすると思った——二年間の未完の飢えの後、やっと彼が私を押し開くのを感じると思った。代わりに彼は強く息を吐き、腰を引いた。その太い圧が突然消えたことで、壊れた音が喉から出た。彼が口でそれを受け止めた。「ここで止める」彼は唇に向かって囁いた。「止めなきゃ」彼が正しいのはわかっていた。家はいつでも目を覚ます人たちでいっぱいだった。この家は薄い壁でできていて、廊下に子供がいて、両親は私たちがほとんど話さない義理の兄妹だと信じていた。今夜最後の一線を越えれば、朝が不可能になる。それでも体は拒否に疼いていた。彼は額を私の額に寄せた。そのままで、息を分かち合い、震えの最悪が過ぎるまで。チンポは太腿に硬いまま残っていた。自分の脈はまだ脚の間で答えられずに打っていた。どちらも服を着直そうとしなかった。暗闇のほうが安全に感じられた。「これが嫌い」私は囁いた。「わかってる」「間違ってるってわかってるのに、それでもあなたが欲しいのが嫌い」彼の手が上がって頰の横を掬った。親指が一度、頰骨を撫でた。触れ方は慎重で、ほとんど敬虔で、今しがたしたすべてのことより親密だった。「一度も妹として見たことがない」彼は声を落として言った。「一度も。彼らが私たちを同じ屋根の下に連れてきた最初の週でさえ」言葉が深く届いた。顔を向け、掌の中心に口を押し付けた。「誰よりもあなたを理解してる」私は返した。「それでも二年前に出ていった」「留まれば二人とも壊してしまうから出ていった」「今は?」彼は言葉で答えなかった。またキスした。今度はよりゆっくり、より深くさえあった。彼がキスする仕方は、謝りながら同時にどれだけ飢えているかを見せているようだった。やっと離れたとき、また息が荒くなっていた。「今は止め方がわからない」彼は認めた。震え
キャロラインの視点母の声がドア越しに、眠気で重く聞こえてきた。「キャロライン? 起きてるの、ねえ?」マシューの手はまさにその位置に残っていた——二本の指がむき出しの肌に触れ、掌の付け根が私の中心に押し付けられたまま。どちらも動こうとしなかった。背中はまだ壁に当たり、彼の体がまだ私を囲んでいた。部屋の中で聞こえるのは、速すぎて大きすぎる私たちの息だけだった。暗闇の中で彼を見つめた。彼も見つめ返した。目の中の問いははっきりしていた。俺にどうしてほしい?答えを考える暇もないうちに、また柔らかなノックが響いた。声をゆっくり眠そうなものに無理やり変えた。「うん、ママ。起きてる」わずかな間があって、外の床板が彼女が体重を移す音で軋んだ。「何か聞こえた気がしたの」彼女は言った。「大丈夫?」マシューの指が一度、私に対して痙攣した。頰の内側を金属の味がするほど強く噛み、声を均一に保った。「大丈夫。ただ……眠れなくて。さっき水を取りに起きただけ」「何か要る? お茶? 別の毛布?」「ううん。大丈夫。もう寝て」静けさが戻り、マシューが触れているすべての場所を鋭く意識させられた。胸の温かさ、太腿の間に押し付けられた彼の太腿、そしてすでにどれだけ近づいていたかの残る証拠。母の声が柔らかくなった。「わかったわ、いい子。少し休んで」足音が廊下をゆっくり遠ざかり、彼女の寝室のドアが微かに閉まる音が続いた。あと三度の鼓動、固まったまま聞いた。何もなかった。マシューの額が私の額に落ちた。息が口元を掠めた。手はまだ脚の間から動いていなかった。廊下が静かになった瞬間、マシューは手を引き始めようとした。私は彼の手首を掴んだ。彼は固まった。指が彼の肌に痕が残るほど食い込んだ。二人ともまだ息が速すぎた。母との間一髪が、すべての神経末端を生々しくしていた。「捕まりそうだった」彼は私の口に向かって囁いた。「キャロライン——」「わかってる」「止めなきゃ」「わかってる」どちらも動かなかった。彼の手は脚の間に残り、指はまだ私の濡れで滑っていた。背中はまだ壁に押し付けられ、彼の体がまだ私を囲んでいた。恐怖は消えていなかった。ただ別のものに変わっていた。今は熱のように皮膚の下に座っていた。彼はもう一度試みた。声がより深く、より掠れて。「これは狂ってる」「わかってる」手を
マシューの視点二年前、私はほとんど義理の妹の処女を奪いかけた。だがあの夜は突然訪れたわけではなかった。その数か月前から、私たちは最後の一線以外のすべてをすでに越えていた。空が明るくなるまで続いた深夜の会話。家の皆が眠っている暗いキッチンでの服の下の手。彼女が自分の手首を噛んで静かにしている間、バスルームのカウンターで彼女の太腿の間に置いた私の口。家族の夕食の後、車の後部座席で彼女の指が私のチンポを包み、扱いている間ずっと私の目を見つめていたこと。私たちは自分がしていることに名前をつけなかった。何でもないふりもしなかった。キャロラインは、皆が称賛する私の姿を超えて見てくれる唯一の人間だった。夕食中に笑顔を浮かべていても、プロジェクトが私を生きたまま食い尽くしていることを彼女は知っていた。私が沈黙するのは冷静だからではなく、頭が残酷に傾いたからだと知っていた。彼女は裏のポーチやガレージに私を見つけ、最悪の時が過ぎるまでただ一緒に座っていた。他の誰もそうしなかった。他の誰も気づきさえしなかった。私は一度も彼女を妹として見たことがなかった。両親が結婚して皆が同じ家に移り住んだ最初の週から、彼女はただのキャロラインだった。明るく、鋭く、胸が痛くなるほど美しかった。髪を結い上げるときの首の長い線。不適切なことに笑わないようにしているときの口の曲線。私を見るときだけ柔らかくなる目。私は彼女を、決して和らぎのない、定常的で絶え間ない疼きとともに欲していた。あの最後の夜、家は真夜中を過ぎて静かになっていた。両親は廊下の端で眠っていた。私はベッドに横になり、壁越しのすべての音を追い、彼女が立ち上がって床板を渡る音を聞いた。ドアを開けた。彼女は廊下に立っていた。太腿の途中で終わる薄いスリープシャツ。むき出しの脚。むき出しの足。肩に広がる髪。低い光の中でも、不公平に感じるほど美しかった。私たちは互いに見つめ合った。「眠れないのか?」私は聞いた。声は掠れて出た。「あなたもでしょ」私は近づいた。数か月の盗まれた触れ合いと未完の会話が周りに押し迫った。彼女は顎を上げた。薄いコットンの下で胸が上下するのが見えた。「これは悪い考えよ」彼女は囁いた。「わかってる」それでも私は彼女にキスした。最初の接触は、すでにしたことと、まだ欲していることのすべてを運んでいた。彼女は私の
キャロラインの視点二年前、私はほとんど義理の兄に処女を奪われそうになった。私たちはそれについて一度も話さなかった。翌朝、彼は家の皆がまだ眠っているうちに車に荷物を詰め、まともに別れも告げずに出ていった。距離は贈り物だと自分に言い聞かせた。両親が結婚した後、同じ屋根の下で暮らした時間は、必要だったまさにその時に終わった幻想だったと自分に言い聞かせた。いろんなことを自分に言い聞かせた。今、雪山の家までの最後の三マイルで雪がさらに激しく降り、タイヤが回るたびに同じ玄関、同じ廊下、古い部屋の間の薄い壁に近づいていく。クリスマス週間で、ホテルも早期の退出もできない。私の運命は本当にそんなに呪われているのだろうか?見覚えのない黒いSUVの後ろに車を止め、エンジンを切って、冷えていく金属の音を聞いた。玄関の明かりが点いた瞬間から脈が上がっていた。階段にたどり着く前に玄関のドアが開いた。マシューが入り口に立っていた。暗いセーターを着て、袖を肘までまくり、同じ鋭い顎。雪が半秒髪にかかり、すぐに溶けた。すぐに笑わなかった。私もそうしなかった。「遅いな」と彼が言った。「渋滞」彼は脇に寄って私を中に入れた。玄関は松の香りと、母が十二月にいつも灯すシナモンのキャンドルの匂いがした。コートを取ったとき、彼の指が首の横に触れた。皮膚の下で熱が広がった。先に私のほうが離れた。母がキッチンから現れ、タオルで手を拭き、義理の父がそのすぐ後ろにいた。次の数分は抱擁と雪の感想と運転についての質問で埋め尽くされた。母は私の肩を掴んで疲れて見えると言った。父はマシューの背を叩いて、先月地元の新聞に載ったシカゴのプロジェクトについて聞いた。マシューはいつもの有能さで答えた。話が私に向くと、質問は柔らかくなった。まだ契約の合間?紹介が必要?私は笑って大丈夫だと言った。マシューは母の頭越しに私を見て、何も言わなかった。彼らは私を古い部屋に入れた。マシューの部屋は隣で、以前と同じ。間の壁はいつも薄かった。カーペットの真ん中に立ち、スーツケースを開けたまま、向こう側で彼が動く音を聞いた——引き出しが開き、ブーツが床に落ちる低い音。すべての音が伝わった。ドアを閉めて、彼の足音を追わないようにした。夕食は七時に始まった。義理の父のいとこが一晩のために車で来ていて、声と目が増えた。私はマシュ
シーラの視点彼はまだ見つめていた。十五フィートのアスファルトと薄れゆく金色の光が私たちを隔て、警備員は動いていなかった。乳首はまだ親指と人差し指に挟まれ、頂きは硬く暗く、薄い黒いタンクトップは脇に引っ張られて、胸の重い曲線全体が外気にさらされていた。もう片方の手は大きく開いた太腿の間に埋まったままで、指は滑り、今はただ腫れた熱に触れているだけだった。隠さなかった。目を逸らさなかった。彼が一歩近づいた。また一歩。ベルトの無線が一度、静電気を立てて鳴った。やっと出た声は低く掠れていて、何かもっと濃いものの向こうから無理に押し出されたようだった。「お客様。これは許可されていません」私は乳首をゆっくり指の間で転がし、彼の目が落ちるのを見た。顔に戻すまで、まる一秒長く留まった。答えなかった。アクセス道路を車が通った。どこかで犬が吠えた。脈が脚の間で重く、ゆっくり打った。彼は喉を鳴らし、もう一度試みた。今度は口調がより厳しかった。「身を隠してください。今すぐ」私は頭を傾けた。その動きで自由な方の胸が揺れた。もっと強く摘まみ、柔らかな音が漏れ、彼の顎が緊る正確な瞬間を見た。「じゃあ通報すればいい」私は言った。声は落ち着きすぎて、無関心に近かった。疼く乳首の頂きを小さな円で動かし続けながら待った。彼は唾を飲み込むと顎が緊った。暗い制服のズボンの前がすでに形を変えていた。生地に押しつける太い輪郭が見えた。彼は私が気づいているのに気づいた。シャツの襟の下に赤みが差した。「公然わいせつで切符を切ることもできます」彼は言った。脅しは薄く聞こえた。「通報することも」私は肩をすくめた。タンクトップがさらにずれた。両方の胸はほとんどむき出しで、襟ぐりは下で役に立たなく伸びていた。「どうぞ」彼がまた一歩近づいた。制服の微かな糊の匂いと、その下の温かい匂いがわかるほど近く。目がまた落ちたとき、皮膚に物理的な触れ合いのように感じるほど近く。「運転の資格はありますか?」彼は突然尋ねた。声が鋭くなり、まだ立てる公式の立場を探るように。「……何か影響を受けているように見えますが」ゆっくり笑みが口を引いた。脚の間の指をさらに下に滑らせ、襞を割り、どれだけてかてかしているか、どれだけ準備できているかを見せた。「自分で中に入って確かめてみますか?」自由な手でドアのロックを外し、数イ
シーラの視点目を開けた。駐車場はまだそこにあった。光がわずかに低くずれ、金色がより濃く、より裏切るような色に変わっていた。手はすでに太腿のもっと上にあり、指先がデニムスカートの裾の下に潜り、むき出しの熱い肌を撫でていた。今度はためらわなかった。残りを滑らせ、たぶん履くべきではなかったであろう紐パンツのびしょ濡れの股間を見つけ、押し付けた。柔らかく、壊れた音が口から漏れた。噛み締めるのが遅すぎた。陰核への圧は完璧で、それでいて足りなかった。ゆっくり円を描いて擦り、すでにどれだけ腫れているか、生地が張りつき引きずられるかを感じた。もう片方の手は錨のようにハンドルに残り、指の関節が白くなった。タンクトップはさらにずれていた。片方の乳首が完全に浮き出て、薄い黒いコットンに暗く硬く尖っていた。少しだけ体を反らせ、生地がそれを擦るようにし、感覚がまっすぐに脚の間へ駆け落ちた。駐車場の向こうのアクセス道路を車が通った。遠い歩道を犬を連れた女が歩き、スマホを耳に当てていた。誰も見なかった。見ないことが、よりひどくした。より良くした。捕まるかもしれないという可能性が皮膚の下で脈打ち続けた。指を紐パンツの端に引っ掛けて脇へずらした。冷たい空気が濡れた熱に触れた。指がむき出しの肉を見つけ、予想通り、それは滑り、腫れ、疼いていた。バスの少年が自分のチンポを扱いたように、自分を扱いた。命がかかっているかのように。二本の指が私の汚れた中を滑り、集め、陰核に塗り広げた。円を描き。押し。きつく集中した模様で擦り、腰が座席から浮いた。レザーが太腿の裏側に張りついた。わずかな動きごとに柔らかく卑猥な音がした。気にしなかった。聞かせてやれ。運転席側を誰かが通り、脚を開いた私を見て、その間で動く手を見て、半分落ちたタンクトップの下で胸が上下するのを見てくれ。その考えだけで、また新しい濡れが指を覆った。一本を中に押し込み、ゆっくり、自分の体のきつい締め付けを感じ、二本目を加えた。伸びは完璧だった。短く浅い突きで自分を犯し、親指はまだ陰核を動かし、二重の感覚で視界の端がぼやけた。頭はバスに戻り続けた。手の中の彼のチンポの重さ。彼がイったときに私を見た目。茶色の瞳に、驚きと感謝と、少しの破壊が混じっていた。あのとき私は力を感じていた。今も感じていた。これは私のものだった。駐車場、リスク、ゆっ







