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第四章:残酷に響く運命の足音⑤

مؤلف: 七森香歌
last update تاريخ النشر: 2026-08-20 08:10:56

 ドゥーエが目を覚ますと、ベッドで眠っていたはずのシュリの姿がなかった。一体何処へ行ったのだろうと、ドゥーエは眉を顰める。以前にオオカミの群れに襲われていたこともあったし探しに行くべきか、とドゥーエが逡巡していると、外でばたん、と物音が響いた。

(何の音だ……?)

 何故か嫌な予感がした。ドゥーエは外套に袖を通す間も惜しんで外へと飛び出した。

 金木犀の茂みを抜けたところに、小柄な人影が倒れていた。その正体に気づいたドゥーエは顔から血の気が失せていくのを感じた。

 茶色のチュニックワンピースの左袖が千切れ、血で染まっていた。何よりも目を引いたのは、その袖の中にあるはずの前腕が失われていることだった。

「シュリ……!」

 ドゥーエはシュリに慌てて駆け寄ると、冷たく華奢な体を抱き起こした。「ドゥーエ……?」シュリは力なく笑うと、血を失って真っ青な唇で彼の名を呼んだ。

「シュリ、一体何が……! 誰にやられたんだ! 言え! 言ってくれ!」

 違うの、とシュリは弱々しく首を横に振ると、

「誰かにやられたんじゃない、あたしが自分でやったの」

「どうしてそんなことをしたんだ!」
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     それから数日が過ぎたが、シュリの容態は一向に改善されてはいなかった。初日の夜の熱こそ今は微熱となってはいたが、腕の傷口は痛々しく腫れ上がり、薄膜の向こうからは膿混じりの透明な液体が滲み出していた。  朝食にドゥーエが四苦八苦しながら作ってくれた半分炭化した麦粥を彼に食べさせてもらった後、シュリは左腕の傷口の処置をしていた。シュリは良好とはいえない経過を辿っている傷口を観察しながら、冷静に所見を述べていく。 「うーん……これは悪い菌が入っちゃったかな。あたしみたいな素人の処置じゃさすがに無理があったかも」 「……大丈夫なのか?」  ドゥーエは不安げに顔を曇らせながら、抗菌成分の入った軟膏を掬ったへらをシュリへと手渡した。 「どうだろ。何にしても今は安静にして様子を見るしかないかな」  そんな顔しないでよ、とシュリは苦笑しながら、真っ赤に腫れ上がった傷口へとシュリは手早く軟膏を塗っていく。 「ドゥーエ、次、包帯取ってくれる?」  ああ、とドゥーエはシュリに言われた通り、ベッドの上に転がっていた包帯を手渡した。シュリは器用に包帯の端を口で咥えて引き出し、先端を失った二の腕へとあてがうと、 「ドゥーエ、そこの包帯の端、押さえてくれる?」  シュリは包帯の巻き始めを顎で押さえながらそう言った。ドゥーエは包帯へと手を伸ばし、端を押さえてやりながら、 「俺が巻こうか?」 「いいよ。ドゥーエ、あんまり得意じゃないでしょ? 昨日巻いてもらったとき、びっくりするくらいゆるゆるだったもん」 「……」  そう言われてドゥーエは沈黙する。昨日、ドゥーエが見様見真似でシュリの腕の包帯を変えてやったところ、あまりに出来がひどすぎて、結局、シュリが自分で巻き直すことになったのはまだ記憶に新しい。それを考えると、ドゥーエは自分がやるとは強く言えなかった。  シュリは慣れた手付きで左腕へと包帯を巻いていく。包帯の残りが少なくなると、シュリは端を口で加えて細く引き裂いた。 「ドゥーエ、手、離していいから、包帯の端を結んでくれる?」  ああ、と頷くとドゥーエは細く割いた包帯の先端の片方をぐるりとシュリの二の腕に沿って巻きつける。こわごわと壊れ物に触れるようにそっと、裂いた包帯の両端を結ぼうとしていると、 「ああもう、ドゥーエ。そんなんじゃほどけてきちゃうってば。あた

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