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第520話

作者: 木憐青
そのとき、司会者が再びステージに上がった。

口元には、意味ありげな笑みが浮かんでいる。

「皆さま、ここで、もうひとつ秘密をお伝えさせてください」

低い声は会場の注意を引き寄せた。

「この『星夜』ネックレスを手がけたデザイナーが、いったい誰なのか......

皆さま、きっと気になっていらっしゃいますよね?」

わざと間を置くと、会場にはざわめきと好奇の声が広がった。

そして司会者は、満を持して高らかに告げた。

「今、ここに発表いたします。

この黒曜石のネックレス『星夜』のデザイナーは江口様ご本人です!」

その瞬間。

まさか!」という声とともに、会場は一気にどよめき、驚きの声が飛び交った。

誰もが驚いた。

延浩が成功したビジネスマンだけでなく、これほどの才能を持つデザイナーでもあることに。

しかも、今夜、二千万を超える価格で落札されたそのネックレスが、彼自身の手による作品だったとは。

深雪も思わず息を呑み、驚いた表情で延浩を見つめた。

彼女の中での延浩は、知性と包容力を備えたエリートだった。

まさか、これほど繊細で美しい感性を形として表現できる人だったとは。

延浩は、そんな深雪の驚きを受け止めるように、そっと微笑んだ。

その眼差しには、隠しようのない優しさと愛が宿っている。

彼は司会者からマイクを受け取り、深雪だけを見つめながら、静かに語り始めた。

「この『星夜』は、確かに、僕自身がデザインしました」

低く、心に響く声だった。

「発想の源は、星空への憧れ......そして、ある一人の女性への想いです」

視線は終始、深雪から離れない。

世界には、もう彼女しか存在しないかのように。

「黒曜石は、神秘、内省、そして守護を象徴する石です」

延浩はゆっくりと言葉を紡いた。

「私は、このネックレスが、星空のように、私の愛する人を、静かに、しかし確かに守り続けてほしいと願いました」

そこで一度、言葉を切り、深呼吸した。

そして、長く胸の奥にしまい込んでいた想いを、ついに口にした。

「深雪。このネックレスは、君のためにデザインしたものだ」

声はわずかに震えていたが、そこに迷いはなかった。

「これは、僕の気持ちそのもの。君を想う心であり、君を守りたいという願いであり......そして、君への愛」

真っ直ぐで、飾り気のない告
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