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第203話

Author: レイシ大好き
「お母さんは知らないだろうけど、毎日お母さんが苦労してる姿を見るたびに、心が痛くなるの。自分のふがいなさが本当に憎いよ......」

緒莉の言葉に、美月の目には深い憐れみが浮かんでいた。

「それは緒莉のせいじゃないわ。身体のことなんて、自分でどうこうできるものじゃないのよ」

「ただ......」

そう言いかけて、美月はふと口をつぐみ、立ったままの紗雪に視線をよこす。

そのあとで意を決したように言葉を続けた。

「権限というのは、能力のある人間に与えるべきもの。今後、慎重に考えさせてもらうわ」

「なんでよ!」

紗雪が思わず声を上げる。

美月が緒莉をえこひいきしているのは昔からわかっていたが、まさか今回はここまで露骨にするとは思ってもみなかった。

ここまであからさまになると、さすがに怒りを抑えきれない。

「理由なんて必要?実力がある人間の方が選ばれる。それだけよ。あんたがやったことを見て、私がこの会社を安心して任せられると思う?」

美月の口調も厳しくなり、紗雪の強情さに苛立ちを覚えていた。

一方で、緒莉は「会社を任せる」という言葉に内心ぎくりとし、目を見開いた。

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