Home / ファンタジー / ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ / 11-5.レイカはメンバのためにヒビキカリンと共闘する

Share

11-5.レイカはメンバのためにヒビキカリンと共闘する

last update Huling Na-update: 2025-05-08 18:00:48

 トリマ、ウチらは0時になる前にカリンの車にのって、現地に行ってみることにした。途中でヤオマンBPCってファミレスに寄ってご飯食べようってなったんだけど。なんで? さっき食べなかったっけ。ここでも、カリンとセイラはお肉をモリモリ。ウチはなんだか食べそびれちゃった。もったいなかったけど、残しちゃってカリンにほとんど食べてもらった。

 セイラのマンションの前の道に車停めてセイラの準備待ち。

「おまたせー」

 セイラが戻ってきた。荷物取りに寄ったの。

「セイラ、何持ってるの?」

「ん? これ? セイラのゴマスリセット。スリコギの絵柄なめネコなんだ。カワイっしょ」

 本格スリ鉢とスリコギセット(5400円)、スリコギに「なめてっと、すりつぶすぞ」って書いてある。

「なんで持ってるの?」

「これないとさ、やばい」

 なんで?

 セイラ助手席にすっぽり収まって、彼女さんみたい。すり鉢抱えてなければのハナシ。

「大丈夫かな。いきなり行って」

『R』(どっぷりだね。こう言うようになっちゃ)に参加するにはいろいろメンドーな手続き(血の団結式とか?)がいって、今夜ってわけにはいかないから、ウチらはオシノビってことらしい。カリンが、

「こっちは辻沢の住人だから、『すみませーん、道に迷っちゃってー』で、とーす」

「住人が道に迷うムジュン」

 ってセイラ。

「うっさい、黙れ笑」

 宮木野神社前。境内に誰もいなさそう。ジーって虫の声だけしてる。

「たしか、ここがスタート地点のはずだけど」

「『R』見てみよ。何か出てるかも」

「あれ、SIMカード差せっておこられた。レイカどしたのこれ」

 ガラケーに差したまんまだった。はい。ガラケー。

「イマドキ、ガラケーって。なんで?」

「だって、そのスマフォ反応悪くって」

「え? それまずいな」

 セイラ、あっというまにSIMカード入れ替えちゃった。すごい。

「ぜんぜんフツーに動くよ。接触かな」

 どぃうこと?

「まだ
Patuloy na basahin ang aklat na ito nang libre
I-scan ang code upang i-download ang App
Locked Chapter

Kaugnay na kabanata

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   11-6.レイカはメンバのためにヒビキカリンと共闘する

     森の中の真っ暗な道をゆっくりと進んで行く。明かりと言ったらヘッドライトだけ。「入れたものの」「ナニすればいいの?」 しばらく行くと、受付の札が立ってるのが見えた。「ちょっと様子見て来るよ」 車を脇に停めてカリンが一人で出て行った。二人きりになるとセイラはカバンからノートパソコン出して、いつもの真っ赤な画面表示させた。それからセイラはスマフォとパソコンで忙しそう。つまんないからウチはシートに横になってたら、「ちょっと! レイカ。やめてよ怖がらすの」 どしたの?「ミラー見たら、消えてるから」「寝転んでただけだよ」「もう」 変なの。 カリンやっと帰って来た。どうしたの? 顔色悪い。「何か分かった?」「収穫なし。『R』のほうはどう?」「だめだね。システム障害の情報だけ。マップも見られなくなってる」「スレッターは?」「こっちは運営へのヒボーチュウショーばっか」「実況は?」「動画のリンクは死んでるっポイ」 やっぱ帰ろ。ここなんだか気分よくない。「あ、ゴメン、PCの位置情報許可してなかった」 セイラ、会社のSEさんみたい。複雑怪奇なパソコン世界の全知全能者。そーいう仕事してるの? ウチ、それさえ聞いてあげてなかった。「F5っと。でた。やっぱりエリア内だと見れるんだ、生実況」 セイラがノートパソコンの手元のちっさい四角い所をこちょこちょいじって操作してる。マウスなくてよくそんなことできるよ。パソコンから声だけ聞こえて来た。〈システム障害の間隙を襲って、我が隊はAH地点を進攻しています。ミッションナンバーは何になるんすかね。後で運営にナンバーつけさせよう。そもそもヤツラの落ち度なんだし〉「カリン、あれ!」  すり鉢男たちがヘッドライトの光を横切って行った。ひょっとして、今実況してた人たち? すぐ暗闇の中に消えちゃったけど驚いた顔してた。ここ本当は車で入る場所でないのかも。 画面を眺めてたセイラ言った。「この

    Huling Na-update : 2025-05-09
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   エピグラフ

    「愛には牙がある。噛みつくのだ」 (スティーヴン・キング『スタンド・バイ・ミー』〈恐怖の四季 秋冬編〉)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    Huling Na-update : 2025-02-06
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   プロローグ レイカのママの影隠し

     ママ、死んじゃった。「レイカへ。 ニーニーのことはよろしくお願いします」 ってメッセージだけ遺して。 そんなの知らない。家を出て三年も経つのに、いまさらって気持ち。ニーニー引き籠りなんだよね。部屋から出てくる事なんて無くて、ウチが実家にいた時だって何年間も顔も見たことなかった。声すらわからない。そもそも、都会生活に慣れ親しんだウチからすれば田舎のことなんて記憶のカナタだから。 ママのお葬式はセレモニア辻沢でやった。慌ただしかったな。ウチの実家は辻沢ってところの旧家で屋号とかあったりするんだけど、ママが1人で切り盛りしてた。結局喪主誰だったんだろ。おばーちゃんとパパはずいぶん前に死んじゃったし、ニーニーがするわけないしって思って、ワンチャンあるかもって、『女バスな人にもわかる お葬式の段取り』 ポチってわざわざ持って行ったのに、ウチは祭壇のそばにずっと座らせられてただけ。式次第の喪主挨拶のところには、「宮木野」 って、なんか仕出し屋さんみたいな名前が載ってて、結局そこはスルーだった。きっとあれだよカゲモシュとかいう。……カゲムシャか、それは。うちの田舎は、例えばお葬式のことカゲカクシって言って夜にしかしないとか、よく分かんないシキタリがたくさんあるんだけど、娘のウチにママの顔を拝ませないってのはどうかと思うよね。で、だれもいなくなった時、棺桶の中覗いたんだけど、中に入ってたのは、「ひえ! 首なし!!」 ママの首どこ行っちゃったの? てか、これって本当にママなの?ウチはびっくりしちゃったけど、そういうことがあっても誰も大騒ぎしないんだ。辻沢だから。 それから参列者のオジサン、オバサン? 知らない人ばっかだった。あの人たちどっから湧いて出てきた? なんか、埃くさいってのか、土くさいってのか。 嬉しかったのはミワちゃんが来てくれてたこと。高校の卒業式以来だから3年ぶり? 式場暗くて分かりにくかったけど、お腹おっきかったみたい。女バスの時からおかーさんだったけど本当のおかーさんになるんだね。おめでと。懐かしいな。ナナミやカリンやセイラ、女バスの皆どうしてるかな。 お葬式が終わった時、司法書士って人に遺産を相続する気があるならば兄上と一年間同居しろって。ママってばほんとうざい。遺産ってどれくらい? って聞いたら、「あな

    Huling Na-update : 2025-02-06
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   1ー1.響カリンは地元企業で社畜する

     やっと打ち合わせ終わった。しかし、すげーなこの広報のヒト。一人で3時間しゃべり通しだった。最初の印象は、うつむき加減で肌が病的に白くって声もかぼそくて、か弱い女子だと思ったのに、いざ打ち合わせになったらしゃべるわしゃべるわ。女傑って言われるうちの社長がたじたじって、どんだけのバイタリティーだよ。それに比べて横の町長はといえば。ずーと鼻毛抜いてテーブルに並べてやがった。ったく、ここだれが後片付けすんだっての。「ヒビキ、車まわしといてくれる?」「はい、社長」「あ、ヒビキちゃん。キー、これね」 ちゃん呼ばわりすんな。ハナ毛。 廊下、灯り消えてるや。守衛さんうたた寝してる。オツカレサマでーす(小声)。無理もないよ、すでに夜の12時半だもの。で、さすがにこの時間となるとまだ涼しー。夜風が心地いい、稲くさいけど。今、田んぼの中でガサガサって音したね。なんてね、何もいるわけないし。いたとしてもでっかいネズミのヌートリアさんだしょ。 辻沢駅裏からこんな田んぼのまん中の本社移転で唯一うれしかったのが駐車場の広さ。青物市場の旧本社の駐車場は狭くて、社員は離れたところ使わされてた。ここなら全社員の車止めてもまだ余裕がある。 えっと、ノーブルシャイニングホワイトのエクサスはっと。あったあった。てか、もう社長の真っ赤なポルポルとエクサスだけじゃん(あたしのK車は除外)。相変わらずかっこいーねー、エクサスLFAは。V型10気筒DOHCエンジン、日本の公道でこんだけいるかっていうほどのパワーとスピード。インテリアの豪華さやばい。マホガニー調のダッシュボードに黒の総皮張りシートって、これだけであたしの車10台ぐらい買えちゃうんじゃないの?いつかあたしもこんな車に乗れるようになるんだろか。 まずは、キーを真ん中のスペースに置いてステアリング横のボタンを押すとエンジンがかかる。マジ? 激マジ?鼓動を揺さぶるエギゾーストノイズ。エンジン音ずっと聞いていたい。発車オーライ。おっと、アクセル踏み過ぎた。って、わざとー。怖いよ、この底知れぬ馬力。ハンドリング軽い。タイヤ吸いつく。これだったら峠道、楽勝でぶっ飛ばせるね。って、やっば、社長たちもう玄関で待ってる。「じゃあ、社長、三社祭スポンサードの件はよろしくということで」「はいはい。アイデアは町長、お金はうち

    Huling Na-update : 2025-02-06
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   1ー2.響カリンは地元企業で社畜する

     それにしても、エクステ、めっちゃかっこいかった。「ヒビキ。あいつ一度、コロしてくれない」「いいんですか? 社長」「じゃんじゃんコロして」「じゃ、遠慮なく。これで、今月二人目になります」「あれ? そうだった? もう一人は誰?」「会長です。うちの引き籠り、ヤッチャってって、先週」「そうだった? でも、あのカスは常時依頼案件だから」「そういえば先々月も頼まれました」「だめじゃなーい。納期守らなきゃ。プロジェクト・リーダー失格だよ。なんてね」「して、ヤツメをコロした報酬は? 殿」「うむ。白いエクサスでどうじゃ」「あの、白いエクサスでございますか?」「悪い話ではなかろうて、近江屋。もともとうちがお金出して買わせたんだったよね、あの車って」「御意」「では、頼んだ。7月末までに納品してね」「御意」「冗談はさておき、もうこんな時間。帰ろ。乗っけて行くよ。乗りたいって言ってたよね、ポルポル」「ホントですか? あー、でも、車置いて帰ると明日メンドーなんで今度にします」「朝、迎えに行ってあげるよ。トール道だし」(それは、アナタのトール道よ)か。女バスの川田先生お元気かな。「どうした? ぼうっとして」 あ、思い出に浸ってしまった。「いえいえめっそーもない。社長にお迎えされるなんてしたら、スカート履き忘れちゃいそうです」「あー、それ知ってる。朝、スカート履くの忘れて電車乗るOLの話でしょ?」「かわいそうですよね。気付いた時のこと考えると」「ふーん。そういう反応なんだ、最近の若い子は。あたしらのころはバカだねーって感じだったけどね。まあ、そもそも論でヒビキはスカート履かないけど」 社長、少し疲れてるのかな。なんだか背中が曲がって見える。「じゃあ、気を付けて帰んなよ。スピード出すな。あんたはうちのホープなんだから」「お疲れ様でした」「あとよろしくね」 ポルポルか、いいな。飛ばすと気持ちいいんだろうな。 カイシャ誰もいない。いつものことだけど。「さ、ちゃっちゃと議事録作って帰ろ」 なんだかんだで、結局2時か、帰るのメンドーになっちゃった。顔洗って寝よ。ありゃりゃ、電動歯ブラシの毛先、広がっちゃってる。替えもなくなったし、お泊りセットそろそろ新しいのと変えなきゃね。あと替えPとかも用意しとかないと。P一枚で二日間はサスガニ。こ

    Huling Na-update : 2025-02-06
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   1ー3.響カリンは地元企業で社畜する

     やっぱり、仮眠室のソファーベッドじゃ熟睡できない。このコーヒーまずー。なんだって厚生室の「挽きたてアルカイックコーヒー」はこんなにまずいのかね。目も覚めないっての。ここの厚生室いらないからシャワールームにしてくれないかな。シャワーなら一発で目が覚める。シャワールームは一応あるけど別棟の端の方だし、男子専用みたいになってるから行くの嫌なんだよね。  厚生室ってば、バランスボールとか足裏ツボ踏みボードとか置いてあるけど、なんなの? しかもツーセットも。あんなの使うの社長に怒鳴られた北村シニアマネぐらいしょ。ボールに座って30分はぶーらぶーらしてる。まるで刑期が終わるの待ってるみたいにさ。そっか、なるほどこれこそ真のコーセー室だ。更生室なんてね。うわっ、あたしおやじギャグ言ってるし。オヤジ連に毒されて来てる。やっば。  この部署、企画戦略室って聞こえはいいけど、創業の功労者たちの慰安施設みたいになってる。いるのはおじーちゃんばっかり。会話って言っても、口開けば二言目にはダジャレ、三言目には昔話。やんなるよ。あれ? 社長だ。今日、早いな。「ヒビキ、ちょっといい? 社長室に」 「社長。おはようございます」 「あんた、その頭。また泊まったの?」  なんかなってる? 「寝グセ。後ろはねまくってるよ」  あ、ホントだ。 「あー、こうしてうちがブラックって噂が巷に広まっていくんだな。勘弁してよね。ヒビキは今日は休み。早々に帰宅しなさい」 「え? そうなんですか? さっきの、ちょっといいはどうします?」 「あ、そーだった。じゃ、ちょっとだけ。おい、北村。あとで社長室来いな。今じゃねーよ。あとでって言ったろ。ボケ」 うちの社長室はシンプルだから好きなんだよね。無駄なものが一切置いてない。現代絵画とか、洒落た写真とか、見たこともないような観葉植物とかない。これみよがしに置いてある女性社長の部屋の写真、『プレジネス』に載ってたりするけど、あれは板についてないっていうか、おのぼりさんの記念撮影にしか見えない。似合わねーのにひらひら付いたピンクのおべべ着せられちゃってさ。あんたらさ、そんな余計なもん見向きもしなかったから這い上がれたんじゃねーの、って思う。 「あのね、ヒビキ。これはホントーに秘匿事項だから、口外は無用にしてほしいんだけど」 「

    Huling Na-update : 2025-02-06
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   1ー4.響カリンは地元企業で社畜する

     きたきた。社長の気まぐれ絶対命令。期限は社長が次に思い出した時。 「なんであたしなんでしょう?」  釣りに託(かま)けて違うものひっかけたんじゃ。わー、またオヤジみたいなこと考えてる、あたし。 「悪いんだけど」 「でもですね」  会長の浮気なんて社長の眼中にあるわけないな。とすると、ハンカチに付いてるかすれたような赤黒いシミのほうか。 「わたしには手に負えそうにない。だからヒビキに頼んでるわけ。内々に」  会長は社長の鬼門ですもんね。それに、これ以上は断るな光線が出てますよ、社長の目から。よ! は! よけらんない。 「ヒビキ、なにやってる?」 「あ、すみません。その件お受けしますけど、他とバッティングすると」 「あ、それは大丈夫。仕事じゃないから、これは」  って、人はだれしもそうだと思いますけど、一応あたしの時間軸も一本なんですけどね。 「わかりました。でも、少し時間をください」 「もちろんよ。ヒビキがこの企画戦略室のなかで一番忙しいのはよく知ってるつもり」  なら、他の人に振ってくださいませんかねって、無理か。 「じゃあ、日程感は今月中とかっていうのでいいですか?」 「いや、3か月あげる。それまでに解決して頂戴」  なにをですか? とっかかりも見えてないのにいきなり。って言っても無駄なようなので。 「わかりました。3か月のプロジェクトということで。稟議書あげなくていいですかね」 「いいわよ。それでお願いした」 「ドキュメントの提出は、完了届だけということで」 「OK。じゃあ、ヒビキはすぐ帰りなさい。今日はゆっくり休んで、明日からまた頑張ってちょーだい」 「了解です。これ預かりますね」  ばりレディース仕様のガラケー。 「うん、持って行って。返さなくていいよ。終わったら雄蛇ヶ池にでも捨ててね」 「して殿、報酬は?」 「近江屋、おぬしも悪よの。望みを言え」 「では、厚生室をシャワールームに」 「ヨキニハカラエ」 「失礼しました」 「あ、ヒビキ。北村呼んでくれる。どーせ忘れてるから、あのボケ」  北村シニアマネ、カワイソーニ。なんだか社長の水平リーベ棒にされてる感じ。「便利化学社の健康グッズ  『水平リーベ棒』 あなたの乱れたココロを水平に保ちます」 そういえば、子ネコちゃんどうしてるかな。ミルク

    Huling Na-update : 2025-03-01
  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   1ー5.響カリンは地元企業で社畜する

     例のガラケーの充電コード、古すぎてコンビニとかになかったから、わざわざN市のビックヤマダセンターまで買いに出てきて正解だった。こっちでも在庫2つだったって。ついでに水平リーベ棒も買っちゃった。売れ筋No1だったから。なぜだかアウトドア用品で。7200円もした、こんなものが。シルバーコーティングって、どうせメッキだろ。ボロもーけだな、便利科学社。買ったはいいが、ショージキいらなかった。そうだ、カイシャの厚生室に置いとこ。 あー、ほっこりした。ネコちゃんたちに癒されまくった。N市のこんなとこにネコカフェあったなんて、不意打ちくらった感じ。結局、閉店ギリギリまで過ごしちゃった。やっぱ、マンチカンのコロ助くんが一番かわいかったナリン。ふっわふわで抱っこしたらフニャーってなってさ。ここも買収候補の一つだね。いつかぜってー猫カフェチェーン展開してやる。って、やっべー、こんな時間かよ。早く帰んなきゃ。ってか、車ぶっ飛ばせば、20分でつくし。やることやってからね。 車で充電なんてあたしはあんましないな。会長がスマフォの充電よくしてたけど。ガラケー充電完了っと。起動ボタンは、これか。やっぱりGPS内臓だ。用心しといてよかった。あたしの家、特定されないで済んだ。どれどれ、操作方法いまいちわかんない。スライドさせて、画面表示させてっと。ド☆キンちゃんからの不在着信がいっぱいだ。あれ、ド☆キンちゃんに何か送信しちゃったみたい。メッセージの下書き触っちゃったのか。やばい。さらにやっちゃだめなことしちゃいそーだな。も少し慎重に扱わないと。もう一つの下書は。再生。 「……かわいそうな女の子たちを助けてあげてください。アナタなら、きっとできるはず。なぜなら、アナタは、辻の……ーーーー雑音ーーーーーーピー」  このガラケーって、マジか。でも、これ使えそ。連絡先に名前がある人に片っ端から連絡してみよっか。いや、それは危険すぎか。トリマ、今名前が出た知り合いだけにしておこ。電源落として、よし帰るぞ。 すっ飛ばしてきたからもう雄蛇ヶ池だよ。ん? 今、橋のたもとに泊まってた車、あれ会長のジャガーじゃない。こんな時間にこんなところで何してんだろ。  会長ってば、ほんとにどっか抜けてる。 「ジャガーはね、ボン

    Huling Na-update : 2025-03-02

Pinakabagong kabanata

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   11-6.レイカはメンバのためにヒビキカリンと共闘する

     森の中の真っ暗な道をゆっくりと進んで行く。明かりと言ったらヘッドライトだけ。「入れたものの」「ナニすればいいの?」 しばらく行くと、受付の札が立ってるのが見えた。「ちょっと様子見て来るよ」 車を脇に停めてカリンが一人で出て行った。二人きりになるとセイラはカバンからノートパソコン出して、いつもの真っ赤な画面表示させた。それからセイラはスマフォとパソコンで忙しそう。つまんないからウチはシートに横になってたら、「ちょっと! レイカ。やめてよ怖がらすの」 どしたの?「ミラー見たら、消えてるから」「寝転んでただけだよ」「もう」 変なの。 カリンやっと帰って来た。どうしたの? 顔色悪い。「何か分かった?」「収穫なし。『R』のほうはどう?」「だめだね。システム障害の情報だけ。マップも見られなくなってる」「スレッターは?」「こっちは運営へのヒボーチュウショーばっか」「実況は?」「動画のリンクは死んでるっポイ」 やっぱ帰ろ。ここなんだか気分よくない。「あ、ゴメン、PCの位置情報許可してなかった」 セイラ、会社のSEさんみたい。複雑怪奇なパソコン世界の全知全能者。そーいう仕事してるの? ウチ、それさえ聞いてあげてなかった。「F5っと。でた。やっぱりエリア内だと見れるんだ、生実況」 セイラがノートパソコンの手元のちっさい四角い所をこちょこちょいじって操作してる。マウスなくてよくそんなことできるよ。パソコンから声だけ聞こえて来た。〈システム障害の間隙を襲って、我が隊はAH地点を進攻しています。ミッションナンバーは何になるんすかね。後で運営にナンバーつけさせよう。そもそもヤツラの落ち度なんだし〉「カリン、あれ!」  すり鉢男たちがヘッドライトの光を横切って行った。ひょっとして、今実況してた人たち? すぐ暗闇の中に消えちゃったけど驚いた顔してた。ここ本当は車で入る場所でないのかも。 画面を眺めてたセイラ言った。「この

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   11-5.レイカはメンバのためにヒビキカリンと共闘する

     トリマ、ウチらは0時になる前にカリンの車にのって、現地に行ってみることにした。途中でヤオマンBPCってファミレスに寄ってご飯食べようってなったんだけど。なんで? さっき食べなかったっけ。ここでも、カリンとセイラはお肉をモリモリ。ウチはなんだか食べそびれちゃった。もったいなかったけど、残しちゃってカリンにほとんど食べてもらった。 セイラのマンションの前の道に車停めてセイラの準備待ち。 「おまたせー」  セイラが戻ってきた。荷物取りに寄ったの。 「セイラ、何持ってるの?」 「ん? これ? セイラのゴマスリセット。スリコギの絵柄なめネコなんだ。カワイっしょ」  本格スリ鉢とスリコギセット(5400円)、スリコギに「なめてっと、すりつぶすぞ」って書いてある。 「なんで持ってるの?」 「これないとさ、やばい」  なんで?  セイラ助手席にすっぽり収まって、彼女さんみたい。すり鉢抱えてなければのハナシ。 「大丈夫かな。いきなり行って」 『R』(どっぷりだね。こう言うようになっちゃ)に参加するにはいろいろメンドーな手続き(血の団結式とか?)がいって、今夜ってわけにはいかないから、ウチらはオシノビってことらしい。カリンが、 「こっちは辻沢の住人だから、『すみませーん、道に迷っちゃってー』で、とーす」 「住人が道に迷うムジュン」  ってセイラ。 「うっさい、黙れ笑」 宮木野神社前。境内に誰もいなさそう。ジーって虫の声だけしてる。 「たしか、ここがスタート地点のはずだけど」 「『R』見てみよ。何か出てるかも」 「あれ、SIMカード差せっておこられた。レイカどしたのこれ」  ガラケーに差したまんまだった。はい。ガラケー。 「イマドキ、ガラケーって。なんで?」 「だって、そのスマフォ反応悪くって」 「え? それまずいな」  セイラ、あっというまにSIMカード入れ替えちゃった。すごい。 「ぜんぜんフツーに動くよ。接触かな」  どぃうこと? 「まだ

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   11-4.レイカはメンバのためにヒビキカリンと共闘する

     スレッター、例の『スレーヤー・R』ユーザ専用SNS、ちょっと分かったことがあるから見て欲しいって、カリンが。やだなって思ったけど、この間、バス停でカリンが言った「シオネとココロのため」ってのが気になってて。 「ココロやシオネをあんなにした奴がまだのうのうと生きてると思うとね」 「なんで生きてるって思うの?」 「殺したヴァンパイアが死なない限り、ココロやシオネはあのまんまだから」 「それとゲームと何の関係が?」 「そいつがゲーム運営にかかわってる気がするの」  また、気がするなの? パソコンの画面、真っ赤で目が痛い。動画やってる。この間の連中みたいのが暗がりでスリコギ振り回してる。誰と戦ってるの? みんな仲間みたいだけど。あ、万歳した。 〈ミッションレベル1。初の改・ドラキュラ殲滅、成功。このゲームに比べれば、他のARゲームなんかクソでしょ。リアル戦闘感ハンパない。仕留めた時がめっちゃ良き。俺氏、興奮しすぎ? 次は、カーミラ・亜種。第七ヘルシング隊でした〉 〈カケダシガンバレー〉〈みんな知ってるぞ〉〈そのために高額課金に耐えたんだろーが〉〈PT名がオモすぎー〉〈氏ぬなー〉〈いや、むしろ氏んで来い!〉  だって。 「この人たち何やってるの?」 「多分『スレイヤー・R』。リアルサバゲーだよ」 「『スレイヤー・R』?」 「『V』とは違って『R』はゲーマーが実際にフィールドに出てプレーするゲームなんだ」  中の人たち本当に面白いのかな? リアルって言うけどごっこ感強い気がする。 「すごく接近して撮ってるんだね。誰が撮ってるの?」 「ゲーマー自身が身に着けるカメラで撮ってるから」 「ウエアラブルカメラ。ゴリプロっていうやつ。ヤオマンでも売ってるよ」 「これって、どっかのテーマパークでやってるの?」 「何言ってんの? レイカは。辻沢だよ。辻沢町全域がフィールド」 「この間、こいつらに遭ったじゃん。すり鉢被った奴ら」  おこられた。しょぼん。 「他に聞きたいことある?」  ないけど、ない

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   11-3.レイカはメンバのためにヒビキカリンと共闘する

     台所からカリンの声は聞こえない。お母さんのすすり泣きの合間に聞こえてくる、 「……優良企業の正社員に……そろそろ、いい人見つけて……お付き合いしてる人は」 みたいなこと、ウチもママによく言われたよ。  セイラは、カリンのPC立ち上げて真っ赤な画面ずっと見てる。カリンの部屋初めて。壁に大きなお札貼ってある。霊媒師さんからもらったのかな。  他にすることなくて、カリンの本棚物色。『ネコの医学』、『動物学大全』、『動物医療の最前線』、『獣医のこころえ』。ずいぶん難しそーな本読んでる。ウチ、難しい本読むと頭の中でせせらぎの音がサラサラサラってずっとしてるから、頭に入ってこない。 『女バスな人にも分かる! 経営学入門』だって。 これなら読めそう。 あ、これはー、うしし。 『ココロとカリンの交換日記No.1』。 表紙、めっちゃデコってあってココロの字で「夢」。ココロ、こういうオトメ好きだった。何書いてあるんだろ。  カリンが部屋に入ってきた。やば。カリンは壁のお札を目にすると舌打ちして剥がし、ゴミ箱に放り込んだ。ナイスシュート。カリンこわい顔。 「麦茶しかなかった」  お盆にコップ3つ。ウチ、いらないです。 「レイカ。そのノート、見てもいいよ」  こういうのなんて言うんだっけ。ジゴショーダク? なんか、トーサツした気分。カリンたらウチの横来てノートを開いて。だから、ゴメンって。 「ちがうんだ。見て欲しかった。ココロが何をしたかったか。あんなにならなかったら、今頃、どんなになってたか」  わかった見るよ。そんなに急かさなくっても。 「ココロとウチの夢の実現ノート」  カリンがノートのページを指して、 「『No.1』の最初のページ。『カリンの夢、獣医さん。ココロの夢、ネコカフェ。二人の夢、ネコにゃんリゾート(仮称)の経営』。乙女でしょ、ココロ。ウチ、獣医さんなんて夢、持ってなかったんだ。でも、ココロと一緒だったらウチもやってみようって」  そうだったんだ。全然知らなかった。  ノートの内容、全然乙女じゃなかった。バスケノートみ

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   11-2.レイカはメンバのためにヒビキカリンと共闘する

     ミワちゃんとナナミは、またまた用事があるって先に帰っちゃった。取り残されたウチらはカラオケ行ったけど、すぐ飽きちゃって『この花』の主題歌みんなで歌ってお開きにした。泣けた。 「レイカ。あのね」 「セイラ。ゲームなら」  そんなだから、ミワちゃんたちも。 「分かってる、でも」  カリンがセイラを制して、 「レイカ、今日、車あるから送るよ」  ありゃりゃ、まだ9時じゃん。ニーニーのいるあそこに戻るの、やだな。 「ゴメン。カリンち、泊めてくれないかな」 「え? いいけど。汚いよ」 「それなら、セイラも行く」 「PK?」 「なに?」 「PKってく?」 「パンツ買って行くでPKは無理あるよ」  うわー。ムラサキの軽自動車だ。これがカリンの車? ウチ、後ろ乗るー。おっと、横に開くのね、このドア。バスケのボール置いてある。わかるよ。女バス出身者の心のよりどころだもんね。ガーーバン。ふーん、中こんななんだ。わりと広いね。天井も高いよ。アタマ、ほれ、ほれ。届かない。座席もっふもふのふっかふか。気持ちいー。 「ナニあばれてんのよ。レイカ」 「ごめん。つい」  カリンが運転してる。コーコーの同級生が運転する車に乗るのって変な感じする。ってか、カリンの運転アライ。酔った、テキメンニ。 途中一回エチケットタイム設けてもらったけど、何とかたどり着いた。カリンの家は、東揚屋団地。お母さんと二人暮らし。 「入りなよ」 「おじゃましまーす」 「おじゃましまーす」(小声)。 「おかーさん、ただいま」 「夜分にすみません。お邪魔します」 「あら、カリン。おかえ……。ひいーーーーーーーー!」  おかーさん、奥に行ってドア閉めちゃた。 「あ、やっば。このかっこ」  そっか、「血塗られたJK」じゃやばいよね。 ゴリゴリゴリゴリ。 「すぎこぎごりごりもうすぐあさがごりごり……」  カリンのおかーさんてば台所の隅ですり鉢抱えて、

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   11-1.レイカはメンバのためにヒビキカリンと共闘する

     第2回女子会のお知らせ。場所、ひさご。時間、6時から。参加者、ミワちゃん、ナナミ、セイラ、ウチ。カリンは行けたらいくって、99パー来ないセオリー。 ナナミがゴリゴリゴリ。(ゴリゴリ以下、略)。 「レイカ、ココロに会ったんだって?」 「ホント? セイラしばらく会ってない」 「夏の制服着てたよ」 「「「それみんな知ってるから」」」  ってどぃうこと? 「シオネはみんな会ってる。ココロは会ったり会わなかったり」 「ココロは人を見るからさ」  ココロは前は誰とも仲良かったはずだけど。 「シオネなんかユニフォーム姿だもん。感じてないんだろーけど、やっぱ寒そーなときある」  バスケのユニフォームは基本ノースリーブに短パンだからね。冬は堪らんね。ん? セイラの金髪って。 「いなくなったの夏前だったからね」 「セイラ、先週シオネに会った」 「どこでよ?」 「役場の駐車場」  やっぱりあのカップル……。 「シオネって青墓周辺じゃなかった?」 「役場と青墓とじゃ、かなりの距離だしょ」 「シオネなら」 「「ありえるか」」 「ウチはいつココロに会えるだろ」  ミワちゃんが、 「あたしはヒマワリに会いたい」  なんかやばい。あの子たち、みんなのところにショッチュー来てるって。んで、返事すっと襲って来るとか、マジ怖い。カリンが今日来てないの襲われたかもだって。マジで? 「カリン、ハズすから」 「それなー」 「しかも、カンジンなとき」 「それー」 「4ピリ残り三秒、逆転のスリーポイントとか」 「そうだったー」 「あれは誰でもシビレるよ」  なんでか、楽しそーだな。 「レイカ、さっきから何やってるの? セイラの髪の毛束ねて」 「うん、ちょっと」  やっぱ、こうやってポニーテールにすると、あの時の彼氏さんだよね。金髪男くん。 酔った。ワル酔いした。ミワちゃんが勧め

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   10-2.ヒビキは会社の裏を知る

     湧き出た男が言う。 「必須グッズに山椒のスギコギがあるけど、辻沢のヴァンパイアがなんでも山椒に弱いってのは、半分本当で半分うそ」  こういうマンスプレイニング男には教えてちゃんになるのが一番。 「ど、どういうことですか? だって、山椒の木にはヴァンパイアは寄り付かないって」  辻沢の常識だ、そんなことは。 「マニュアルどおりにやってちゃ、命幾つあっても足りないってこと。ヤツラには刀とかの金属製の武器は首以外効かないから、みんな山椒で作ったスリコギを持つんだけど、向うさんは怯む程度。でも山椒の古木の武器は一突き出来れば麻痺させられる。そうしておいて首を刈る」 「え! 首を刈る?」  オーゲサなリアクション。 「あ、今のは言葉のあやだよ。首が弱点だからそこを狙うって意味」  なるほど。 「僕たちさ、ついこの間、返り討ちに遭ってね」  あ、後ろの方たちお仲間さんですか? こんばんわ(無声)。まー、Tシャツお揃いで。ウニクロで作ったのかな? 左奥の人、腕に包帯してる。 「いないはずのツレに不意を突かれてさ。けど、この古木の木刀のおかげで死なずに済んだ。これ僕の佩刀」  なに? 先っちょ見ろって? 赤黒い染みがついてる。なるほどあんたの勲章ってことか。 「死地からの生還デスカー。すごいですねー。それでツレっていうのは?」 「ヴァンパイアはシンとツレでセットなんだよね。辻沢のヴァンパイアは女だけだからヴァンパイアの女をシン、他は眷属でツレ。つまり手下の人間。こいつは男女分けず複数いる場合があるから厄介」  ふーん、どっからの情報なんだろ。そういうルールってことかな。 「ツレの方も殲滅するんですか?」 「まさか。僕たちは殺人鬼じゃないよ。あくまでもヴァンパイアスレイヤーだからね」  そうだよね。いくら裏ゲームだって殺人はないよな。あれ、上の方にある黒い木刀、同じやつ町長室にあった。 「こっちの黒い木刀は? 他の3倍の値段しますけど」 「それ? 黒古木刀。樹齢を重ねた山椒の木は稀に芯が黒くなることがあってそれは超堅い。その芯だ

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   10-1.ヒビキは会社の裏を知る

     とは言うものの。何から手を付ければいいか? 位置情報が駄々洩れになってるのは最近になって会長に気付かれて行動追えなくなったらしいし。会長の案件は、町長と繋がってる。町長の案件は、お師匠さんの案件に繋がってるっポイ。どれも闇の匂いプンプンさせて。どうしよ。とりあえず、子ネコちゃんにミルクあげに行こ。 仕事のこと考えながらミルクあげてたら、子ネコちゃんにミルクたんまりこぼされた。ミルク飲みながらげっぷするから着てるものドロドロになった。 セイラから電話だ。「はい。いいよ。大通りのヤオマンに行くところ。うん、行けそうにない。え、そうなんだ。『出会い系蛭人間祭』? エンカウント率がいつもの3倍。わかった。女子会終わった頃合流しよう。うん。じゃ」合流するにしても、この格好はちょっとまずいな。 着替え買うつもりで遅くまで開いてるカイシャの系列ショップ来てみたら、なんなのこのコーナー。コスプレ充実度の異常さ。カイシャもいろいろ手出してるんだな。どれがいいかな。おっと、セーラー服だ。たまにこんなの着るのもいいか。辻女っぽいのはないかな。あった、まんま辻女の夏服じゃん。あれ? 何これ、血がプリントされてる、べっとりと。ま、いっか。今着てるのよりはちょっとはましだし。「これください」「『血塗られたJK』ですね。サイズはMでいいですか? 3400円になります。お支払いは?」「これで、お願いします」 ゴリゴリーン。さすがプラチナカード。店員さん受け取るとき一瞬のけぞった。 えっと、どこで着替えようか。トイレはあっちか。「お客さん。スレーヤさんですよね」(ささやき声)「え? あ、はい。そーです」(ささやき声) うそこいた。細かいこと言って悪いが、スレーヤでなくスレイヤーな。大丈夫か? この店員。「なら、奥の別室に専用のショップありますから、見て行かれませんか?」(ささやき声)「そうなんですか? 行ってみたいです」(ささやき声)「ではお連れします。あの、スレーヤカードを一応」(ささやき声) 財布探すふり。「忘れました。また出直します」(大

  • ザ・ラストゲーム・オブ・ 辻女ヴァンパイアーズ   9-3.レイカ、夜間窓口業務を勉強しなおす

     窓口業務って、人がいなくなればネイルとかしててもゼンゼン平気な感じ。ウチのスマフォおかしーから、前使ってたガラケー持ってきた。ひさしぶりにワンセグ。『モールス』やっててラッキー。クロエちゃんやばーい。かわいー。今度『キャリー』も観てみよ。 10時か。いつもながら誰も来ない夜間窓口。あれ? 今、窓の外を誰か通ったよ。ちょっと見て来よ。ってのは死亡フラグだから。ミワちゃんにキツク言われてるし。一つ、窓口から離れません。二つ、話しかけられても答えません。三つ、誰が来てもビビりません。でも、これはないよ。うそっしょ? 無理無理無理無理無理。まじでウチ腰抜けそ。「レイカ、ココロだよ」(知ってる。知ってるから。逆に、お口のまわりべっとり血ィついてるし。制服のどす黒いのも血?)「ウチら友だちだよね」(その制服、辻女の夏服だよね。しかも、なんか、くっさ。かと思ったら、日向のニオイする。なんでゾンビがほっこりしたニオイさせてんの?)「レイカは返事してくれないんだ」(それに、その爪伸びすぎだから。女の子なんだから、ちゃんとお手入れしよ。机の上のネイル。それ新作の御影石ラメ。それあげっからさ。もう、帰って。お願いだから)やっと帰ってくれた。なんか言いたそうだったけど、何なの? もう。ココロがゾンビになって戻って来たって、みんなに言うべき?

Galugarin at basahin ang magagandang nobela
Libreng basahin ang magagandang nobela sa GoodNovel app. I-download ang mga librong gusto mo at basahin kahit saan at anumang oras.
Libreng basahin ang mga aklat sa app
I-scan ang code para mabasa sa App
DMCA.com Protection Status