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第796話

Author: 落流蛍
時也はゆっくりと体を丸めた。

その夜、彼はずっと個室で過ごしていた。

何度も寒さで目を覚ましたが、それでも外へ出ることはなかった。

店主が気を利かせて持ってきた毛布も、彼は足で蹴飛ばして床に落としていた。

彼は自分の体を傷つけることで、心の痛みを和らげようとしている。

そうやって夜を明かし、朝日が昇る頃になって、ようやく彼の意識はぼんやりとした痛みの中から現実へと引き戻された。

そして彼は、ついに真正面からこの苦しみと向き合う覚悟をしたのだった。

スマホを取り出すと、華恋からの不在着信がいくつも入っていた。

その画面を見た瞬間、胸がぎゅっと締めつけられた。

少し迷ったあと、彼は華恋の番号に電話をかけ直した。

その頃、華恋は心ここにあらずといった様子で、哲郎と結婚式の準備について打ち合わせをしていた。

昨夜、Kさんに何度も電話したのにつながらず、彼女はひとりでバルコニーに座り、水子の言葉を思い返していた。

そして今、彼女は心の中で、哲郎と結婚したくないと確信していた。

理由は分からない。ただ、心の奥底から、結婚しちゃいけないという声が響いているのだ。

「……哲
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