Compartir

陽動作戦

Autor: 一一
last update Fecha de publicación: 2025-06-30 21:00:00
 時は少し遡り、序列大会の前日。

 レイ達4人は序列大会に向けての最後のミーティングを行っていた。

「さて、この2年間の間で完璧とは行かないまでも、出来うる限りの仕上がりには持ってこれました。よく諦めずにここまで来れましたね」

 労いながら純粋に感心するニイルに、やる気に満ちた顔で答えるレイ。

「当然よ、今更諦める訳無いじゃない。言ったでしょう?強くなる為なら何だってするわ」

 今、4人は潜伏場所として選んだザジの家に滞在している。

 ここは他国どころか大陸すらも別なので、ニイルの予想通りここまで追っ手が迫る事は無く、修行に専念する事が出来た。

「度々セストリアに潜入し調査しましたが、明日はかなりの人数が序列大会に参加するそうです。ほとんどの参加者には後れを取る事は無いでしょうが、恐らく強敵も混じっているでしょう。決して油断しない様に」

 この2年でレイは常人よりも大幅に成長した。

 体も成長し、知識も増え、何より経験値と生まれついての類まれなセンスにより、今や人類の中でも上位の強者と呼べるだろう。

 しかし、神性付与保持者セルヴィやそれに準ずる力を持つ者には苦戦を強い
Continúa leyendo este libro gratis
Escanea el código para descargar la App
Capítulo bloqueado

Último capítulo

  • バケモノが愛したこの世界   地の支配者

     一際大きい衝撃音が3人へと届いた。 見れば、珍しくランシュは肩で息をしており、男は壁へと吹き飛ばされている。 どうやらランシュは、この時間を必死に捻出していた様だ。 その事に感謝しながらランシュへと駆け寄るレイ達だったが、そこで異変に気付く。 変化が生じているのは男の方。 どうやらランシュの攻撃を防いでいたのであろう腕に、ヒビが入っているのが見えたのだ。 まるで作り物の様なその腕に反して、本人はまるで何事も無かったかの様に立ち上がる。【ふぅ……これは中々。そして、時間稼ぎも終わった様だな?】 未だに余裕の態度を崩さない男に、全員が構え直す。 かなりのダメージを負っている筈なのだが、その様子は全く伺えない。「随分と余裕じゃない。まさか手加減していたとでも?」【当然。その証拠に吾輩からは一切、攻撃をしておらぬだろう?】 レイの言葉に頷き、ランシュを指差す男。 全員がランシュを見ると、確かに体力は減っているが、見た目はかすり傷1つ無い。 どうやら本当に、ただ攻撃を受けていただけの様であった。【全力でもって汝らをねじ伏せる。そうせよとの頼みなのでな】「頼み?一体誰の……」「見て!アイツの腕!」 男の言葉に疑問を感じたレイだったが、ルヴィの叫びで思考は中断される。 見ると、先程受けていたダメージ、腕のヒビがたちまち治ってしまっていて。 それを眺め、拳を開閉しながら男は言う。【これで仕切り直しよ。さて、汝らも準備が整うまで待ってやるぞ?】 それは特にランシュに対しての発言だろう。 無傷とはいえあのランシュが肩で息をするなど、かなりの消耗を強いられた筈だ。 3人も心配の視線を送るが、それに対し。 ランシュは深呼吸を1つ。 それだけで呼吸を整え、拳を構えた。 その顔には無表情ながら、余計なお世話と書かれている。 それに一同は笑って頷き、戦闘態勢へ移行

  • バケモノが愛したこの世界   開戦

    「ハアッ!」 刹那の内に間合いを詰め、レイが斬り込む。 雷速での移動。 全力では無いとは言え初見では、否、初見で無くとも普通の人間には反応すら出来ないであろう速度に。【は……】 レイの予想通り、男は何も出来ず立ち尽くすのみ。(でも反応された!なら油断せずここで殺すつもりで!) しかし、目線は確実にレイの剣を捉えている。 故に情報を聞き出す為、手加減をするという判断を瞬時に除外。 殺すつもりで、振り上げた剣を男の首に叩き込む。 寸分違わず、吸い込まれる様に首へと至ったその剣閃はしかし。「がっ!?」 金属の様な音を鳴らし、男の首で受け止められた。 予想もしていなかった衝撃が全身、特に手首を遅い、思わず剣を取り落としそうになるレイ。 既のところで、気力だけで剣を握り直し大きく飛び退く。「ぐっ!?何今の硬さ……」【……やいが、ふむ。だだ迅いだけで重さが足らん。その程度では吾輩に傷1つ付ける事すら出来んと知れ】 苦痛に顔を歪めるレイに、男がそんな言葉を投げ掛ける。 見れば、男の言う様に剣が当たった箇所には、かすり傷すら付いていなかった。「嘘でしょ!?あの一撃で斬れないどころか剣を弾くなんて!?」「っ!人間みたいな見た目してても、やっぱり『幻想神種』という訳ね?鉄の塊でも叩いたかの様な手応えだったわ」 レイへと駆け寄ったルヴィが叫び、自身に治癒魔法を施しながらレイが言う。 レイの言う通り、首に当たった時の感触、そして衝撃音は、完全に金属同士が衝突した時のソレだった。 しかも生半可な硬度では無い。 ただの鉄なら、今のレイには断ち切れるからだ。 しかし現実は、あまりの硬さにレイの骨が耐え切れず、ヒビが入ってしまっていて。 これでは、いくら攻撃したところでレイの剣が、何より本人がその衝撃に耐えら

  • バケモノが愛したこの世界   新たに邂逅する幻想

    【吾輩とした事が、失敗だったか。こんな事なら横着せず、あのままにしておけば良かったな】 レイ達の方を見て、男が独りごちる。 一行が洞窟の先で見付けたのは、見上げる程に高い天井と、巨大な門が聳える空間だった。 かなりの広さを有するその空間だが、天井付近にある謎の球体が輝き、部屋は明るさが保たれていた。 さながら小さな太陽の如きソレ以外と門以外は何も見当たらず、門とその前に佇む男が、余計に存在感を放っていた。「っ!」 しかし、その男の放つ存在感の理由は別に有ると即座に理解するレイ。 何故ならこれと似た感覚を、少し前にも味わっていたから。 それはランシュとフィオも同じらしく、2人もほぼ同じタイミングで戦闘態勢に移行する。「え!?こんな所に生存者が!?だ、大丈夫!?どこか怪我を……」 しかし、ルヴィだけはその正体を知らない。 故に男を心配し、駆け寄ろうとしたルヴィの腕を、レイは掴んで引き留めた。「レイ?」「ルヴィ……貴女は今の違和感に気付かなかった?奴の声、私達の脳内に直接響いたのよ?」 今、レイ達が居る空間はかなりの広さを誇っている。 にも関わらず、男が独り言の様に呟いた囁きは、明瞭にレイ達の耳に、否、脳内へと届いた。 そしてそれを行う存在と、つい最近相対したばかり。「え?それって気の所為じゃないの?それか何か魔法を使ったか……」 故にルヴィの問に、頭を横に振って否定するレイ。「今の話し方をしてくる奴を、私は過去に2体出会っているわ。そのどちらも『幻想神種』だった」「!?」 だからこそ剣を男に突きつけ、レイは高らかに吼えた。「貴方がここに住まう『幻想神種』、そしてこの異常気象を引

  • バケモノが愛したこの世界   隠された洞窟

     雪の中を進むという事で、レイとフィオで炎の壁を生み出して雪を溶かし、ルヴィが周りの雪を補強するという方針で決まった。 雪の中故に真っ暗である。 光源と更に暖も取れる事から、この方法が採用されたのだった。「確かに、これなら魔力消費もさっきまでとは比べ物にならない程抑えられるけれど……問題はどっちに進めば良いか、よね」 そう言って辺りを見渡すレイ。 先程の騒ぎと暗闇の所為で、完全に方向感覚が狂ってしまっていた。 幸いにも、ほとんど移動していないお陰で、大まかな進行方向は分かる。 だが、土地勘も無い状態でそんな博打に出ようとは思えなかった。「大丈夫よ。今まで私が置いてきた道標が有るもの。雪で流されたけど、逆に言えばその反対が山脈って事。雪の中だろうと、それさえ分かれば進むべき場所へは行けるわ」 しかし、そんなレイの不安をルヴィが払拭する。 目を瞑り神経を研ぎ澄ませ、微細な魔力を感知する。 そうする事で、ルヴィが作り出した氷の魔力を捉える事が出来た。「うん、やっぱり氷が同じ方向に流されてる。つまりその反対方向から雪が来たって事。流れから察するに、ちょうど私達の行き先から雪崩があったみたいね」 目を開け、行き先を指し示すルヴィに、レイの顔にも安堵の色が浮かぶ。 つい先程、雪の脅威を思い知ったばかりだ。 自分達だけでは、ここまで上手く対処出来なかったであろう事は、想像に難くない。「流石、雪に慣れてる人の安心感は違うわね。これからも頼りにさせてもらうわ」「お荷物が付いてきたと思われても嫌だもの。遠慮なく頼ってちょうだい」 そうしてルヴィの指示に従い、一同は歩みを再開するのであった。 雪の中、炎を頼りに歩き続けること暫し。 最早正確な時間さえ把握出来ないが、徐々に地面の傾斜が増している事から、順調に目的地へ近付いている様だった。「ふぅ……安全とはいえ、雪の中を進んでるからペースは普通より遅いわね。今日中に山頂へ行くのは厳しい

  • バケモノが愛したこの世界   知恵による解決法

    「伏せて!」 ルヴィの声に即座に反応し、全員が地に伏せる。 直後ルヴィは全員の頭上ギリギリを覆う様に、土魔法を展開。 更に3人へ指示を飛ばした。「全員!今使ってる魔法を解除して、私に力を貸して!」 突然の意味不明な指示に動きを止めそうになるが、そこは熟練の3人。 レイとフィオは魔法を解除し、ルヴィが張った土壁を補強する様に魔法を展開する。 その直後、轟音と共に土壁に凄まじい衝撃が走る。 地面は揺れ、3人がかりで補強しているにも関わらず、土壁から破片が零れた。「「「ぐううううううう!!!!」」」 時折更に凄まじい衝撃に襲われるも、歯を食いしばりながら耐える3人。 どれ程そうしていただろうか。 やがて衝撃は収まり、辺りから静寂が帰ってくる。「ハア……ハア……一体何が……」「レイ、土壁の補強はまだ続けて。フィオ、さんはさっきの障壁を展開、なるべく周囲の雪を溶かす様に出来る?」「え?う、うん。多分……」 一息ついて状況を確認しようとレイが口を開くが、それを遮ってルヴィが告げる。 フィオも困惑しつつ指示に従うが、それでようやく周囲の状況が理解出来たのだろう。「こ、これって……」 そう言って目を瞑り、更に集中しながら魔法を展開する。「ルヴィ、私にも分かる様に教えてくれる?一体何が起きたの?」 未だレイの周りは土壁に覆われており、周囲の状況を伺い知れない。 故にルヴィへ問い掛けたレイに、ルヴィは冷や汗を拭いながら答える。「今襲って来たのは雪崩よ。私達は

  • バケモノが愛したこの世界   襲い来る自然の猛威

     遂に完成した魔法を元に、極寒の雪山へ再度挑む事を決めた一行。  陣形を話し合った結果、先頭でレイが火の壁を生み出し、道を作る役。  次に感覚の鋭いランシュが索敵を受け持ち、その後ろにフィオが続き、殿はルヴィが務める形で落ち着いた。 各々が調子を確認し、フィオが魔法を展開。  そして遂に、再び境界の向こう側へと足を踏み入れた。「凄い……本当にさっきまでの寒さが嘘のよう……流石ねレイ!」 「ありがとう……でもまだ油断は出来ないわよ。何せ外は相変わらず吹雪いていて、視界も最悪なのだから」  改めてその効果を目の当たりに、素直に賞賛するルヴィ。  その言葉に少し照れつつも、気持ちを切り替えレイが周囲を見渡す。 目論み通り雪や冷気を完全に阻んでいるが、しかしその環境自体が改善された訳では無い。  障壁の外は今も尚凄まじく荒れ、大量に積もった雪が4人の道行を阻もうとする。 本来なら展開されている障壁で、積雪も溶かしながら進む事が出来る。  しかしその分消費魔力も増え、フィオの負担が大きくなってしまう。  何より視界も悪いのだ。  崖で道が当然途切れ、それに気付かず滑落する可能性も考えられる。  それ故に、事前に先の道を確認出来るようにするのは必須であると言えた。「っ!この障壁程じゃ無いにしても、この環境下での火魔法行使は、中々に骨が折れるわね」  そう考え、早速火の壁を前方に展開したレイだったが、その魔力消費に顔を歪める。  どうやらこの空間自体に、『神性』の影響が少なからず有る様だった。  積雪を消す為だけなのが幸いし、魔法障壁程の消費量は無いが、少なくとも通常の倍程の魔力が必要だと感じる。  今のレイの魔力量なら大した事は無いが、これが長時間続く上に、予想外の事が起きる可能性も高い。  あまり悠長にしていられる時間は無いと、改めて悟る。「私達への負担も大きいけれど、周りの住人が誤って入って来たり、何よりルヴィのお父様の安否も心配だわ。一刻も早くこの事態を収拾しましょう!」 「レイ……えぇ!皆、よろしくね!

Más capítulos
Explora y lee buenas novelas gratis
Acceso gratuito a una gran cantidad de buenas novelas en la app GoodNovel. Descarga los libros que te gusten y léelos donde y cuando quieras.
Lee libros gratis en la app
ESCANEA EL CÓDIGO PARA LEER EN LA APP
DMCA.com Protection Status