LOGINブランシュ
--- 午前一時。館は静寂の墓所。ダミアンは夜の会合のために街へ出ている。予定外の用事だ。ハーロウ夫人は自室で眠っている。警備員は外周を巡回している。数週間ぶりに、私は一人だ。本当に一人。そして私の記者としての精神、死んだと思っていた、猿轡をかまされ、消滅したと思っていた私のその部分が、突然目を覚ます。 眠れない。焦燥が私を蝕む。果実の中の虫。小サロンでの打ち明け話、イリスへの処断の冷徹さ、蜘蛛の姿が見えない巣の中心にいる感覚。ダミアンに対して感じる内臓的な忠誠は一つのこと。義務は別のこと。もし彼がここでしていることが、単なる聖域ではないとしたら? もし私が目をくらまされているとしたら? 裸足が絨毯の上で物音を立てない。彼の私的な書斎への道は知っている。ドアは閉まっているが、鍵はかかっていない。暗黙の信頼? それとも罠? 私は重厚なオークの扉を押す。書斎は薄闇に沈み、暖炉では残り火が赤々と光っている。革、ウィスキー、煙の匂い。背後でドアを閉める。心臓ブランシュが椅子から立ち上がった。 肩にかけていたブランケットを私にかけ、そばにひざまずく。 彼女の腕が私を包み込んだ。 ジャスミンの香りが私を包む。 そして、耳元で声がささやいた。 「あなたは勇敢です、レナ。ここへ来て、すべてを告白した。それは、私がこれまで見てきた中で最も勇気のいる行為です。あなたはこの家族の一員です。それは何があっても変わりません」 私は長いあいだ泣いた。 ペルシャ絨毯の上にひざまずき、私を許した主人と、私を慰めてくれる〈イニシエ〉の間で。 やがて顔を上げると、ダミアンが黒いUSBメモリを手に取り、奇妙な表情で見つめているのが見えた。 疲労と決意が入り混じった表情だった。 「このUSBメモリには、私の秘密がすべて入っている」 彼は考え込むように言った。 「すべての資料。すべての証拠。私は十五年前、妹の復讐のためにこれを作った。そして今夜、ようやく君たちに話そう。なぜ、これを作ったのか」 彼はブランシュに視線を向け、それから私を見た。 「二人とも座りなさい。真実を知る時が来た。すべての真実を」 ダミアン 真実はゆっくりと人を蝕む毒だ。 だが、同時に解毒剤でもある。 妹が死んだあの日から、私はそれを知っていた。 十五年間、私はその秘密を胸にしまい込んできた。開いた傷口にナイフを差し込み、何度もひねるように、頭の中で繰り返し考え続けてきた。 最も近しい部下たちにさえ、一度も打ち明けなかった。 けれど今夜、私の家族となった二人の女性を前にして、毒を薬へと変えなければならない。 私は窓際の
ダミアンは何も言わなかった。 その顔は大理石の仮面のようで、何も読み取れない。 ブランシュは青ざめ、ブランケットを強く握りしめていた。 「私は要求を受け入れました」 最後の言葉で、私の声は砕けた。 「書斎で鍵を盗みました。クロス様から書類を届けるよう言われた夜です。そして、複製しようとしました。けれど……」 私は震える息を吸い込んだ。 「できなかったんです。クロス様の秘密を複製することなど、できませんでした。あなたを裏切ることなど、できなかった。私に与えてくださったものを思えば、どうしてもできなかったんです」 私は顔を上げた。 「だからヴァンスには空のUSBメモリを渡しました。破損した複製品です。偽物です。あなたが彼に仕掛けた罠と、まったく同じように」 ダミアンの黒い瞳を見つめた瞬間、胸をナイフで刺されたような痛みが走った。 そこにあったのは、怒りではなかった。 失望でもなかった。 悲しみだった。 深く、古く、彼の魂の底から湧き上がるような悲しみ。 「最初から私に話すべきだったな、レナ」 彼は静かに言った。 「ヴァンスから最初の脅しを受けたときに」 「わかっています。本当にわかっています。でも、怖かったんです。追い出されるのが。信じてもらえないのが。そして……ここにある唯一の家族を失うのが怖かった」 涙が頬を伝った。
屋敷は静まり返っていた。 混乱に満ちた数週間のあととは思えないほど、静かだった。 襲撃の痕跡は消えていた。 絨毯は洗われ、木張りの壁は修復され、死体は埋葬された。 けれど、魂に刻まれた目に見えない傷は、まだ生々しいままだった。 ダミアンの居室の扉は、少しだけ開いていた。 私はそっとノックした。 すると、あの声が返ってきた。 療養中であっても、決して完全には失われなかった、低く力強い声。 「入れ」 彼はベッドの上で枕に背を預け、本を膝に開いていた。 ブランシュはその隣の肘掛け椅子に身を縮めて座っていた。裸足を折りたたみ、肩にはブランケットをかけている。 二人は、完璧な絵画のようだった。 親密で、穏やかで、静かな光景。 私はその平穏を壊そうとしている。 彼らの純粋さを汚そうとしている。 自分が怪物だと告白しようとしている。 「クロス様……」 声が震えた。 「ミス・スターリング。お話ししなければならないことがあります」 ダミアンは本を閉じ、私を見た。 黒い瞳が私の内側を探る。 最初の夜、地下の闘技場でブランシュを見つめたときと同じ眼差しだった。 人の心の奥底に隠された真実さえ読み取る、鋭く、容赦のない眼差し。 「ひどく動揺しているようだな、レナ。座りなさい」 私は座らなかった。 その場に立ったまま、両腕を下ろし、USBメモリを救命具のように握りしめていた。
すべてが始まったのは、六か月前だった。 ヴァンスが厨房に私を訪ねてきたのだ。 私は彼を嫌っていた。 彼を好きな人間など、誰もいなかった。 甘すぎる笑みと、冷たすぎる眼差しを持った蛇のような男。 けれど彼は、私について知っていた。 私が葬り去ったはずの過去を。 ダミアンでさえ知らなかったことを。 「君の弟だ、レナ。アントワーヌ。まだ生きているんだろう? それに、今も……そうだな、司法の問題を抱えている」 彼は、まるで親切な申し出でもするかのように続けた。 「私なら彼を助けられる。姿を消し、新しい身分と新しい人生を与えてやれる。だが、その代わりに一つだけ必要なものがある」 USBメモリ。 ダミアンの秘密。 〈眼〉が権力者たちについて集めた資料。 政治家、判事、実業家、有名人。 ヴァンスはそれらを使い、上流社会の人間たちを脅迫し、〈眼〉を支配し、ダミアンを倒そうとしていた。 そして私は、彼の要求を受け入れた。 USBメモリを複製したあと、三晩眠れなかった。 魂の底から自分を憎んだ。 そのあと、ブランシュが現れた。 灰色の瞳を持つジャーナリスト。 傷ついていながらも、決して屈しない女性。 どこかほかの人間とは違う、新たな〈イニシ
レナ 彼の持ち物を探るべきではなかった。 私はそう自分に言い聞かせながら、ベッドの端に腰を下ろしていた。 手のひらには、黒いUSBメモリが握られている。汗で湿った手の中に、冷たい感触があった。 数週間前、ダミアン・クロスの書斎で盗んだものだった。 〈サークル〉の会合中、彼に書類を届けるよう頼まれた夜のことだ。 私はそのUSBメモリを複製した。いや、複製しようとした。そして、彼に気づかれないうちに元の場所へ戻した。 そこには〈眼〉の秘密がすべて収められていた。 全資料。すべての記録。すべての証拠。 そして、ヴァンスが私の自由と引き換えに要求したもの。 私の自由。 まるで、そんなものが今も存在するかのように。 まるで、あの屋敷の門をくぐった日から、私は一度でも本当に自由だったかのように。 私は手の中のUSBメモリを見つめた。 もう電子機器には見えなかった。 それは、ピンが抜かれた手榴弾だった。 ダミアンを死に追いやりかねなかった武器だった。 そして、自分の裏切りを証明
黒い瞳には、今まで見たことのない光が宿っていた。「愛している、ブランシュ・スターリング。こんなふうに誰かを愛したことは、一度もなかった」「わかっています」私はもう一度答えた。「私も愛しています、ダミアン・クロス。私も同じです」私は肘をついて身体を起こし、彼の目を見つめた。唇に、いたずらっぽい笑みが浮かぶ。「でも、まだ終わっていません」彼は驚いたように眉を上げた。「そうなのか?」「ええ。医師が言ったのは、あなたが動かずにいることです。私まで動いてはいけないとは言っていません。それに、私は何週間もこの瞬間を待っていたんです」私は彼を見下ろした。「ですから、今度は私の番です、ダディ。今度は私が癒やされる番」彼が答える間もなく、私は彼の上に身体を移した。彼の腰を両腿で囲み、蝶が花の上を舞うように、その身体の上に身を浮かせる。彼の手が私の腰に置かれた。私を導くことも、支配することもなく、ただ私を感じるために。この瞬間を一緒に味わうために。「ゆっくりだ」彼がささやいた。「焦らなくていい」「時間なら、いくらでもあります」私は答え、ゆっくりと身体を下ろした。「私たちには、世界中の時間があるのですから」その夜の残りの時間は、長く、ゆっくりと、深い探求の時間となった。私は彼から教わったように、自分の喜びを受け入れた。恥じることなく。ためらうことなく。恐れることなく。そして彼は、私の下で横たわり、動きに制限がありながらも、確かな存在感を放っていた。地上に降り立った女神を見つめるように、私を見つめていた。私たちの身体は、欲望という古い言語で語り合った。痛み







