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2.一難去って

مؤلف: たかはし
last update تاريخ النشر: 2026-05-14 15:14:46

「あー疲れたぁ」

 神崎さんが俺に声を掛けた後、太一は当たり前として全く関わりの無い男子達まで俺に詰め寄ってきて質問攻めに遭い疲労困憊状態と化した。

「お疲れー」

 そんな俺を、太一はニヤニヤしながら労ってくる。

「絶対お前面白がってるだろ」

「そりゃあ当然」

 このやろー。そりゃ傍から見てれば、楽しいだろうな。出来れば、俺も見る側に回りたかったわ。

「でも本当あの鉄壁の神崎さんがよりによって悟に話しかけるなんてな。一体どういう繋がりなんだよ?」

「……ノーコメントで」

 別に言っても、問題ないような事だが、神崎さんの許可も無しに、言うわけにもいかないよな。それに俺が、形上助けたなんて、知れたらもっと面倒くさい事に、なること間違いない。

「まあ言いたくないならそれでも良いけどさ」

 こういう時太一は、深く追求してこないから助かる。昔から俺が言いたくないって言えば、無理に聞き出そうとはしてこなかったからな。

「でもなんとなく想像は付くけどな」

 そう言って、太一はにっこり満面の笑みを俺に向けてくる。

「何で嬉しそうなんだよ」

「いやあ、だって……悟の良いところを知ってくれる人が、増えたんだからさ」

「はあ?」

 俺の良いところ? 俺は対して、そんなに性格良くないぞ。というか自分で言うのもなんだが、かなり捻くれてる自信がある。

「太一……お前、俺の事を美化しすぎだ! 俺はお前が思ってるほど性格も良くないし、第一長年付き合ってるんだから分かるだろ。俺が面倒くさがりだって事」

 俺の反論の言葉に対して、太一は苦笑した上で肩を竦める。

「確かに悟は性格が捻くれてるし、面倒くさがりだって事も知ってるよ」

「だったら、何で俺の事を良い奴のように言うんだよ」

「だってそれは、表向きだって事を知ってるからさ。悟は、捻くれてるように見えても根は真面目だし、面倒くさいって思っても、目の前で困ってる人が居たらなんだかんだ言いながら、助けに行くじゃん」

「うっ」

 太一の的確な指摘に、俺は反論出来ずに唸る。まあ実際その通りで、神崎さんの事を助けたんだけどさ。

「今だったら、神崎さん話してくれるかな」

「それはない」

 俺は太一の言葉に、無碍もなく否定する。今までの神崎さんを見る限り、他人と接触は疎か会話すらしていないのだ。今回はたまたま、昨日の事が有ったから礼を言いに来ただけだろう。全く律儀な事だ。

 太一が、俺の事をジトッとした目で見つめてくる。

「なんだよ」

「悟って、本当昔からそうだけど、欲とか無いよな」

「なんだよ欲って」

「いや普通、神崎さんみたいな美人が話し掛けてくれたんだからさ、これを機に仲良く……あわよくば付き合おうって思うのが、健全な男子としては普通じゃね」

 俺は、太一の言葉を聞いて深く溜め息を吐く。

「そりゃ、健全な男子ならそうかもしれんが、俺を見てみろ。どっからどう見ても、非モテ陰キャの俺に美人の神崎さんと付き合おうとする度胸が、有ると思うか?」

 そう。神崎さんが、付き合うのなら太一みたいなイケメンとがお似合いに決まってる。

「悟、お前本当昔から妙なところ卑屈だよな」

 太一が、呆れた様子で言う。確かに、俺は自分に対して自信が無い。だからこそ高望みとかはしない。

「程々の人生で十分なんだよ。俺は……ほらそろそろ次の授業が、始まるぞ」

「やべ、もうこんな時間かっ」

 俺に促されて、太一は慌てて自分の席へと向かう。やれやれ……やっと一息つけるか。そう思って前に目を向けると、一番前の席にいる神崎さんが何故か、俺の方へと顔を向けていた。思わず俺は、神崎さんの事を凝視してしまう。

「……っ」

 神崎さんと目を合わせる事数秒、神崎さんは慌てたように顔を、前へ向ける。一体どう言うつもりで、神崎さんは俺の事を見てたんだろうか? まあ大した理由でもないか。俺はそう自己完結をして、窓から見える景色へと目を向けるのだった。

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