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第233話

作者: 北野 艾
ようやく智也の車が到着した。駐車場の出口が大混雑で、出るに出られなかったらしい。

合流すると、智也は「何か食べて帰ろうか」と誘ってくれた。

ちょうど夕食時だ。詩織のお腹も空いていた。

「何がいい?」と聞かれ、詩織は少し考え込んでから、ある店の場所を告げた。

そこは、なんてことのない古びたラーメン屋だ。

かなり久しぶりの訪問になる。

かつて『エイジア』がまだ駆け出しだった頃、柊也は向かいの雑居ビルの屋根裏部屋のようなオフィスを借りていた。

当時、詩織は彼の秘書であり、たった一人の雑用係でもあったから、この界隈のことは庭のように熟知している。

よくこの店へ、柊也の夜食を買いに走ったものだ。

残業明けに二人並んでカウンターに座り、湯気の立つラーメンを啜ったことも一度や二度ではない。

さっき智也に聞かれたとき、ふと記憶の底からこの場所が浮上し、無意識に足を向けてしまったのだ。

通りは昔のままで、何一つ変わっていない。

店の脇にある大きな桜の古木も、あの頃と同じように枝を広げ、街灯の光を浴びて静かに佇んでいる。

詩織のプロフィール画像は、この桜の下で撮ったものだ。

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コメント (1)
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awayfromhome-takako
マジか 詩織カッコ良すぎ 頑張れ!
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