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第144話

Auteur: 閑雲
扉が蹴り破られると、部屋の中は荒れ果てており、人の気配は全くなかった。

雅也は眉を深くひそめて部屋を出ると、隣の住人のドアをノックした。

中年の男が恐る恐るドアを少しだけ開け、警戒した眼差しを向けてきた。口は固く閉ざされたままだ。

「すみません、106号室の住人がどこへ行ったかご存知ありませんか?」蒼空が愛想よく微笑みかける。

彼に悪意がないと見て取ると、男は口を開いた。「30分ほど前、智琉がこそこそとバカでかいスーツケースを引いて出て行ったよ」

蒼空は丁寧にお礼を言い、ボディガードに心付けの紙幣を渡させると、きびすを返して再び106号室へと戻った。

室内では、雅也がボディガードたちに指示を出し、決定的な証拠が残されていないかくまなく捜索させていた。

蒼空は先ほどの隣人の証言を雅也に伝え、自らも捜索に加わる。

その時、雅也の鋭い視線が、部屋の隅にある古びた本棚に何かの写真が挟まっているのを捉えた。

歩み寄り、その写真を引き抜いた雅也は、一目見た瞬間、全身を震わせて嘔吐しそうになった。

異変に気づいた蒼空が駆け寄り、彼の手から写真を受け取る。

薄暗い光の中、そこに写
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