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第156話

Author: marimo
last update publish date: 2026-05-08 21:29:00

沙耶はその答えに、思わず息を呑んだ。

竜星の口から力なく零れ落ちた「俺にもわからないんだ」という言葉が、まるで重たい鉛のように胸の奥へ沈んでいく。

――わからない?

それは、これまで二十四年もの間、自分たちが櫻羅にしてきたことさえ、何一つ理解していないということなのだろうか。

沙耶はその場に立ち尽くしたまま、自分の両手をぼんやりと見つめた。

櫻羅が産まれてからずっと、竜星は「あの子は本当に俺の子か?」という疑念を口にし続けてきた。

そして、自分は……。

「玲司の子供ではないのか?」という竜星の疑惑を、自分の手で晴らそうともしなかった。

櫻羅を抱きしめることも、庇うことも、かわいがることもしなかった。

それなのに今になって、なぜこんな感情が胸の奥から湧き上がってくるのか。

沙耶自身にもわからなかった。

ただ、胸の奥がひどくざわつく。

まるで、今まで閉ざしていた何かが、少しずつ音を立てて崩れていくようだった。

――先日、玲司に責められたからだろうか。

沙耶の脳裏に、あの時の玲司の冷たい眼差しが鮮明に蘇る。

氷のように温度を感じさせない瞳。

そして、心臓を貫くように放たれたあの言葉。

「そ
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