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第284話

Author: みそ煮
last update publish date: 2026-08-09 13:19:36

瀬奈は正面に座る優里を気まずそうに見つめた。あまりにも久しぶりに会ったせいか、彼女が知り合いであることに瀬奈は全く気付かなかったのだ。

(私ったら、何てことを……穴があったら入りたいわ)

あまりの恥ずかしさに、顔が真っ赤になる。

「何だか、変な誤解をしてしまったようで……すみません」

「さっきも言ったけど気にしないでいいのよ」

申し訳なさそうに俯く瀬奈に、優里は優しく微笑んだ。彼女は昔から、とても優しい人だった。穏やかな性格で、誰かが困っているところを見ると放っておけない。瀬奈自身も、昔から幾度となく彼女に救われてきた。

彼女のハイスペックな夫も、きっとそのようなところに惚れたのだろう。

「ところで、ここで兄と何をしていたんですか?」

「特に理由はないの……ただ、ちょっとした世間話よ――お互いの家族のこととか」

「家族……」

泰西と同じように、優里にも夫がいて、子供がいる。お互いに既婚者で子持ちのため、理解できる部分も多いのだろう。だから今日、こうして二人きりで会っていたのかもしれない。

優里は瀬奈の横で興味のなさそうに顔を背ける泰西を見ながらフフッと笑った。

「――泰西ったら、よっ
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