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第879話

Penulis: リンフェイ
唯花は顔を上げて彼を見つめた。

しかし、理仁はくるりと背を向け、去っていった。

唯花は彼が何の迷いもなく去っていく後ろ姿を呆然と見つめ、胸に痛みが走った。

それが彼のための痛みなのか、それとも自分のためなのか、唯花はわからなかった。

外で話していた明凛と姫華は、理仁が暗い顔をしながら店を出てきたのを見た。彼は二人を一瞥することもなく、いつも乗っていたロールスロイスに向かっていった。

ボディーガード達は理仁に追い払われていたが、運転手だけが残っていた。理仁がまた車を使うのではないかと思っていたからだ。

理仁が出てきたのを見て、運転手は急いで車を降り、ドアを開けた。

二分も経たないうちに、理仁とそのロールスロイスは明凛と姫華の視野から消えていった。

二人は何が起こったのかわからない様子で互いに目を合わせた。。

すると、二人は急いで店に戻った。

しかし、レジの奥に唯花の姿はなく、ハンドメイドの道具だけが静かにそこに置いてあった。机の上には血が滴り、ハサミにも血がついていた。

唯花が怪我をしたのか。

「唯花」

「唯花」

二人は彼女の名前を呼びながら奥へ入った。

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