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第21話

Author: 大落
未央は玄関に立ち、振り向いて部屋に馴染みのある全てに視線を走らせ、心の中で一つ一つに別れを告げた。

そして。

彼女はまとめておいたスーツケースを引き、タクシーで郊外へ向かった。

周りを見渡す限り、建物など何もない荒れ果てた風景が広がり、彼女以外の姿はひとつもなかった。

その時、博人から電話がかかってきた。

「未央、着いたか」

「ええ、ちょうど今着いたところよ」

彼女の返事を聞き、博人は一瞬言葉を詰まらせた。

何か言おうとしたが、やはりすぐ改めて言った。「こっちでちょっと用事が出来たんだ。もう少し待っててくれ。用事が終わったら理玖とすぐにそっちに向かうから。とても大事な話があるんだ……」

「分かったわ」

未央は落ち着いた声で返事した。

二人が話しているところに、電話の向こうから幼い声が漏れてきた。

「雪乃さん、大丈夫だよ。僕とパパがいるから、悪い人は絶対来ないからね」

雪乃さん?

彼らは今雪乃のところにいるのか。

未央はまだ何も言っていないのに、向こうは慌てて電話を切った。

深夜零時まであと一時間。

未央は少し考えた。

やっぱりもう少し待とう。

彼女
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