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第5話

Author: 匿名
颯太の言葉に、私は一瞬呆気にとられた。

そして玄関へ目をやると、そこに立っている人に気づいた。

見慣れた顔だ。

幼馴染の黒木遥人(くろき はると)だ。

遥人は高校の時に留学してしまったが、その後も細々と連絡は取り合っていた。

ただ、後に颯太がそれを嫌がったため、連絡はほとんど取らなくなっていた。

ここ数日、確かに彼からよく連絡が来ていて、私も離婚の話をこぼしていた。

けれど、帰国するなんて一言も聞いていない。

遥人は颯太を一瞥もせず、真っ直ぐ家の中に入ってきて私の前に立つと、あの懐かしい笑顔を見せた。

笑うとできるえくぼが特徴的だ。

「驚いた?帰国のこと、内緒にしてたんだ」

そう言うと、彼はテーブルの上を見て眉をひそめた。

「結衣、ネギ駄目だろ?なんでこんなネギまみれなんだよ。

それにこのメニュー、君の口には合わないよね?」

不思議な感覚に襲われた。

遥人とは十年以上も会っていなかったのに、彼は私のネギアレルギーを覚えていて、好みまで把握している。

それなのに、十年間愛し合ったはずの颯太は、何もかも忘れているのだ。

颯太も気まずさを感じたのか、私の腰に
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