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28.出発

Author: 犬畜生
last update publish date: 2026-09-06 12:53:14

翌日はゆっくりした。

ちょっと気になることを資料室で少し調べたが基本的には部屋でのんびり過ごした。

何故かハルに膝枕をせがまれて、無事足が痺れ女子2人の玩具になりました。

最近ハルの距離が近い気がする…。

俺本当に勘違いしちゃうよ?

まぁきっと吊り橋効果なんだろうけどさー。

そして…

出発の日を迎えた。

「ではユウキ様、ハル様お気をつけくださいね?」

「ルーナさん色々ありがとう。世話になったよ」

「ルーナさんありがとー!」

「いえ召喚はこちらの世界の都合でお二人を巻き込んでしまっているのです。お礼を言うのはこちらの方ですよ」

あー。そう言えばそうだな。何だかんだ俺はハルと一緒にいれるから幸せだが。

「ユウキ殿。ちゃんとハルちゃんを守って上げるのだぞぅ」

「あぁ。わかっているよマリクさん」

「私もユウキを守るんだからね!」

「コイツら守ってやる必要無いぐらい強いだろ。普通に旅するだけなら何の危険があるんだ?」

そう言いながら神殿の中からゼノンが出てきた。

皆見送りに来てくれてるな。

「ゼノンにも世話になったな。ありがとう」

「よせよせ。何もしてねーよ。いや本当になにもな。それでも世話になったって言うなら…。そうだな…俺ももっと強くなるからどこかで手合わせといこうぜ」

「いやー。別に俺は最強とか目指してないからなぁ」

まぁ男だし強くなりたいって気持ちが無いわけじゃない。けど俺はハルを守れればそれで…。

「えー。ユウキもっと強くなろうよー。サイキョーになっちゃおうよー」

「ゼノン。次会う時はコテンパンにしてやるからな」

「お前は…本当にわかりやすいと言うかなんと言うか」

だってハルが望んでるからな。今まで聞いた事なかったけど強い男好きなのかなぁ。

それならもっと強くならなきゃな。

「さて。話は終わらないが、そろそろ行かないとな。タリスに着く前に日が暮れるのは勘弁だ。いきなり野宿とかしたくないよ」

「野宿…キャンプでしょ?キャンプも悪くないけどなぁ」

能天気お姫様がまた何か言ってる。

この辺りの魔物には確かに苦戦しなかったけど、

だからと言って魔物がウロウロしてる所で野宿何ぞしたくはないよ…。

「ではお二人ともお元気で!何かあればいつでもお立ち寄りください」

「あぁ近くに来たら必ず立ち寄るよ。またな!」

「バイバーイ!」

こうしてハルとの二人旅が始まった。

〜〜〜

それから数時間ほど進んだ頃…

「ふー。そろそろ中間地点か。ハル疲れてないか?」

貰った地図で現在地を確認しながらハルに聞く。

「大丈夫だよー。ユウキこそ大丈夫?全部の魔物ユウキが戦ってるじゃん」

そう。ここまでの戦闘は俺が一人で戦ってきた。

ハルも戦えるのはわかっているし、本人も戦うと言ってはいたのだが…。

ゼノンとの話もあり、強くなりたいから、などと言ってハルを丸め込んだ。

「大丈夫だ。それに二人で決めただろ?魔物が飛んでいなくて3体以下の場合は俺が戦う。それ以上多い場合と飛んでいる魔物の場合はハルに手伝ってもらうって」

俺も魔法は使えるがあまり命中率も良くないため飛んでいる敵がちょっと手こずる。まぁ手こずるって言ってもそこまでではないが。

後は複数相手にするならハルのファイヤーアローが何より早い。

とは言えやはり俺はハルに傷ついて欲しくないので、先程のルールを上手く誘導して決めた。

昨日調べた限りタリスまでの道のりに飛んでる魔物はほとんどいなくて、複数の群れもあまり見ないってことはわかってたからな。

「むー。ルールの変更を申請します!」

「却下します」

「えーユウキばかりで申し訳ないよぉ」

「良いんだよ。これも…俺の修行だ。ゼノンに次会う時はコテンパンにしなきゃいけないからな」

「うー。ユウキが戦ってる姿は格好いいと思うから見てたいけどぉ…」

「カッコ…イイ…?」

「うん!格好いいよ!」

満面の笑みでハルが言う。

ヤバい超嬉しい。でもぬか喜びは良くないな。

「じゃ、じゃあなおいいじゃないか。そのまま見ててくれよ」

…めっちゃ吃った…動揺を隠せない俺…情けない…。

「むー。なんか反応が薄いよ」

あれ?なんか機嫌悪いか??

「ハルー?おーいハルー?」

〜〜ハルサイド〜〜

ユウキ……私の一番好きな人。

ユウキは「そんなことない」って言うけど、私は知ってる。

ユウキはすっごく頼りになるし、すっごく格好いいんだよ。

異世界に突然連れてこられたとき、正直めちゃくちゃ怖かった。

でもユウキが隣にいて、ほとんど動じてない顔をしてたから……なんだか安心した。

「さすが大人だな」って、心の中で何度も思った。

だから私も普段通りいられたんだと…思う。

あの黒いモヤモヤでユウキが暴走しかけたとき、ルーナさんが封印するって言った瞬間…

胸が張り裂けそうだった。

絶対に嫌。絶対にさせない。絶対にダメ。

私が何とかしなきゃ助けなきゃって、心の底から思った。

……どうやったか覚えてないけど、結果、何とかできた。

私の役割「世界を破滅から救う者」ってやつの力なのかな。よくわからないけど。

それから準備をして、今は二人きりの旅が始まった。

正直、こんなに幸せでいいのかなって思うくらい。

旅なんてもちろんしたことないし、しかも異世界だよ。不安なこともいっぱいあるのに、ユウキが一緒ならなんだか全部大丈夫に思える。

2人きりの旅……これ以上のデート、ないよね?

でもちょっとだけムカつく事もあるんだ。

ユウキは危ないことは全部一人でやろうとする。

「俺が守るから」「俺の修行だから」って。

心配してくれるのはすごく嬉しいんだけど……私、もう子供じゃないのに。

20歳なんだよ。

ユウキから見たら、まだ子供に見えてるのかな……。

こんなに好きだって気持ち、ちゃんと伝わってるのかな。

自分なりに頑張ってアピールしてるつもりなんだけど、ユウキの反応はいつも微妙で……うー。

どうしたら、ユウキに「女の子」として見てもらえるんだろう。

ユウキはどんな子が好きなんだろう……。

このままずっと二人でいられたら、どんなにいいだろう。

世界を救ったら、この旅も終わっちゃうよね。

2人だけの旅……。

元の世界に戻ったら……その頃には、もっと関係が進んでるといいな。きっと一緒に戻れるよね。

今はとにかく、一緒にいる時間を大事にしたい。

もっと私にも頼ってほしい。

ユウキの隣で、ちゃんと並んで歩けるようになりたい。

ユウキ……大好きだよ。

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