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第80話

Author: 星柚子
正修は今度こそ、本当に呆れて笑ってしまった。

「大丈夫。政野の展覧会は人手には困ってない」

奈穂は小声でつぶやいた。

「ならどうして私にそんなことを……」

「水戸さん、何か言ったか?」

「いえ、何も」奈穂は作り笑いを浮かべた。

「水戸さんの作り笑いも美しいが、俺は本当の笑顔の方が好きだな」

奈穂の口角は下がった。

本当の笑顔だの作り笑いだの、意味わからない。もう笑み見せないから。

車が家の前で止まり、奈穂は正修に別れを告げた。

「送ってくださってありがとうございます。では」

言い終え、彼女がドアを開けて降りようとした時、正修が「待て」と言うのが聞こえた。

「はい?」

「俺に食事をご馳走してくれる件、忘れるなよ」正修は真剣に念を押した。

奈穂が忘れるはずはないが、正修の真剣な態度に、ただただ驚くばかりだった。

「ご安心ください、決して忘れませんから」

そう言って、奈穂はドアを開けて車を降りた。

以前と同じように、正修の車はすぐに発進しなかった。彼は、彼女が家の扉に入るまでずっと見つめていた。

そして、奈穂は家の中に入ってから、ようやく気づいた。道中、自
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