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第7報:玄関でのディープキス

last update Last Updated: 2025-08-05 20:00:07

麻布十番駅。会社帰り、家に帰るのとは反対側に向かう電車に乗る。マユラと10年ぶりにセックスしてから、まだ一週間ほどしか経っていない。

もう俺たち会わないほうがいい。そんなこと言ったのは誰だったろう。無論、忘れたわけじゃない。けれど白金高輪を降り、まっすぐマユラの家に向かう。

また雨が降っている。降らない日もあるだろうに、嫌なことがある日はいつも雨だ。あるいは、降るから気の滅入るようなことが起こるのかも……まぁ、そんなわけないか。

マユラの家の電気は点いている。インターホンを押すと、返事が返るより先に扉が開いた。

「お帰り、私のダルメシアンちゃん」

俺を迎えるマユラの格好は、スポーツブラにショートパンツ。髪は後ろでしばってポニーテイルにし、肩にはタオルを巻いている。室内トレーニングの最中だったようだ。

「なんだよ、ダルメシアンって……」

「うふふっ。だってテツヤ、子犬みたいなんだもん。今日もまたびっしょりぬれちゃって。温めてあげる。さ、早く上がって」

見た目も手伝いスポーツジムのトレーナーのような笑顔を浮かべながら、俺の手をにぎって家に招き入れる。玄関の扉が閉まるよりやや早く、俺はたまらずその唇を奪った。

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