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第7話

Autor: 沢井歓
半年後。

南の海沿いの町の雨季は、いつも長く、まとわりつくように湿っている。

傘をさしてスーパーから出てきた私の手には、新鮮な野菜と、カットスイカの入った袋が提げられていた。

あの世界から離れてから、私の暮らしは規則正しく、そして簡素になった。

終わりのない残業もなく、顔色をうかがうべき婚約者もなく、私を押し潰す『全体』とやらに振り回されることもない。

自宅の下まで来て、傘をたたむ。

階段の照明がセンサーで灯った。

薄暗い光の中、背の高い男の影が壁にもたれている。

服は雨で大半が濡れ、髪が乱れたまま額にべったりと張りついていた。

足元には、高級そうな保温ボックスが置かれている。

啓司だった。

私は足を止め、彼を見た。心は凪いだままだった。

部屋を間違えた見知らぬ他人を眺めているのと同じだった。

足音に気づき、彼がはっと顔を上げる。

かつては常に余裕と優越を湛えていたその目は、今はひどく血走り、底に深い疲れだけを溜め込んでいた。

「初音……っ」

1歩踏み出し、私が手にした袋を受け取ろうとして、けれど私の静かな目に気づくと、彼は無理やり足を止めた。

「ずっ
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