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第6話

Penulis: 沢井歓
啓司は、すっかり人のいなくなった宴会場の中央に立ち、スマホから流れる通話終了の電子音を聞いていた。

画面を睨みつける彼の胸は、激しく上下していた。

「啓司さん……っ」

亜佐子がおそるおそる近づき、彼の袖に手を伸ばそうとする。

「初音さん、本当に怒っちゃったのかな?私が説明しに行こうか?全部私が悪いの。私があんなこと……」

「消えろ」

振り向きもせず、啓司は低い声で言った。

亜佐子はぴたりと固まり、みるみる目を赤くした。

「啓司さん、そんな言い方……」

啓司が勢いよく振り返る。その目は氷のように冷たかった。

「消えろと言ったんだ。分からないのか」

その目に心底怯えた亜佐子は少しあとずさり、顔を覆って宴会場を駆け出していった。

啓司は彼女に構いもしなかった。

大股でホテルを出ると、車の鍵を秘書に投げ渡す。

黒塗りのマイバッハが夜の市街地を疾走していく。

後部座席にもたれ、啓司はネクタイを乱暴に外した。

それでも啓司は、初音が本当に去ったとは信じていなかった。

3年間、初音は彼の生活における空気のようなものだった。どこにでもあって、あって当たり前のもの。

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