LOGIN騒動の後は衛兵に事情を説明して後始末をお願いした。街に巣食う組織の仕業のようで衛兵には感謝された。
これで、その組織はこの街に居られなくなるだろうとのこと。
「私の食料の補充は終わりましたし、もう街を出た方がいいでしょうか?」
ミリアと俺に意見を求めてきたダンテさん。
俺はコクリと頷く。
早く出た方がいいだろう。 組織がアイツらだけだとは考えにくい。「それじゃあ、もう馬車に荷物を詰めて行こー!」
そうだな。行こう。
リンスさんは大丈夫かな?「リンスさんは大丈夫?」
「大丈夫ですわ。本当はベッドで寝たいところではありますけれど、こうなってしまっては仕方がありませんわ」
ミリアに聞いてもらうとリンスさんはため息を吐きながらそう諦めたように言った。
侍女のベリーさんに付き添われて馬車へと向かう。
街を出た所で皆で乗り込むと走り出した。「はぁぁ。とりあえず、良かったわよ
ゴッツさんはその情報を俺に教えた後に、冒険者カードとミリアの髪を一本抜いて渡してきた。「これをお守りに持っておけ」『……はい。これを持って、俺は絶対ミリアを生き返らせます!』「あぁ。なにか手伝えることがあったら言ってくれ。俺が契約してあげたい所だが、ミリアに聞いたところ、ナイルの場合は専属契約なようだ。クーガを見捨てる気は無い。すまないが……」『いいんです。貴重な情報をありがとうございます』「ナイル、しっかりな」 ゴッツさんは肩を叩くと去っていった。「マスター、モドルトイイナ」 クーガさんも肩を叩くとゴッツさんの後を追って行く。 ミリアを布で包むと持ち上げて街から少し離れたところに埋めた。そして、俺の手に残った剣のグリップを刺す。『ミリア、守れなくてごめんな。俺、必ず生き返らせるからな。またあったら……俺と契約してくれよ?』 俺の言葉は虚しく宙に消えていく。 日が落ちかけてきた頃。 噂を聞いたのだろう。 リンスさんとダンテさんがトボトボと歩いていらるのが見えた。『ここにミリアは眠っています』「ナイルさん、話せましたの!?」『実は、今日念話をミリアがとってくれていたんです』「それはなんですの!? 自分の死ぬのを予見していたとでも言いますの!? ミリア! どうなんですの!?」 その声も闇に消えていく。「グスッ……なんでなんですの……グスッ…………せっかく仲良くなりましたのに……グスッ」 ミンスさんは墓の前に膝をつき空を見げながら涙を流していた。「ナイル様。お辛いことでしょう。これからはどうされるんですか? 念話も取得した事ですし、宜しければウチで護衛でもして余生を過ごされては……?」 ダンテさんは俺を気遣ってそう提案してくれた。『お気遣いありがとうございます。けど、俺は旅に出ます。レベルを100まであげればミリアを復活させる事が出来るかもしれないんです! 俺は、その情報に望みを掛けてみよう
『マスターの消失を確認しました。固有名、ナイルのテイム状態は解消されました』 世界の声がミリアが死んだことを明確に物語っていた。 もしかして、こうなる事が分かっていたから俺に念話スキルをとったのか? そんな訳ないか。 そこまで考えていたとは思えない。「残念だけど、君のマスターは居なくなった。ということは、ただのモンスターになったわけだ。討伐されないうちに逃げた方がいい」『ミリアを刺した人に心当たりはないか? 目に傷のある男が居なかったか!?』「誰か、この子に近づく人か、目に傷のある男を見なかったか?」 怪我を見てくれていた男が周りの人に聞いてくれている。「あっ! そういえば、この人なんでここをウロウロしてるのかなぁっていうひとは居た気がする? 目に傷があったかも!」『そいつはどこに行った!?』「んー。前線に行ったと思うよ?」 そうか。また逃げたんだな。そうかよ。『蘇生の魔法は!?』「聞いた事ないね」 ダメ元で聞いてみたが、ダメだった。 そりゃそうだ。あればみんな使ってるわ。 はははっ。ダメだ。涙もでねぇ。 骨だもんな。 くっ……。 アイツ死んでなかったのか。 ちゃんと調べなかったのが悪かった。 モンスターさえいなければ。 来なけりゃこんな事にはならなかったんだ。 もういい。 俺の邪魔をしたアイツらは皆殺しだ。 俺はミリアをその場に置き去りにし、モンスターの方に駆ける。 ストロング流剣術 剛剣術 「カタタ(紫電《しでん》)」 距離を一瞬で詰め、目の前にいたオークを複数斬り裂いた。 ストロング流剣術 剛剣術 「カタカタ(光芒《こうぼう》)」 目の前にいた多くの敵を突きで串刺しにする。 周りにいる敵を次々と斬り裂いて戦闘不能にしていく。 本当はこれを使うと剣も
前線に構えている冒険者は今か今かと出撃の合図を待っていた。 そこで、俺はローブをスッポリと着ることにしたのだ。モンスターかどうかってのは混ざると判断が鈍る。 俺は味方同士でやり合わないようにローブを着た。あっちのモンスターでローブを着ているやつなんて居ないだろうからな。 そんな中先頭の真ん中にアーサーさんがやって来た。「俺の王都を守るぞぉぉぉぉぉ!」「「「「「おぉーー!」」」」」「出撃ぃぃぃぃぃ!」「行くぞぉぉぉ!」 「モンスターどもぉぉぉ!」 「くたばれやぁぁぁ!」 俺も周りの冒険者の波に乗って出撃する。 開いた門の先には沢山のモンスターでごった返していた。 ゴブリンロードの従えているゴブリンキングとゴブリン達、オークロードの従えているオークキングとオーク達、オーガロードの従えているオーガキングとオーガ達 等のE級からB級。 目の前にいるのは繁殖力の高い数で押してくるモンスターが多い。その後ろにはグリフォンやバジリスク、サイクロプスなどのA級。 数は千は居るだろうな。 対して、俺達は百程の戦力。 数的には不利だろう。 これは一体一殺よりは、一気に蹴散らした方がいいな。 ストロング流剣術 抜剣術 「カタカタ(皇《すめらぎ》)」 大きく横に剣をなぎ払い前にいたゴブリンとオークを一刀両断する。 亡骸を踏み倒して奥に進む。 こんなに後ろの人から離れてしまうと【四面楚歌】は発動されないんだな。 ストロング流剣術 剛剣術 「カッカ(六花《りっか》)」 六の剣で近くにいたオークとオークキングを諸共斬り裂く。そのままの勢いで次々と切り倒していく。 ストロング流剣術 柔剣術 「カタタ(静寂《しじま》)」 切り裂いてできたスペースで攻撃を待ち構える。こんな場所で無防備にしていれば襲ってくるのが道理。 襲いかかってきたモンスターを次々に切り倒す。俺の半
王都中に響き渡っている鐘の音。 この音が意味するのは。「こりゃあ、緊急事態の鐘だ! 王都が攻められているってぇことだ!」「ミリア様、ナイル様も避難を! 私は屋敷に戻ります!」 ガジルさんは慌ただしく工房の中に入る。 ダンテさんは屋敷へと駆けていった。 ミリア、どうする?「決まってるよ! 王都を守ろう!」 俺達は王都の外を目指す。 どこから攻められているのかもわからない。 こういう時は……。 ミリア! ギルドだ! そこで状況を確認しよう!「うん! わかった!」 ギルドに方向転換する。 他にも冒険者が集まっている。 王都だから冒険者の数はかなり居るだろう。こういう時の為にS級もいるはずだ。 ギルドは冒険者でごった返していて、ギルドマスターが説明する為に表にでて来ていた。「冒険者諸君! 集まってくれて有難う! 現在、モンスターに王都が襲われている! 緊急依頼を発出することとなった! そして、ここからはS級クランの白剣《びゃっけん》のリーダー、アーサーが指揮を執る!」「おぉ。あの白剣か」「ここらじゃ、一番だよな」「アーサーさんは相当やるらしいな」 口々に白剣についての話をしている。 俺達は来たばかりで何も知らないから指示に従うしかないな。「ここからは僕が指揮を取らせてもらう! まず、ランクがC以下の冒険者は避難誘導に当たってくれ! Bより上の者で外のモンスター討伐だ!」「「「おう!」」」 ミリアはひなんゆう────「行くよ! ナイル!」 俺よりも先に街の外へと駆ける。「おいおい? あんた、Bランク以上なのか? 冗談だろう?」 近くの冒険者に止められ、そう問われて冒険者カードを見せる。そこには、先程更新した為、Bと記載がある。「私はテイマーです! あそこにいるナイルが主に戦います!」「
昼食を食べた後にダンテさんを引き連れて竜の鱗とワイバーンの皮を背負い、ギルドに来ていた。「すみません。アーノルド家のものですが、依頼の件でお話があってきました」 そう言って何やら紋章のような物を見せている。「あっ! はい! 護衛依頼の件ですか?」「はい。実は依頼して護衛にあたって頂いた冒険者の方たちなんですが、道中ワイバーンに襲われまして……」「えぇっ!? たしか、護衛にいったのはBランク冒険者でしたよね?」「えぇ。食われてしまいまして、その後逃げた先でこの方達に助けて頂いて、ここまで護衛してもらったんです。だから、報酬を支払いたいのです」 ダンテさんのその言葉に目を見開いてこちらを見た。 こんな可愛い子とスケルトンに何が出来るのかを疑問に思っているんだろうなぁ。「失礼ですが、冒険者ですか?」「はい! これがカードです!」「お預かりします」 装置にカードをセットし、ウインドウを表示する。討伐記録を見ているようだ。「えっ!? 元々、Cランク!? それなのにワイバーンを?」 独り言がデカいなぁ。 あんまり周りにランク低いってバレたくないんだけどなぁ。「本当だ。ワイバーンを討伐してる。あれ? 他にBランクも多数討伐してる……」 冒険者ランクの部分が変化した。 討伐記録を読み込んだことでアップデートされたんだろう。「今Bランクになったの!? どういうこと? そんな! スケルトンなのに!?」「あのー? ちょっと声が大きいような……」 ナイス! ミリア!「はっ! す、すみません! ただいま、討伐の確認が取れましたので、報酬をお渡し致します! 」 画面みたりこっち向いたりと忙しなく顔を動かしている。そして、後ろにいた人に指示を出す。少しすると報酬を持ってきた。「はい! これが報酬になります! そして、冒険者ランクがBランクとなりました! もう少しでAランクになれると思います! 頑張ってください!」
「すみません。お断りします」 ミリアは即答で断った。「そう……ですか。いい話だと思うんですが、何故でしょう?」「私達の目的はナイルの肉体を得ることです。その為に進化を目的とした旅に出ます。ですので、その話はお受けできません」 マルスさんはミリアの態度に少し眉を上げて質問してきた。威圧的ではないが、何故なのだ?という疑問を強く抱いているのは感じた。 それに対して、ミリアは俺達の目的を明らかにして、理由を明確に伝えた。 伝えたのだが……。「それなら、進化した後でならアーノルド家の護衛になってくれるかい? その時はさらに強くなっているということだろう?」 たしかに言っていることに間違いはない。しかも、かなりいい話だ。「そうですね。その後でなら護衛をしながら過ごすのも悪くないかもしれません。あの、さっきあった甘いお菓子たべれますかぁ!?」「あぁ。リンスが好きだからいつも置いてあるんだ。いつでも食べれるよ?」「わぁぁぁ! やったぁ! 早く進化させてこようね!?」 あぁ。そうだな。 さっきまでのシリアスな雰囲気はどこかに吹っ飛んだ。ミリアはキラキラした目で俺を見ている。 旅は俺の目的の為に行くようなもんだ。だから、その後は好きに過ごせばいいだろう。ここに居れば金には困らない。 今回みたいな旅に同行する護衛となるのだろう。それなら、普段は危険なことは無いし。そうだよな。ミリアはここで留守番をしていればいい。 それは凄く名案に思えた。 すると、ジィっとミリアがこちらを見つめていた。「ねぇ、私を置いて行くのは名案ではないよ? 誰がスキル取ってあげてるんだっけ? 私だけ仲間外れにする気?」 しかしだな。危険なことはなるべく避けた方が……。「ダメ! 一緒に行くの!」 ……わかったよ。 はぁぁ。念話で繋がってるとこれだからなぁ。 また不機嫌そうな顔で俺を見ている。「わざわざリンス達を護衛する為に来てくれた







