Tous les chapitres de : Chapitre 1 - Chapitre 8

8

1.まさかの転生

 はぁ? どういう事これ? 俺は骨の手を見つめながら絶望するのであった。 この状況を説明するには少し時を遡る必要がある。 前世で俺は剣聖と呼ばれていた。 死に物狂いで努力したからだ。 前のような惨めな思いをしたくないから。 剣聖と呼ばれる前は日本という国でサラリーマンをしていて過労死したんだ。 孤独死。 惨めだった。 青春時代には剣道をしていた。 だから、転生した時、剣なら頑張れる。 そう思った。 そして剣聖になり、皆から尊敬されるような人間になれた。 しかし、剣にばかり打ち込んでいた俺はまたも独り身で孤独死してしまったんだ。 なんだか煮え切らない思いだった。 その想いがまた神に届いたのか、俺は転生できた。 出来たんだけど、骨。 体を見ても骨、骨、骨。 全身骨だった。 胸のところに青い炎のようなものがあって、ここが急所なんだろうなとわかる。 周りを見ると薄暗い洞窟のような所。 所々の天井から滴が地面に落ちて水溜まりを形成している。 その水溜まりに顔を写すと。 頭も骸骨だった。 んー。これってスケルトンかな? 前世にも魔物がいて、恐らくそうだと思うんだけど。 生まれたばかりなんだろうか。 何も持ってはいない。 前世のスケルトンっていえば、剣を持ったり盾を持ったりしてたと思うんだけどなぁ。「──────ってんだよ!」 ん? 曲がった先からなにか聞こえるな。「テイマーなんか囮になって俺達の役に立てってんだよ!」 テイマー? どういう事だ? 顔を出してみる。 不思議だよな。 この体。 目なんてないのに見えるんだよな。 蹴られた女の子がゴブリンの群れの前に放り出される。 ゴブリン如きの群れを倒すほどの実力もなく。 仲間を置き去りにしたのか。 最低だな。 反吐が出る。 女の子を置き去りにしてそのまま去っていく人影が見える。 俺は女の子の前に出た。 女の子を見捨てるなんて俺にはできない。 この体は軽い。 関節もあるんだかないんだか。 可動域はかなりのものだと思う。 得物さえあればいけるんだが。「えっ!? スケルトン!?」 振り返ると驚愕の表情をしている女の子。 腰には剣を差している。「カタカタタタ(その剣貸して?)」 声帯がないため、歯と歯が噛み合う音が鳴るだけ。 
last updateDernière mise à jour : 2026-08-05
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2.成敗

「挨拶したところで、モンスターが寄ってきちゃったんだけど……」 俺の後ろに隠れるミリア。  テイムされたしな。  守るさ。「カタカタタ! ガタタダ!(かかって来い! ザコども!)」 そこに突っ込んできたのはまたしてもゴブリン。  スケルトンもいる。 ゴブリンの首を刈り、胸を突き。  スケルトンなんざ、容易い。  そう思い、青い炎の胸を突く。 ガラガラと骨が崩れていく。  骨を拾い、骨を投擲して他のスケルトンの胸の炎を破壊する。  ドンドン崩れていくスケルトン。 後ろからはスライムもやって来た。  スライム?「スライムは核を攻撃するの!」 ナイス! ミリア。 核を突いて突いて突きまくる。  すると、身体が光った。「あっ! レベルアップした! 後でスキルポイントで獲るスキル選ぼうね!」 スキルが獲れるのか。  いいな。あとで獲れるスキル見せてもらおう。 倒したはいいけど、出口が分からないな。「あっ、私わかると思う! 来た道覚えてる!」 おお。  なら話が早いな。  俺が前を行くから後ろから案内頼むわ。「うん! こっちだよ!」 一緒に出口へ向けて歩いていく。 なぁ、なんでこの場所に来たんだ?「あぁ。それはね、さっきの人たちの荷物持ちで来たんだ。それぐらいしか私に出来る仕事がなくて」 なるほど。けど、持つって言っても……。「そうなの。力がある訳じゃないしね。私が持てる荷物なんて少しなの」 だよな。  じゃあ、これからは冒険者として活躍できるな?「うん! ナイルのおかげ!」 さっきEランクって言ってたけど、ランクってどうやって上がるんだ?「それはねぇ、倒したモンスターの数と強さで評価されるんだ。後は、依頼の達成率かな」 それなら、今後は一緒に依頼を受ければ大丈夫だな。「そうだね! 頼りにしてる!」 モンスターの討伐はどうやって?「この冒険者カードに記録されるの」 はぁ。なるほど。  前は討伐部位を持っていかないと行けなかったが、楽なもんだな。「前って?」 あぁ。前世のことだ。  俺、実は前世が剣聖だったんだ。「へぇ! だから強いんだ!」 まぁ、そうだな。  力を出し切れてないけどな。「あれで? どうしたら力を出し切れるの?」 まずは剣の強度がないとダメだな。  あとは、俺
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3.スキル取得

「ミリアさん、生きていて良かった。無事で何よりです」 ギルド職員がそう言って出てきてくれた。「ギルドの中で戦ってしまってすみません! 私がナイルにお願いしました」「ナイル?」「この子です」 俺の手に腕を絡めてくる。  それの仕草は恋人の腕に絡めるような仕草だった。 こんな事されて、顔があったら赤くなっているんだろうなと思っていた。「ナイル? 顔が赤いよ?」 はぁ?  顔ないでしょ?「骨が赤くなってるよ?」 そんな事ある?「ふふふっ。随分可愛らしいテイムモンスターね? ミリアの事が好きなのかしら?」 ギルド職員にそう聞かれるが、そっぽを向いて知らん顔をしてみる。「あらあら。モンスターでこんな人間らしい反応が見られるとは思わなかったわ」 そりゃ、前世の記憶があるモンスターなんて居ないだろうよ。  バレたら変な研究に使われそうだな。  ミリア、バレないように頼むぞ。「そ、そうですよね。なんか不思議な子なんですよぉ?」「見た目は不気味だけど、いい子なのね。じゃあ、テイムモンスターの証を付けてもらっていいかしら?」「はい! 何つけるんでしたっけ?」 ミリアが聞くとギルド職員が奥から持ってきてくれた。   「バングルか、ネックレスなんだけど、どっちがいいかしら?」「わぁ! ネックレス可愛いね?」 ミリア、戦ってる時に邪魔になるからバングルにしてくれ。「むー。そっか。そこまで考えなかったな。ごめんね。じゃあ、バングルで」 ミリアがそう言うと、ギルド職員が怪訝な顔をする。「えっ? そのスケルトンの言葉、わかるの?」「えっ? 普通、テイムしたら分かるものじゃないんですか?」「分かるんだけど、普通魔物の言葉分からないでしょ? 大体は気持ちが伝わってきて、何となく分かるくらいらしいわよ? 全部理解できるの?」 そうなのか?  全部理解できるのは異常だって言うことか。  それだと話したらまずいか?「全部理解できます! 私、ナイルと普通に会話できるんです! 私達が特殊だとしたら嬉しい!」 本当に嬉しそうにそう言うミリア。  そんな顔で言われたら自分の身を守ってる俺が馬鹿みたいじゃないか。  そうだな。 俺達が特殊なのか。  俺が特殊なだけなのか。  まぁ、関係ないか。 俺はミリアの為に剣を振るう。  それ
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4.身体強化

「ご飯食べに行こっか?」 コクリと頷くとミリアの後を追う。  下に降りていくと食堂へと向かう。「ナイルは食べる?」 フルフルと横に頭を振る。「そっか。おばちゃん、定食一つね」「あいよ。その子はいいのかい?」「うん。食べれないみたい」「ハッハッハッ! そりゃそうだね。骨が食べ物食べれたら不思議だものねぇ」「カタカタカタ」 俺も歯を鳴らして笑ってしまった。  食べてる横に控えていよう。  お姫様を守る騎士の如く。 食堂に行くと他のお客さんもいた。  少し目は気になるが、運ばれてきた定食をミリアが食べ始める。  少し経った頃だった。「はぁ。なんでモンスターと飯食わなきゃ何ねぇんだよぉ?」 二つ隣の男が急に大声で文句をつけてきた。「すみません! 私のテイムモンスターなんです! 賢いので大人しくしていますから」「そういう事じゃねぇんだよ! モンスターがいる所で飯食ってると飯が不味くなるんだよ!」 冒険者だろう男が文句を言ってきた。  まぁ、いると思ったよ。  そういう風に言うやつがいるって……。「そんな……」 ミリアが戸惑っている。  仕方ない。あっちに──────。「私が許可したんだよ!? それに文句があるならあんたが出ていきな! あんたみたいなのは二度と来るんじゃないよ!?」「ちっ!」 男は席を立って部屋に戻ると荷物を持って出ていった。「おばちゃん……有難うございます!」 俺もペコりと頭を下げる。「良いってことよ! あんな言われ方したらこっちまで気分が悪くなるだろう? あんなやつは二度と来なけりゃいいんだよ!」 気持ちのいいおばちゃんだな。「カタカタカタ」「はははっ! その子も笑ってるじゃないか! 良かったよ! ゆっくりして行きな!」「はい! 有難うございます! 
last updateDernière mise à jour : 2026-08-06
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5.女の子の依頼

「ふあ~ぁぁ。よく寝たぁ」 伸びをして起きたミリアは色々とはだけているが、見ないように顔を明後日の方向に向ける。「ナイルも寝てたの?」 コクリと頷く。「スケルトンも寝たりするんだねぇ。いがぁーい! 今日は依頼を受けるぞぉ!」 意気込んで準備を始めた。  襲撃があったことには気づいてないみたいだな。  よかった。 宿を出る時に「こんな染みあったかな?」なんて話していたが、バレなかったようだ。 早速ギルドに行くと静まり返っていた。  なんでも、奴らが捕まって罰する為に調査をしていたら色んな悪事が出てきたとかなんとか。 もう冒険者には復帰できないだろうとのこと。  良かった良かった。  もう会うこともないだろう。「依頼を見よう!」 初めて依頼を受けるミリアは何がいいかなぁとルンルンで選んでいる。「お願いします! お母さんを助けて!」「報酬がこれでは依頼を出せないんです。ごめんなさい。最低でも銅貨はないと……」 なんだか少女がお困りのようだ。  けど、依頼に出すには報酬が足りないと。  まぁ、冒険者も生活がある。  だれもうけな──────「どうしたの? 私が受けるわ!」「ミリアさん!?」 ギルドの受付嬢は驚きを隠せない。  そりゃそうだ。依頼受けるの初めてだもんな。「アンさん。私が依頼を受けます!」 あの受付嬢、アンっていう名前だったんだ。  ってそうじゃない。  なんだって? 依頼を受ける?  なんの依頼かもわかんないのに!?「お姉ちゃん、お母さんを助けてくれるの?」「えぇ。まず、何からお母さんを助ければいいのかな?」「あのね、段々石になっちゃう病気なの」 なるほど。  石化病か。  そうなると……。「お医者さんには見てもらった?」
last updateDernière mise à jour : 2026-08-07
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6.アンガー山へ

 アンガー山はそこまで遠くはないが、徒歩で半日はかかる距離にある。  急がなければ。 アンガー山までは街道を利用していく。  最初は勢いよく飛び出して早歩きでずっと来ていた。  俺は疲労というものがないからいいが、テイマーであるミリアは体力がそんなにある訳ではなく。 二時間経った頃にはヘトヘトになっていた。「ううぅぅぅ。こんなに歩くのってしんどかったっけぇ?」  ヨロヨロと歩いているミリア。  そんなのではあの子のお母さん助からないぞ?  仕方ないなぁ。 ミリアの前に回るとしゃがむ。  そして、背中を指さす。「えっ? ナイル……もしかしておぶってくれるの?」 コクリと頷く。「うぅ。ごめんね。有難う」 背中に覆いかぶさってくる。  うん。おんぶしても体は問題ないな。  力的にも問題なくおぶれる。 ミリア軽いな。  そして、背内に柔らかい物が当たる。  んー。骨なのに感触があるのはちょっと不思議だよなぁ。 骨にも神経みたいなのがあるって事かな?  神経も何も骨だけだからそんなわけないか。  謎だな。スケルトン。 おぶって歩いていく。  疲労がないからこの方が効率的かもしれない。  なんか、ミリアを背内に載せる専用の物を作った方がいいかもしれないな。 これなら、もう少しでアンガー山には着きそうだ。  そう思った矢先、ブラウンウルフに囲まれた。  気づいたら囲まれていた。 統率が取れている群れだな。  リーダー格が居るに違いない。  一旦ミリアを下ろす。 それを隙と思ったのだろう。  一番近かったブラウンウルフが突進してきた。  剣を抜く暇はなかった。 前世で剣聖になったが、剣だけしかできなかった訳では無い。  何せ、剣がなきゃ何も出来ないと思われる為、剣を隠されたりもした。 その上で
last updateDernière mise à jour : 2026-08-08
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7.野宿

 「暗くなってきたね?」 コクリと頷き、近くに川がないか探す。  ヒンヤリとした空気が南から来ている。 不思議だよな。  骨なのに風の感覚まで分かるんだよな。「こっち?」 コクコクと頷き、進むと川のせせらぎが聞こえてきた。  キラキラと夕焼けのオレンジの光を反射して何とも幻想的な景色を作り出している。「わぁぁ。なんか綺麗だね?」 コクコクと頷く。  確かに綺麗だ。  今日はここを寝床にしよう。 ミリアを下ろすとその辺にあった石を積み重ねて即席のコンロを作る。  木の枝を集めてくると。  その真ん中に木の枝を入れる。 火……って。  ジェスチャーでミリアに火をおこしてほしいとお願いする。「えぇっ!? 火をつけろって? 無理だよぉ。私魔法使えないもん」 おいおい。マシかよ。  思わず頭を抱えてしまう。「あっ! なんか、冒険者になった時にこれで火をつけれるぞって、火打石っていうの貰ったんだった!」 そうですか。  ミリアさん? もしかして、金ないのに野宿初めてだったりします?  宿代嵩んでるから、金ないんじゃないの? 差し出された火打石を受け取る。  カチカチと打ち付けて枝に火をつけた。「わぁぁ! ナイルすごーい! へぇ。こうやって火をつけるんだぁ!」 あのさ、火打石渡すってことはだよ。  冒険者になる時に付け方教わったんじゃないかな?  ねぇ。ミリアさん?「火は付いたけど、鍋とかないね?」 おぉふ。野宿初めてだったらそりゃ無いか。  じゃあ、枝に肉を突き刺して火の傍につき刺せば。「おぉー! ナイル凄いね! なんでも出来る! すごいすごーい!」 もう何も言うまい。  ミリアは一人だったから野宿も何も怖くて出来なかったのかもしれない。  女の子が一人で野宿なんて大変な事だもんな。 考え事
last updateDernière mise à jour : 2026-08-09
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8.登山

「ここの頂上にミストン花があるんだよね?」 コクリと頷くと、進行方向を指して登っていく。「あっ! 待って!」 ミリアも慌てて後を追って来る。  ゆっくり休めたみたいだから少しは山も登れるだろう。  リミットを考えると三日で下りてこないといけない。 頂上にグリフォンが君臨していると考えると、その下も近しいランクの魔物がいると思われる。  油断せずいかないとな。 少し登ると行く手を阻んだのはホワイトボアだった。Dランクの魔物なのでそこまで強くはないが、突進してくるのが厄介だ。 こちらを見るなり突っ込んできた。  咄嗟にミリアの腕を引っ張り横に逃げる。  ジェスチャーで念話スキルをアクティブにする様に指示する。「えぇーっと……えぇーっと。ここをタップして……」 ホワイトボアは再びこちらに向き直る。  少し横に移動してミリアを攻撃の範囲から外す。  またしてもこちらに突っ込んできた。 これだけちゃんと来るタイミングが分かるなら処理は簡単だ。 ストロング流剣術 抜剣術 「カタカタ(皇《すめらぎ》)」 突進してきたホワイトボアの横を素通りしながら剣を抜き放ち、首を切り落とした。  後は解体して肉だけ回収する。「あっ。念話入れたよ。そのお肉はまたご飯に使うの?」 あぁ。  ここからは何かあった時は指示を出す。  逃げなきゃ行けない時は逃げてくれ。「私も一緒に戦うよ!」 一緒に戦うのはいいが、指示は聞いてもらうぞ? いいか?「はい! わかりました! ナイル殿!」 ふざけて敬礼をしているミリア。  胸を張るとせり上がってくるものに目がいってしまう。  さっと顔を進行方向に向け。 よしっ。  行くか。  足元気をつけてな。「うん。ナイル優しいね?」 そ、そうか?  まぁ。普通だと思うけどな。 
last updateDernière mise à jour : 2026-08-10
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